ある寒い日。 孤児院で働く1人の女性が門を閉めにいった。 門には、今にも寒さで凍え4にそうな赤ちゃんがた。 女性は、さっさと門を閉めると、赤ちゃんが入ったバスケットを持って、室内に駆け込んだ。 そして、その子は、光(らいと)と名付けられ、大切に育てられた。 しかし、光が小学生ぐらいになると、目が良く、透視もできるため、悪いことをすぐ見抜き、先生に話していたため、悪いことをする奴らのいじめの対象となっ てしまった。 おまけに、耳が遠いことを突かれ、散々な目にあった。 6年生の時、後ろから突き飛ばされ、階段から落ちたりもした。 なぜいじめを訴えなかったのか。 それは、怖かったから。 今まで暴力などを受けたことのなかった光にとって、 それは何よりも恐ろしく、いじめっ子に、言うなと脅されたこともあり、何もできなかったのである。 いじめっ子と高校まですごし、卒業すると、孤児院をでて、1人で山の中で暮らした。その時にはもう、音を感じなかった。いつからかはわからない。今、気づけば耳が音を感じなくなっていた。 そこから、数年がたち、21歳をむかえた夜、ある人物が訪ねてきた。 「こんばんは、光くん。そういえば誕おめ。俺はお前とずっと一緒だった毒罪だ。」 「毒…罪…?」 相手の口に注目し、何をいってるのか読み取る…。 光は記憶の糸をたぐった。 (自分じゃないいじめられっ子…毒罪だったか?) 「思い出したようだね。俺はあの時のいじめっ子を蹴散らすのにお前も加われないかと思ってな。」 「でも、俺は何も聞こえない。特に運動神経がいいわけでもない。」 「いや、目だ。お前の目があればあいつらを撃ち56すこともできる。どうだ?銃の使い方さえ分かればお前にはできるはずだ」 誰かに期待されて応援もされてわかってくれる人は久々だった。 「あぁ。のった」 「そうこなくっちゃ。なぁ?」 こうして計画が始まった。