旗を連打連打ァ!! アンジャッシュ状態……とは違うか 前: https://scratch.mit.edu/projects/903290926 次:まだ ~ストーリー~ 桜ヶ島第一収容所、6-2収容房。 その中で、大場結衣は顔を伏せ、座り込んでいた。その周りには、同じようにたくさんの子供たちが座り込んでいる。 結衣を収容所まで連れてきた母の、何も映さない瞳。 公園で結衣をかばい、禁鬼に呑まれた兄、大翔の声。 収容房の入り口をふさぐ、虚ろな瞳の見張りたち。 もう何も見たくない。聞きたくない。 その時だった。見張りの一人が、結衣のもとに歩いてきた。艶のない銀髪の青年だ。顔の半分は奇妙な仮面でおおわれ、真っ暗な瞳が冷たく結衣を見下ろす。機械のように、ゆっくりと歩いてくる。 結衣の背筋が凍りつく。 結衣(いやだ……まだおににたべられたくない……でもこわくてうごけない……おかーさん……おにーちゃん……) 仮面の青年が結衣の元まで辿り着く。その瞳に―光が灯った。 ???「……おい、大丈夫か―」 結衣はそこでようやく叫んだ。 結衣「いやあああああああああ!!」 ???「(小声で)おい、落ち着け!俺は敵じゃねぇ!」 結衣「えっ……?」 結衣は青年の顔を、目を見た。光の灯った瞳には自分が映っている。 ???「いやぁ、術にかかったふりして見張りしてたんだけどさぁ、案外バレねぇもんなんだなぁ……あ、俺はMinikatuってんだ。お前は?」 結衣「……おおば……ゆい……」 Minikatu「ゆい、か。よろしくな。……ってか……これ、俺ガン無視されてる?」 Minikatuにつられて入り口を見る。見張りは相変わらず突っ立っている。 結衣「……」 結衣はまだ疑いのこもった目でMinikatuを睨んでいる。 Minikatu「おいおい、そんな目で俺を見んなよ……俺はアイツらの仲間じゃないんだか―」 そこまで言いかけて―爆音がとどろいた。開け放たれたドアからオレンジ色の猫―sa_me_chan_1020(以下さめちゃん)―と、黄色い球体のような形の見張り―Ryunta―が飛び出してきた。見張りの方は気絶しているらしい。 結衣の目はさめちゃんに向けられていた。恐ろしい何かを見る目だ。 さめちゃんは狂気に満ちた目でMinikatuを視界にとらえた。 Minikatu「何だお前!?」 さめちゃん「……お前……見張りか……」 Minikatu「待て、違う!俺は見張りのふりをしてたんだ―」 さめちゃん「問答無用!!ミンチにして犬の餌にしてやる!!」 Minikatu「待て、話し合おう!!暴力は何も生まない、話し合おうじゃないか!!」
Minikatu v1 バージョン