Project25㉚ 最終回 「同着だって...?」 「こんな決着あるのかよ...」 「ここまで互角に渡り合えるとはな...」 「ニーゴの全勝を止めたんだ、ナイトシフトはこのまま引き上げても良いんじゃねえの?」 「Project25だって、黙ってないだろ...」 「折角来たんだし、もう一本バトルしてくんないかなぁ...」 「この雪の中で二本は流石にキツイよ...」 「うわぁ...こっちがドキドキしてきたぜ...」 幸助「一体...」 幸助「どうなるんだ...!?」 京王新宿駅 まふゆ「同着とは想定外だったわね...」 羽島「周到に準備して挑戦してきたんだ、簡単に勝てるとは思わなかったけど、まさかな...」 まふゆ「しかし、起こりうる事態よ...」 羽島「どうするまふゆ、こっちでも意見をまとめといた方が...」 まふゆ「そうね...」 総一郎「さて...こちらとしては」 総一郎「この結果には納得している」 総一郎「だが...満足はしていない」 総一郎「指令に話はつけた、4時スタート、京王新宿発高尾山口行き、上り一本勝負」 総一郎「今度は同着でも再戦はない、正真正銘、俺たちのラストバトルだ!!」 まふゆ「時間がない、2000は整備なしでもう一本行ける?」 羽島「愚問だぜ...まふゆ...」 羽島「そんなヤワなメンテはしてねぇ...いける!!」 まふゆ「あとは...」 まふゆ「ドライバー次第ね...恵一さん」 まふゆ「いけますか?」 恵一「...」 恵一「あー...」(なんか、怖い...) 恵一「このまま終わっても、スッキリしねぇしな...」 恵一「俺は...今日ここで決着をつけたい!!」 まふゆ「よし...」 まふゆ「始めるわよ!!渉!!」 コク 羽島「...」 「再戦!!もう一本走るってよ!!」 「おおーっ!!」 「新宿発高尾山口行きハイパワーダウンヒルバトル!!」 「ハイレベルなドッグファイトを三度も見られるなんてツイてるぜぇ!!」 「うおーっ...身震いしてきたぁっ...!!」 羽島「カウント行くぞぉーッ!!」 羽島「ゴォー!!」 羽島「ヨォン!!」 羽島「サァン!!」 羽島「ニィ!!」 羽島「イィチ!!」 羽島「GO!!」 ギョアアアアアアアアアアアアア!! 笹塚 恵一「流石に、地下だと飛びぬけてるな...」 恵一「けどこれも、外に出てしまえば通用しないのは、一本目ではっきりした!!」 恵一「集中力が切れればミスが出る...!!その時が勝負だ!!」 明大前 まふゆ「流石についてくるか...」 まふゆ「無理もないわね...これだけ粘着しなきゃ、パワーの半分も使えてない...」 恵一「VVVFのメリットが、ウィークポイントになって足を引っ張りやがるぜ...」 恵一「こっちの手の内は一本目で丸裸だ、小手先の駆け引きは通用しない」 恵一「いける時はガンガン攻めるぜ!!」 羽島「本当に、これで良かったのかな...」 羽島「長引くのはまふゆにとって不利なんだけどな」 羽島「雪だと、あらゆる負担は人間にくるんだよな...消耗するのはドライバーの神経だよ」 絵名「まふゆの集中力がどこまでもつかね」 ミツルギ「あいつが今取り組んでる課題をキッチリとマスターするためにはいいチャンスだ」 ミツルギ「じっくりと走り込んでもらうさ...」 ミツルギ「プレッシャーのかかる実践の中で生きる技術じゃなけりゃ、意味がない」 瑞希「相変わらず厳しいんだよなぁ...まふゆには」 羽島「お前らマジでどういう関係なんだよ...」 下高井戸 雅子「...」 総一郎「やっと出てきたな...隅っこに隠れてるのは、お前には似合わないよ」 総一郎「紆余曲折を経て、交流戦はすごいバトルになってるぜ...」 総一郎「がっぷりと四つに組んで、意地と意地のぶつかり合いだ...」 総一郎「勝ち負けはともかく、これだけのバトルを演出できれば俺は満足だよ...」 総一郎「相手はProject25だからな...」 雅子「ホントにすごいよね...二人とも」 雅子「でもね総一郎...勝つのは絶対、まーちんだと思うの...」 江口「ドクターマーチン?」 瑞希「ブッ」 雅子「まーちんは天才だもん...」 総一郎「...」 総一郎「この五日間で何があったのか、分かりやすすぎるぜ...」 ガチャに全財産突っ込んだ 桜上水 恵一「VVVF制御は細かなトルク制御が可能で、高い粘着性能を発揮するが、濡れたレールでは低いMT比で大出力をかけられない...」 恵一「だが俺の7000にはそれがない!!」 恵一「810回にも及ぶ試運転を繰り返し、弱点という弱点を全て克服!!更に全軸に高出力主電動機を積んだ、プロが仕上げた最高のクルマだ!!」 恵一「そんじょそこらの特急型とはわけが違う!!」 八幡山 「千鳥鳥山で恵一が仕掛けたぁ!!」 「7000が前に出たぞぉっ!!」 「さっすが7000、立ち上がりはハンパじゃねーなぁ...」 芦花公園 まふゆ「ポイントでしっかり仕掛けてきた...やってくれるじゃない...」 まふゆ「だったらこっちも、全力でお答えしないとね!!」 ナルホド「随分早くに動いたな...」 ヤハリ「御剣、まふゆちゃんは大丈夫かな...」 