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笑って過ごせるように 第7話・真価

SIsigure1231•Created August 20, 2023
笑って過ごせるように 第7話・真価
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Instructions

大きく深く呼吸する。 そして呼吸していることに驚く。 なぜ・・・? バッとおき上がった。 そこに広がっていたのは・・・色とりどりの植物が花を咲かせる楽園のような場所だった。 「・・・?」 周りを見渡すが、見渡す限りの青い草原だった。ただ一つ違うことは・・・空が紫色に染まっている。 驚いた。それしか言いようがない。 俺は起き上がってみる。バサリとかぶっていた大きな銀杏の葉の布団が落ちる。 わけもわからぬまま俺は走り出した。 自分の名前がわからない。それだけだった。 そして走り終えた時に会ったのは・・・阿修羅丸・・・だった。 「・・・アシェラ・・・」 無意識に俺は片手を阿修羅丸に伸ばした。 刀を抜くと・・・刀は・・・色濃く紫になっていた。 元々の紫よりも青が濃くなっている。 ・・・嫌いじゃない。むしろ前よりも好きだ。 『やあ、白狐。』 阿修羅丸が話しかけてくる。 そこで何もかもを思い出した。 「・・・俺は・・・赤坂紫風か・・・」 そう、名前も、今までのことも、なぜ死んだと錯覚していたかも思い出した。 その瞬間だった。 『君に・・・もう一つの力を与えよう。有限の短い命ながらも・・・世界に抗うための力をね。なあに、僕を選んでくれたほんのお礼だよ。・・・一つ聞こう。君の願いは?』 そう聞かれる。誰が誰だかわからなくなる。でも、会いたい。もう一度。 「・・・あいつらに・・・」 自然に言葉が出ていた。 「・・・柊に、M氏に、翠扇に、会いたい。あって・・・それで・・・きちんと言いたいことを言いたい。謝りきれてないこともある。お礼も言えてないことがある。それで・・・あいつらだけでも・・・」 俺は人呼吸おいた 「笑って・・・過ごせるように・・・!」 数秒の間が空いた。 『全く・・・馬鹿正直は嫌いだよ。いいだろう。君にもう一つの力を・・・何もかも超える力を・・・そして・・・自然に人々を笑わせることができるような力をやる。その代わりに・・・お前の命は残り1週間だ。』 「ありがとう。・・・聞いてもいいか?」 『何をだ?』 「・・・お前の名前は?」 『・・・阿修羅丸。阿修羅観音の息子さ。』 そこで意識が途切れた・・・ 〜柊視点〜 「M氏さん!これ絶対間に合わないよね!?隠れ家に行くまでに制圧されちゃう!」 「まぁ多分間に合わないでしょうね・・・紫風さんが来ない限りは・・・」 どれだけ紫風兄に頼っていたか目の当たりにした。 「M氏さん・・・あなただけでも逃げて・・・」 決意した。紫風兄が信頼した人を見捨てるわけにはいかない。たとえそれで自分の命を危険に晒そうとも。亡霊だって消滅する。物理攻撃が軽減されているだけだ。全く喰らわないわけじゃない。 「で、でも・・・」 「早く・・・行け!」 思いっきり頭の輪に乗せて押し出した。 「M氏さん・・・ごめんね。」 葉田さんは先に行かせた。多分紫風兄のことを探ってくれるだろう。 「じゃあ・・・死ぬ気で頑張るしかないか・・・」 僕は両手に鋭い歯がついたカッターを構えた。 『ある人』からもらった大切なものだ。 紫風兄が密かに最近言っている組織にいる人の1人で・・・僕と同じぐらいの人。 そんな人からもらった・・・大切な品だ。 「・・・行くぞ・・・」 その瞬間だった。 空に裂け目が走った。 空が割れた。 その中心に立っていたのは・・・ 「紫風兄・・・?」 雰囲気が違うが、紫風兄だ。 服が違う。 青が強く、前よりも大きなマフラーと黒くなった刀、そしてボロボロの紫色の羽織。 紫風兄の・・・最後の切り札ではない。 最初で最後の・・・手に入れた力だ。 紫風兄は・・・剣術だって、能力だって、生まれつきではない。能力ですらも血が滲むような努力の果てに手に入れた能力だ。それをフル活用しながら、別のものが動いている。 それは・・・もう一度・・・この世界が、この宇宙が、この次元が、『笑って過ごせるように』つくられ、譲渡された力だ。 ・・・まさに・・・紫風兄の願いを叶えるために・・・だが、ずっと前から準備されたような能力・・・その名は・・・ 「レクイエム・・・全開だ。」 戦場に紫風兄の声が響き渡った・・・

Description

サムネの背景 https://www.google.com/imgres?

Project Details

Project ID884167335
CreatedAugust 20, 2023
Last ModifiedAugust 20, 2023
SharedAugust 20, 2023
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