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Untitled-9

SIsigure1231•Created August 8, 2023
Untitled-9
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Instructions

「へ?」 「・・・うん。」 庭先で私たちは紅茶だのコーラだのを飲んでいた。 そんな時に小雨が切り出したのだ。 「お姉ちゃんには言ってないけど、好きな人できたの。」 「・・・そっか。もう大人だもんね。」 私ことサグメはとてもしんみりしていた。嬉しい様な寂しい様なそんな気持ち。 でも妹の成人式みたいなものだ。祝ってやらねば姉としての顔が見せられない。 「で、それって誰なの?」 「ふぅ・・・言いづらいけど・・・際月蒼くん。(さいづきそう)」 「あいつぅ?あいつはやめといたほうがいいよ。紫風のほうがよっぽどマシ。」 「紫風はなんか・・・こう・・・お兄ちゃんみたいな感じじゃん?だけどあの人あどけなくて・・・」 「ショタ好きってことね・・・あんたはロリなのに…(ボソッ)」 「なんかいった?」 「いや。あんたはロリなのにーだなんていってないよ。」 「そう。」 この子は勘はいいけどアホなのだ。 それがあの子の始まりでもあり、終わりでもあった。 ________________________ 4年後 ________________________ 私たちはとうとう紫風と縁が切れてしまった。 理由は単純。大学が別々になってしまったからだ。今年で卒業だ。紫風とはそろそろ復縁したいとは思ってる。世話の焼ける親友だから。 そんな時、最近独り立ちした小雨から手紙が届いた。 いつもならメールなのに。 疑問に思いながら開けてみると・・・ 『拝啓、お姉様へ 急な用事で私はお姉様とは縁を切ることになりました。紫風にはこういっておいてください。「好きな男に振られた」って』 とだけ書いてあった。 記憶を呼び起こしてみた。すぐに思い当たったのが・・・際月蒼・・・好きだったはずの相手だ。 あれ以来その手の話は聞いたことがない。 生憎電話番号はわからないし、それ以上の手がかりがないので分かりづらい。 はぁ・・・あいつを呼んだほうが早いか・・・ そう思って私は電話をかけた。 『なにー?今新しい研究品やってんだけどー?』 そう、青木冬馬だ。 「ちょっと調べて欲しいことがあって・・・」 そして要件を説明した。 『ああ、それなら確かー・・・そうそう、このデータ。あとで送っとくね。』 「ん。」 今トウマは科学者的存在になっている。稀にテレビにも出ている。 最近は結構うまくいってるとかいってないとか・・・ まぁそんなことは置いておいて、そう、この辺にポイっと。 ちょうどデータが届き、私は解析を始めた。もちろん量は膨大だ。スマホ一つじゃ無理なので、大学のスパーコンピューターにアクセスする。多分スパコンを使えるのは大学の中で、先生を含めても、3人だけだ。 そして、今のところその先生2人はもう帰っているらしい。それを利用して自動で処理する機能を追加し、私は解析を始めて数分で終わらせられた。 紫風の家で 「・・・」 あいも変わらず無口に紅茶を飲んでいる姿がベランダに見える。 しかも多分あの紅茶には角砂糖が12個入ってる。 いつものことだ。 もちろん家のドアはピッキングで開けた。 紫風の家はログハウスで、鍵として錠前が使われている。しかもこの鬱蒼とした森の中で、蔦が貼っている。 本当にここでいいのか柊に問い詰められたぐらいだと聞いた。 入ると・・・ 「oh、come in」 紫風が英語で言ってきた。 「相変わらずマイナーなところに立てるんだね。」 「・・・まぁな。」 紫風は今の所身に危険などはなにもないそうだ。 ただ、跡をつけられている気がするとか言ってたな。 そしてこれもまた相変わらず分厚いマフラーを首に巻き付けている。 「まだ治ってないの?」 「・・・医者によれば多分一生治らないって。」 「医者行ったんだ。」 「普段は行かないけどな。一応皮膚科に行ったら『ひどい、もっと早くこれば治ったかもしれないのに』って言われた。」 「ふふふ、そりゃあそうだよ。真っ黒に焦げてるんでしょ?」 「で、要件は?」 「・・・小雨の件。」 「知っている。もうニュースに出ている。女子大学生が失踪したとの事件だろ?」 「うん。」 「それについてなら調べはついている。」 そう言いながらノートパソコンを出してきた。 「おい、これはノートパソコンじゃない。スーパーコンピューターならぬハイパーコンピューターだ。これ一台の容量も多く、処理も早けりゃ長持ちする。」 「優れものだねー。」 と言いながら見てみると、ある監視カメラの写真だった。