第3話・次元槍 〜全員戻ってきた〜 「・・・収穫は?」 「天蓋の魅了成功なのと、1人だけ天蓋の中にいて、敵じゃなかったチビを連れてきました!」 「チビじゃないわ!麗日小春だし!どうもチビだけど。」 「・・・多重人格か・・・めんどくさ。」 「ごめんなさいね、めんどくさくて。はぁ!?あんたの方が2000倍めんどくさいわよ!」 「・・・とりあえず孤児院連れていくか?」 「うーん、戦闘に役立つ能力だから連れてってもいいかも。」 「・・・で、お前はどっちがいい。」 「孤児院!?嫌だよ!こんなゴミがいっぱいいるところにいたくないんだけど!?」 「・・・とりあえず紅蓮と一本勝負して、できそうだったらここで仕事をやる。言っとくがここにいる誰も死なせるつもりはない。」 「え〜・・・勝負・・・?受けて立ちましょう!ホントに?ホントよ!」 「本当に人間と会話してるのかと思っちまったな。ってことで紅蓮?」 「準備万端だぜ!」 「何この脳筋バカ。それには同意」 「よし、ぶちのめしてやんよぉ!」 「構えろ。」 そして2人は構えを取った。 「教えといてやる。俺の名前は紅月紅蓮だ!能力は圧縮で、ありとあらゆるものを圧縮できるぜ!」 「私の能力は・・・。教えてあげない!」 「初め。」 紅蓮がまず仕掛けに入った。そこら中に玉をばら撒きながら突進していく。 小春は・・・無心で紙に歌詞か何かを書いていた。 「書けた。心の詩よ姿をお見せ」 そう言った途端紅蓮が吹っ飛んだ。 ギリギリバク転で起き上がったが結構なダメージくらったらしい。 「解除!」 紅蓮の圧縮した玉が一気に爆ぜてダンプトラックや鉄球などに変わっていく。 それの反動で小春の頭上に圧縮を解除したものが迫る。 だが小春は瞬発力だけでそこを抜け出した。 そのまま紅蓮の頭にステッキを叩きつける。 「!?」 紅蓮の体が硬直した。 「負けを認めなさい。」 そう言った途端紅蓮がフッ倒れた。 「・・・高度な術だな。」 俺はそう言いながら紅蓮を尻にしいた。 「とりあえず、ここに残り決定な。」 「はーい!え〜?とりあえずお腹すいた。次お兄さんとやりたいな!まだやるの?このお兄さん強そうだよ!いいけどさー・・・。じゃあお兄さん、やろ!」 「・・・まぁ新武器も試したいしやるか。」 そのまま俺は定位置に立った。 「らちき、起きろ。審判頼む。」 「へ?あ、ええけど。」 そのまま俺はいつも通り発勁の構えを取る一応道場だから大丈夫だろう。 「初めっ!」 らちきの声と共に、俺は手のひらを押し出す。 風圧で小春が吹っ飛びかけた。 「お兄さんのパワーすごい・・・」 俺は刀の代わりに槍を取り出す。 「これはここにいる誰にも見せたことがない武器だ。開け次元槍」 その瞬間ぽっかりと穴が開いて、小春の真後ろに繋がった。 そこから飛び出すと、ステッキを紅蓮の時と同じように叩こうとしてくる。 「次元槍はな、あらゆる能力を無効化する。」 そのまま槍で受け止める。 横に受け流すと同時に、鳩尾に一発入れると、ヘナヘナと座り込んでしまった。 「・・・俺の勝ちでいいか?」 「いいよ・・・。やだ!」 「今のは紫風の勝ちや。おもろい子やなぁ。」 「とりあえず・・・紅蓮。起きろ。」 「んへぇ・・・」 「お前が出したもの片付けろ。無駄に邪魔だ。」 「はいはい・・・」 そう言いながらものを圧縮し始めた。 「・・・採用だ。全員に告ぐ。これより、トランスは・・・俺、柊、らちき、景文、紅蓮、芽瑠、小春での行動とする。そして、最後の大企業となるであろうミカエラを潰す。トランス、本格始動だ。」 「待ってたで!」 「紫風兄!まずどこからいく!?」 「破壊ならまかせろ。」 「いくぞぉ!」 「誰か自己紹介して!別にしなくてもいいでしょ。名前わかったほうが便利じゃない?」 「お姉ちゃんの分まで頑張るぞー!」 〜???〜 「・・・そうか。トランスが本格始動し始めたか。潰せなかったのは残念だが・・・赤坂紫風の命ももうないだろう。叩くならば・・・三日以内だ!陣を払え!出陣だ!最終兵器も出せ!どんどんと!」 『了解!』 その夜から、俺たちの人生は幕を閉じたようなものだった・・・ 次回、第4話・ミカエラ お楽しみに!