ミツルギ「...」 ヤハリ「...ミツルギサン?」 ミツルギ「こんなコトもあろうかと、密かに運び込んでおいた銀星号」 ミツルギ「さぁ来い...!!」 チャリン♪ 名鉄2000 チャリン♪ 近鉄7000 チャリン♪ C641蒸気機関車 テッテレー 近鉄10000系 ビスタカー ミツルギ「近鉄のモスラ...」 ミツルギ「今宵、復活する...!!」 瑞希「ミッちゃん、私たちの声が届かないくらい考え込んで...」 ナルホド(あれは絶対余計なこと考えてるカオだ...) 千歳烏山 恵一「負けねーぞぉ...この展開になればモチベーションの勝負だ...」 恵一「メンテや改造に不自由しないセミワークス育ちのお嬢ちゃんには分かんねーだろうが...」 恵一「気合いと根性だけは、金では買えねーんだ!!」 恵一「貧乏でも努力した奴がのし上がってこそドラマじゃねーか...」 恵一「俺が負けてちゃ盛り上がらねーぜ!!」 仙川 ???「たかが雨でそこまでヨレヨレになっちまうのかよ...ショボいもんだなぁ...」 ???「勝とうと思えばいくらでもやりようがあるってのによぉ...」 ???「何もまともにやりあうこたねぇだろ...」 つつじヶ丘 まふゆ「7000の動きが、さっきから少しづつ怪しくなってきてる...」 まふゆ「向こうも疲れてる...!!」 まふゆ「そろそろこっちから、アクション起こしてみよ...」 まふゆ「めいっぱいプレッシャーかけて、ゆさぶる...!!」 柴崎 恵一「えぇっと...今どこだ...」 恵一「流石に頭が白っぽくなってきやがった...」 恵一「マスコンも心なしか重く感じるぜ...」 恵一「かなり疲れが溜まってきてるがまだまだいける」 恵一「粘って粘って最後に勝つのは...」 恵一「俺だ!!」 国領 御剣「人間の集中力なんて、そう長く続くもんじゃないからな...」 御剣「ギリギリまで張り詰めていられるのは、30分ぐらいが限界だと言われている」 御剣「雪で視界は悪いし、レールは滑る、一瞬も気が抜けないからな...」 ナルホド「集中力が切れたら、一体どうなるんだ?」 御剣「まず判断力が鈍る、反応が遅れる」 御剣「証言を全て揺さぶり、証人をいじめ抜く」 ナルホド「...」 御剣「ちょっとしたことがストレスになり、二つの事が同時にこなせなくなる」 御剣「終わるときはあっけなく終わるぜ!!」 布田 カタッ 恵一「...?」 恵一「あっ...!!」 パンパカパーン 恵一「あんな所に...」 恵一「GOGOトレイン大阪市交通局66系が...!!」 シャー... 恵一「行くな...そっちじゃない...!!」 恵一「とまれ...とまってくれ...!!」 カチッ ピタッ 恵一「ふー...」 恵一「ああっ!!やめろ!!何やってんだバカ!!」 恵一「ダメだダメだそっちはダメだ!!」 恵一「アッー!!」 ヒュー... 恵一「ぬぅっ...!!」 ズサーッ!! 恵一「ふう...間一髪だぜ...」 恵一「あっ...!!しまっ...!!」 調布 ゴァァァァァァァァァァ!! ガァン...!! 木守恵一、痛恨の脱線運転打ち切り 雨の中の消耗戦は、御剣の予言通りあっけないカタチで幕を閉じた 恵一「言い訳に聞こえるかもしれねーけどな...」 恵一「集中力が切れるって、こんなもんなのかな...」 恵一「自分でも嘘だろって気分だよ...」(てゆーかマジ嘘だろアレ...) 恵一「ま、あの超有名ヒルクライマーと互角にバトルできたんだ...俺は満足さ...」(良いモン手に入れたし...) キモリ「お兄ちゃーん!!」 キモリ「心配したよお兄ちゃーん!!キモッ」 尚子「大丈夫って無線で言ってたでしょ...大袈裟で馬鹿みたい」 キモリ「ねぇお兄ちゃん?あんな地味で意地悪な、あっちの妹はほっとこ?キモッ」 尚子「なっ...」 「あっちの尚子ちゃん、愛想がないしな...」 「なんだか冷たいし、こっちの尚子ちゃんの方が良いぜ...」(なんかキモキモ言うけど) キモリ「キモッ」 尚子「...」 ポン 恵一「俺の妹が...」 恵一「こんなにキモリな」 恵一「わけがない!」 ミツルギ「よし、用は済んだな」 パンパンッ!! ミツルギ「帰るぞ!!」 ミツルギ「ボヤボヤするな!!夜明けまでに出発するぞ!!」 ミツルギ「プンスカプー!!」 瑞希「ガラピコぷ〜!!」 絵名「御剣さん、機嫌悪くない?」 恵一「スッキリしない決着だったからかな...」(俺も納得してねぇし...) ナルホド(何か企んでたけど、上手くいかなかったな...) 今田重工若林工場 将棋「これが例の京王5000系か...」 今田「ああ...」 今田「例の大破事件から、金ないからかロクに手入れされず雨ざらしで放置、あちこち錆びりまくりで、引退後のタンゴエクスプローラーみたいな状態だ」 今田「...直せるか?」 将棋「まぁこれくらいならどうってことないが、急にどうしたんだ?」 今田「ちょっと...ワザを伝授したくてな」 将棋「ワザ?」 終
この作品はフィクションです。 実在の人物・団体・事故などとは関係ございません。 元ネタ 電車でD プロジェクトセカイ