はるか昔 大体300年前 ここじゃない どこかの次元 地表は｢AVIAN｣という化け物が埋め尽くそうとしていた 残された人類は抵抗し ｢浮遊ビル計画｣を決行した しかし 地表人族、飛鳶族、海下族、岩鉱族たちの全力の抵抗虚しく ビルの完成間際でAVIANは全てを食いつぶした …語弊があった 四人の地表人、六人の飛鳶、二人の海下、三人の岩鉱は生き残り、未完成ながらも十分な浮遊エネルギーを有したビルを打ち上げた 彼らは少人数ながらも協力して生きていった 地表人は四人とも幼く、飛鳶は六人とも盲目であったり隻腕で、海下は二人とも病弱で、岩鉱は三人とも老いていたが、まだコールドスリープされた人々がビルには積まれていた 彼らは眠る人々の眠りを覚まし、ビルの中で繁栄していった 全てがビルの中で完結する、完全な社会が出来たかに思われた しかし全てに終わりはある 新しく生まれた世代は外を知りたがった 地表を夢見てしまった ビルを浮かせている動力源を破壊し、地表に降り立つ計画を水面下で立て始めた 四人の地表人の一人、シルフィオンは成長してビルの中の医療を全て統括する薬剤師として働いていた シルフィオンは落下計画にいち早く気づき、落下を止めずとも生きられるように他の地表人を自分の薬で強化しようと試みた …結果は残酷だった 彼女の友人たちは人の姿を留めず 苦しみながら死んでいった 他のビルの住人たちも落下に備えるために装置を作ったり ビル内のシェルターに入ったり 万全の体制で落下を待ち望んだ …誰も若者たちを止めなかった 誰もが地上を渇望していたのだから …そして作戦の決行日。 その世界からは全ての生物がいなくなり、世界はAVIANが埋め尽くしたのだった。 …シルフィオンは、唯一身体強化薬とその副作用に耐えた血の繋がっていない弟リディロットと共に別の世界に去った後だった。 “………” “ごめんね、みんな”
なりチャ内で言ってた昔話(コピペ) “ごほん、 …昔々、リディロットは… とあるビルの暗い部屋の中で、同じ境遇の子どもたちと身を寄せあっていました。それぞれ｢アロフィ｣｢エフェリア｣｢シルフィオン｣と名乗る子どもたちは皆凍えるような寒さの中で必死に慰め合い、部屋の外の争いが終わるのを待ちました…” “…部屋の外の音が収まり、彼らが外に出て目にしたものは… 荒廃した地上と、この世界に生き残っている｢人間｣は自分たちの四人だけである、という事実と、人間が最後のあがきとして作り上げていた｢空中ビル計画｣の… あとはボタンを押すだけで完成するビルでした。” “彼らは晴れて空中ビル・ラディオビルの住人となり、人間ではない他の種族たちとも互いに助け合い生活していましたが、完璧の安全と永遠の命を保証されるビルの中に次第に飽きてしまい、ビルの浮遊コアを破壊しようとする若い世代が現れました…” “…子どもたちは成長してはいましたが、まだまだ愚かでした。特にボクは… シルフィオンは、自分の作った薬を他の三人に投与し、ビルが落下しても耐えられるようにしようとしました。しかし結果は予想通り失敗に終わり、生き残ったのは彼と、酷い副作用を受けつつも落下に耐えシルフィオンも守ったリディロットだけでした……” “……それでぇ、ああ、ボクやっちゃったな… って絶望してたらなんかこの世界に飛ばされたから… リディロットの薬の効果を完全に元に戻す薬を作り上げて… それで罪滅ぼしをしたつもりだったけど…… 戻す薬の副作用で… リディはボクのことを忘れて… きっと今は自由に暮らしてるはず”
