「はぁ・・・」 私は寝床で目を覚ます。 蓮々病院という病院の中。 私は目を覚ます。 「・・・」 外から話し声が聞こえるが、無視して立ち上がる。 私は創新留佳(そうしんるか)癌を患っています。 ただ、心臓付近かつ、多くの毛細血管に絡みついているため、摘出不可能だと言っていた。 ただ、一つだけ私にはある方法を思いついている。 ただ・・・試す気にはなれない。 失敗すれば・・・たくさんの命を奪うことになる。 それだけはしたくなかった。 「留佳!」 そう叫びながら部屋へ転がり込んで来た人がいた。 「ごめんごめん!遅れた!」 そうやって笑ってくれる彼、白夜颯(びゃくやはやて) 毎日のように病室へ朝8時から来てくれる。 それが毎日の楽しみである。 「昨日ね、実はね!」 などと嬉しそうに話してくれる彼が愛らしい。 彼の家系、白夜家は全員が子供っぽいので、家族全員こんな感じかと思っている。 思っていると言っているのは、会ったことがないわけではない。 会えないのだ。 彼の家族は、姉、両親ともに他界してしまっている。 姉は病気で、母親は、姉の病気を治すために、心臓移植で、父親は、交通事故で亡くなっている。 ハヤテはそれを笑って言ってくれたが、相当なる精神的ダメージを負っているのだろう。 それを隠していない。 「そういえばさ、留佳。」 「え?何?」 「・・・お誕生日おめでとう!」 そう言って紙袋を渡してくれた。 「えぇ!ありがと!」 私は自然と笑みが溢れた。 と、その時だった。 「これ最初で最後の誕生日プレゼントだからね?」 「え・・・?」 「・・・留佳のためにできること、考えたんだ・・・。 僕にできることは・・・これしかないから。」 そう言って紙を差し出してきた。 「これって・・・」 承諾書・・・しかも・・・白夜颯の心臓を・・・心臓周り全てを・・・創新留佳の心臓周りに・・・移植・・・する・・・? 「は、颯・・・?」 「ふふ・・・」 颯は力無く笑った そして私の手に自らの手を重ね・・・ハンコを紙に押した・・・。 「留佳に・・・生きて欲しいから。僕にはもう心残りなんてない。でも・・・留佳には・・・あるから。だから、できないうちに。ね?」 そう言いながら紙を回収した。 「じゃあ、またね!」 そうやって、無理やり笑みを作った。 数日後、手術が行われる時が来た。 私は・・・ベッドに横たわったら、目を開かないでおいた。 みたら絶対に・・・泣いてしまうから・・・。 「大丈夫だよ。留佳。」 そう言って、颯が手を握る。 「絶対成功するから!」 そう言って、私は意識が遠のいていくのを感じた。 〜数時間後〜 目が覚めた頃には、もう颯はいなかった。 姿がなかったというべきだろうか。 死んだはずだ。 そして私は・・・病室に戻った 〜数ヶ月後〜 私はやっと退院した。 颯の心臓を抱えて。 そう思っていた。 外へ一歩踏み出した。一歩、また一歩と歩くたびに、涙が込み上げてくる。 目の前に、桜と共に佇んでた人は・・・ 「おかえり!」 白夜颯、その人だった。
あとがき なんかもうなんとなく書きたかっただけですね!ハイ。