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行き着く先まで

SIsigure1231•Created August 14, 2023
行き着く先まで
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Instructions

「ゴフッ・・・」 俺は血を吐きながら息も絶え絶えに山を登っていた。 巨悪と戦うべくこんな辺鄙な場所に来たわけだが、戦いにはかった。だが、それで受けたダメージが大きすぎた。 マフラーに顔を埋める。 多分ここで終わりだろう。あっけなかった。 でも俺にはまだ会いたい人や、まだ謝れていない人が多すぎる。 まだ冥界には行けない。 そう思いながらも俺の意識は泥のように重く、のしかかってくる。 目だけが空いているような状態ながらも足を引きずるように歩く。不意に足を止める。 そこにあったものは・・・墓だった。 それもただの墓じゃない 俺が・・・俺たちがあの時建てた墓だ。 仲間と、小雨と、紅蓮と、サグメと、冬馬と、柊と、時雨と、建てた墓だ。 「・・・みんな・・・」 もうみんな逝ってしまった。もう戻ってはこない。それでも・・・願いが届くというのなら・・・ 「俺に・・・もう一つ命を・・・」 もうあいつらの後を追いたくない。 ここまで傷ついたのは久しぶりだ。もう2度とこんなことになりたくない。それに、まだ守れていない笑顔がある。合言葉は・・・ 『笑って過ごせるように』 なんだから。 そのまま俺は崩れるように倒れ込んだ。葛の葉が傷を隠すように覆い被さってくる。 「・・・」 もう声さえ出せなかった。 でももう一度声が届き、手を握り、一緒に笑い合えるなら・・・ 「__に・・・会いたい・・・」

Project Details

Project ID882422571
CreatedAugust 14, 2023
Last ModifiedAugust 14, 2023
SharedAugust 14, 2023
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