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シェアハウスメモリアル#1

SYSyu_11•Created January 12, 2024
シェアハウスメモリアル#1
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Instructions

《鎌猫》 若干空が夜に染まっていく。地下鉄の出口から出ていく「鎌猫(かまねこ)」はキャリーケースを持っている。シェアハウスとやらに住むための「生活用品」に「衣類」...それに「武器」も。 鎌猫自身、親以外に誰かと暮らすことは初めてだった。というか、親も10歳の頃にいないためほぼ一人暮らしだ。 16歳には「◯し屋」の仕事を受けていた。今年で4年目になる。本名は「九宅(くやけ)」と言うのだが「鎌猫」という◯し屋の屋号を受け取ってからか、全く呼ばれたことはない。慣れるために入ったという理由もある。 ガヤガヤと喧騒が響く大通りを軽やかに通る。どんな人間が住んでいるのだろう。接しやすい人がいいな。そう希望を膨らませる。 少し道を外れる。外は5時半をまわり、夜は帷を下ろそうとしていた。人々の声は段々と消えていき、最終的にはキャリーケースの車輪が転がる音だけが響いた。 不意に、柄の悪そうな若者3人が立ちはだかる。この街は観光客にカツアゲをする奴らが多いと、駅の職員から聞いたのを思い出す。 「おい、にいちゃん」 ナイフを右手に持ち、赤いアロハシャツをきた男が声をかけてくる。同じ業者のような様子はなく、ナイフを持ったとは思えないほど隙が多い。 「なんですか。急いでるんですけど」 ここで騒ぎを起こしたくはない。一応キャリーケースからすぐに拳銃は取り出せる仕組みになっている。だが、こんなに静かな住宅街で発砲をしてしまうと、どんな騒ぎになるか見当がつかない。 「金と命、出せよ」 赤アロハの男が無視をして続ける。反射的に武器を確認する。茶色のサングラスを付けた緑のマウンテンパーカーの男が金属バット、黄色の帽子をかぶったチャラい男が素手・・・・・・いや、メリケンサックだ。 「最近の人は武装が趣味なんですか」 冗談めかして鎌猫は言う。幸い全員拳銃のお世話になる必要はなさそうだ。そう思った瞬間、緑パーカーの男が金属バットを振り下ろした。キャリーケースを遠くに転がしつつ、素早く横に避け、緑パーカーの男の手首に打撃を入れる。予想通り金属バットを男は落とした。即座に黄色帽子の男が殴り掛かる。身をひるがえして躱すと、赤アロハの男がナイフを振るところだった。颯爽と男の手首をひねってナイフを奪う。ついでに赤アロハ男の指を2本ほど一気にへし折る。男が言葉にならない叫びをあげるころには、黄色帽子男の手に鎌猫はナイフを突き刺していた。黄色男を蹴り飛ばし、返り血を回避する。緑パーカーの男が金属バットに手を伸ばすのを見て、手を踏む。男が呻くと同時に鎌猫は男の顔を蹴り飛ばしてダウンさせていた。 あっという間に男三人がみじめに倒れている構図が完成する。 「でめ゛ぇ・・・・・・!」 赤アロハの男が手を押さえてうずくまっている。そんなことは気にせずにキャリーケースを引いてその場を離れる。離れ際、鎌猫は 「これに懲りたらやめるんだぞ」 とだけ言ったのだが、自分がいう事でもないか、と心の中で付け足す。 《デビルキャット》 デビルキャットは、裏路地を歩いている。情報屋のデビルキャットは、たまにこういうところを歩いて情報を収集するのだ。大通りには公の綺麗な情報しか無い。だが、裏路地にはありのままの陰謀が隠されていることがある。しばらく闇市を歩き、一度大通りのほうへ歩く。道中、倒れている三人の男をみつけた。 「いでぇ・・・・・・」 黄色の男がうずくまっている。手から出血しているようだ。かわいそうだな、とデビルキャットは同情の色を浮かべる。 「んだよお前......」 今度は赤いアロハシャツの男が声をかけてくる。指が2本、不自然な方向に折れている。何かに襲われたのだろうか。緑のパーカー男は気絶している。指は1本ほど折れている。 「俺は情報屋の『デビルキャット』だ。......何があったのか」 デビルキャットはそう言った時、赤アロハの男は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。よほど大変な目に遭ったのだろう。 「黄色のキャリーケースを引いてる猫耳の旅行客を◯せって命令がかかってよ...」 あの案件か、とデビルキャットは納得する。 それは2週間前の事だった。ギャング組織の「ミュートロギア」から、急にさまざまな人間を◯せという情報を発布したのだ。その中に確か......「鎌猫」という猫耳の男がいた気がする。全員この街......「スクラッチシティ」に住んでいる、または住もうとしている。 なるほど。あの案件ならイキリ立って、見ない奴らが動こうとするわけだ。 「あの案件か。それで目標(ターゲット)に仕掛けたところ、そうなったと。災難だったな」 デビルキャットはため息を吐く。無理して動かなくてもいいのに、と老人を介護する若者のような気持ちになった。鎌猫という男は正当防衛をしたのだろう。まあ、その男のことなんて、知ったことでは無いが。 「それじゃ、俺はこれで」 これ以上面倒な絡みを受けられないように小走りで立ち去る。でも、これで鎌猫という男が気になってきた。今までただの◯し屋程度にしか思っていなかったのだが。 6時とは思えないほどの、夜空がそこにはあった。 次回「ピース」

Description

音楽 幽霊東京 原作 @Kira_0409 さん 注意 めっちゃ原作から変わってます。申し訳ありません。 主人公はいません(( あと、なんか「ここおかしいぞ」とかあったら言ってください。異論しか認めません(?) 出演者 デビルキャット @votoko さん 鎌猫 しゅー(自分)

Project Details

Project ID949838594
CreatedJanuary 12, 2024
Last ModifiedJanuary 13, 2024
SharedJanuary 13, 2024
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