路地裏で血まみれになって横たわっている・・・明らかに小雨の姿だった。 見開かれた瞳孔はどんな電球よりも明るく、鮮血はどこまでも澄んでいる。紫風とは全く逆だ。 「・・・紫風、これってリアルタイムだよね?」 「もちろんだ。」 「・・・今手が動いた。」 「・・・?」 しっかりともう一度2人で覗き込んでみると・・・ 唇がニイと笑った。 『お姉ちゃん、見てるんでしょ?それから紫風も。』 「・・・ああ。」 近くに取り付けられたスピーカーになんとかハッキングしたのか、音が流された。 『・・・最後に言っておくね。私は自害した。それだけ。だーれも恨む必要はない。』 「あ"あ"?」 珍しく紫風が語気を荒げる。 「・・・」 無言で壁に立てかけてあった愛刀・阿修羅丸を取り出す。黒妖刀はただの正式名称だ。それは大学2年まで知らなかった。 「今から足切り落として捕まえてくる。運命を狂わせたのはあいつだ。」 そう言いながら出て行った。 運命とは・・・? 紫風視点 ・・・ 許さない・・・ 絶対に許さない・・・最初で最後の親友だ。 それを傷つけたとなれば拷問じゃ済まさない。 「見てろよ・・・」 地獄の業火が生ぬるく思えるほどの痛みと苦痛を味わせてやろう・・・ 風は吹いていないのにマフラーがひるがえる、ボロボロになったコートが音を立てる。 昔、小雨がつくってくれた上着だ。 尚更許せない。指の先からまずやすりで削ってあげて、 うちにある改造した鋸で足を切り刻んで・・・それから・・・ などと拷問の計画を立てているうちに目標を見つけた。 一気に距離をつめる。顔の目の前まで拳が来た瞬間なんとか避けられてしまった。 「2nd・変速、フルバーストだ。」 「なになにぃ?厨二病?」 「違う違う、強いて言うなら・・・半鬼半狐だよ。」 にいっと笑ってみせるが、うまく笑えていない。 しかもマフラーがずり落ちて真っ黒に焦げているのが見せびらかさせられる。 そんなことはもう気にしない。 「残虐ながらも・・・美しき死を運んでくる人外・・・登場だぜ?」 首を傾けてみせるがその瞬間そいつの姿は書き消えて俺の後ろにナイフが来ていた。 だがそんな物なんでもない。 阿修羅丸で口を切った。 「ゴフッ・・・」 そのまま足を切り落として、引きずっていく。 数時間すれば拷問なんて済むさ。 そう考えていた自分が甘かった。 思わぬ反撃を喰らった。しかも前後上下左右から。下には多分ドリルで掘ってたんだろう。 下は予測しきれず、もろにくらってしまった。 しかもたい吸血鬼型の特攻弾だ。 すぐに血をはいた。 体中から正気が抜け落ちていく。 俺が俺じゃなくなり始める。 だが、魂に攻撃をしているわけではなさそうだ・・・ 「変われ、柊」 一瞬で柊と交代する。 「ヤァ。」 「「「「「「「!?」」」」」」」 その場にいたものが一斉に驚くが、そんな暇を与えず阿修羅丸で切り刻む。 そして終わったら柊と体を入れ替えた。 「よっと。」 グシャリと亡骸を踏みつけにする。 「汚い。」 そう言いながら俺は掃除をする。 「・・・」 掃除の途中で気づいた。 小雨がそこの路地裏にいる。 俺は足音を消しながら歩いていく。 流石に変速だと音がすごいからな。 そのまま小雨のところまでたどり着く。 「あれぇ・・・紫風・・・?」 「・・・3rd・回帰」 「ちょっと・・・待って・・・あの人は・・・蒼は・・・無事なの・・・?」 「もちろん無事だ。ゴミ袋の中に入ってる。」 「それ・・・無事って言うのかな?」 「わからん()」 そんな他愛もない話をしながら小雨の傷を治していく。 サグメ視点 「あ、起きたっぽいなー。」 私はその残骸を組み合わせて治していた。 そしたら普通に起きたのだ。 「じゃあ楽しい楽しい拷問タイムの始まりだね!やったー!」 私はそのまま膝の軟骨をナイフで剥き出しにし、やすりで削っていく。 「・・・・・・・・!」 声にならない悲鳴をあげている。 「普通でしょ?私の妹に手をかけたんだから。」 そう言いながらも拷問を始めた・・・ 数時間後 紫風も小雨も無事に帰ってきた。拷問も終わり、そいつは死んだ。 小雨は絶対にそいつをもう信じないようで、最後に首を切り落とさせてあげた。 紫風は薄くだけど笑っていた。真っ黒に焦げた火傷の中に一つだけ、口の中まで焦げた口がある。 わかりやすいようでわかりにくいのだ。 その黒さは・・・とても痛々しくて・・・愛おしかった・・・

Project Details

Project ID880942919
CreatedAugust 8, 2023
Last ModifiedAugust 8, 2023
SharedAugust 8, 2023
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