泉谷Aを除く泉谷家は、この週単身赴任をしている泉谷Dに会いにいくことになった。泉谷Bが、仕事を２日続けて休む価値がある泉谷一大イベントだし、誰より何より楽しみにしていたのは、泉谷Aだったために、無念の一言に尽きた。 憂いと綺麗な朝の紅色の空に見守られながら、泉谷Aを除く泉谷家は続々と車に乗り込んだ。そして、最寄りのインターチェンジまで、時速30㌔くらいで進んだ。 時々赤信号に捕まると、青を見ながら、一家の話題は失踪した（と思われている）泉谷Aの話題になった。 泉谷B「お〜い智〜、いるんなら返事しろぉ」 泉谷AB「家出してるらしいから、窓開けたって無駄よ」 泉谷ABだけが、家出だと思っているらしい。まぁ、「家」を「出」ているから、本意的にはあっているのかも知れないが。 やっと、泉谷Aがどこに行ったかわかった人が泉谷家の中に現れた。 朝９時４５分。８９キロ進み、残りはまだ１８０kmもある。 「ちょっと、サービスエリアかパーキングエリアで休憩しましょう」 言ったのは、泉谷ABだった。みんながみんな賛成したけれど、泉谷Cと泉谷Bの賛成は、どこかポジティブに欠けている声だった。 泉谷C「…なんか違くない？あの子…智も！楽しみにしてたはずよ」 泉谷B「同意見。それにも賛成。しかも、一番楽しみにしてたやつは…」 泉谷Bは、泉谷ABを指差し訊いた。 「おまえか」 泉谷Cを指差し同じように訊いた。 「ひろなか」 後ろの車がずっと尾行しているように見えた。 サービスエリアに着くと、二手に分かれた。 泉谷Bと泉谷ABは、「お土産を買う」係。 泉谷Cは、「コンビニに行く」係がいいと言ったので、この役目に決定した。 しばらくして、全員が待ち合わせ場所に集合した。 泉谷一家は不吉な顔をしていた。 泉谷Cは、確認のため訊いた。 「みんなおんなじこと考えてるわよね？」 みんな、頷いた。Cは、うなだれた。
SEASON1(1~5話）のあらすじ 泉谷智（SATOSI IZUMIYA）が目を覚ますと、牢獄の中だった… 冤罪の中、泉谷智という名の学生は奮闘する。一方、泉谷智を探す泉谷家は、「本物の泉谷」に会って…!? 牢屋の中、泉谷智も、「本物の泉谷」がいることに気付く。相変わらず手がかりが少ない泉谷家は、ニュースで「あるもの」を見て…!? 語り手…ノーマーク 泉谷智…泉谷A 泉谷康二…泉谷B 泉谷みゆき…泉谷姉（AB) 泉谷ひろな…泉谷母（C） 泉谷大輔…泉谷兄（D）新キャラ！ ソウ青年…少年SO 廣田看守…廣田看守 謎の牢屋の長…謎長 弘中博彦…ヒコ 新キャラ！
