前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ ―――熱い、熱い、#夕□、熱い。 火の海みたいだ・・・熱い・・・ 『おい速く逃げろ!!』 『何してる!!これ以上被害が出る前に、速く!!』 辺りで色んな人の?¥!!声が聞こえる。 『・・・7?』 僕の前に立ってる縺?ノ縺ェ??が、見たことのない◇▯?をして睨んでレ|ゑ。 『どうして?』 痛、?? 縺昴≧縺九√%繧後� 菫コ縺ッ 「ロット!!」 ―――その一言で飛び起きた。 「おいロット、大丈夫か!?頭から落ちていったけど・・・」 倒れたロットの隣に、焦った様子で話しかけるミントがいる。 「・・・大丈夫、怪我はしてない」 「それ本当に言ってるのか?頭から落ちて怪我してない訳ないだろ?」 「本当に何もないから・・・早く行かなきゃ・・・」 ロットは立ち上がり、空の方を向いている。 ミントもその視線を追う。 視線の先には、一瞬何もないように見えた―――が、空間が歪んだように見えた後、そこに何者かが浮いていることに気づく。 「何・・・だ?人か?」 「・・・空気が重い」 ロットは先程までの辛そうな表情ではなくなり、動揺した表情になる。 「・・・行かなきゃ...」 ロットは拳を握りしめた。 「・・・へぇ」 7Kと呼ばれた者がまた一言呟く。 「久しぶりだなぁ、シャル?最後に会ったのはいつだっけ?まぁ別に興味ないけど」 7Kはエスノの方にも体を向ける。 「お前もまだいたんだなぁ、分裂した・・・なんだっけな?でもその様子じゃ対のやつもまだ残ってるな」 「・・・7K」 エスノが怒りに満ちたような声で呟く。 「どうして今更現れた?私達はずっと行方を追っていた、でも見つからなかった。気配が不安定で感知することができなかった。私達が追っていること、お前はすぐに気づいただろう?なら何故お前の方から現れた?何をしに今更・・・」 「何・・・ねぇ...」 少し考えたような素振りを見せ、また話し出す。 「特に理由なんてない、ただ俺もそろそろ疲れたんだよね。面倒なんだよ、お前らみたいな奴らがさ」 「・・・よくそんなこと言えるね?」 シャルが息を吸う。 「あの日のこと、まさか忘れたなんて言わないよね?皆いなくなった。あなたのせいで。全部全部あなたのせいだよ!!!!」 シャルが怒鳴る。今にも飛びかかってしまうかのような表情で7Kを睨んでいる。 「・・・あっそ。君がそう思うならそれが真実だね。俺は悪者、そうなんだろ?」 「それ以外に何があるの?あなたはみんなを消した。そして何も関係が無いハチちゃん達にまで影響を与えようとした。・・・次は何?世界でも消すつもり?本当に・・・本当に・・・!!」 あはは、と7Kが笑う。 「世界を消す、かぁ。馬鹿げたこと言うんだね?そんなこと俺はしようなんて思ってないけどねぇ?」 またにこりと笑い、彼は腕を組む。 「・・・俺は使命に従っただけ。ただそれだけ」 「大丈夫ですか!?」 カナが必死に観客に声を語りかける。 「駄目だ・・・皆、時間が止まったみたいに動かねぇ・・・」 「中身がないみたいに・・・ぬいぐるみの綿がなくなっちゃったみたいになっちゃってるよ・・・!?」 アスカ、カナ、ホルは観客一人一人に声を語りかけていくが、誰一人として反応がない。 「急にどうしたんだろう・・・さっきまでは・・・ロットの騒ぎのときまでは皆声を出してたのに・・・」 「・・・そうだ!!思い返すと、アナウンスもその騒ぎの後一回も聞いてないよ!!」 カナがそう言うと、空を見上げてヘリコプターを探し始める。 「待って・・・ヘリコプターを運転してる人までこんなになっちゃってたら・・・」 「ま、まずくね・・・?」 アスカとホルは顔を真っ青にする。 「あっ!!」 カナが声をあげる。 「えっ!?何!?」 「見て!!あそこ...!あそこのビルの近く!!」 カナが指を差した方向にはヘリコプターが一台浮いている。 「よかった・・・運転手さんは被害が出てないみた・・・」 「よく見て!!」 カナは指を差したまま話し続ける。 「ヘリコプターのプロペラ、動いてないのにヘリコプター浮いてるよ!!」 「えっ!?!?」 「んな馬鹿な・・・」 そう言いながらもアスカとホルはヘリコプターを見つめ続ける。 「・・・マジだ...」 「本当に、プロペラ回ってないのに浮いてるよ...!?」 「・・・これって、もしかして...」 三人は顔を見合わせる。 "マジで時間止まってるってこと―――――!?!?" 「・・・冷たい...」 ハチは独り言の様に言葉をこぼす。 ただ声を聞いているだけで、その場にいるだけで、意識が飛んでいきそうな感覚がただ体に伝わり続ける。 「何...?気持ち悪い...逃げたい...でも体が動かないよ...」 カサネがハチの服の袖をつかみながら、ハチと同じようにかすれた声で呟く。 「...エイトくん...」 目を開かずに寝ているエイトの手を握り、ハチはフーッと息をはく。 「どうすればいいの...?」 「...お前、何なんだよ」 エスノが、怒りをゆっくりと、ゆっくりと吐き出していく。 「一方的に全部壊して、消えたと思ったらまた現れて ...なんで?なんでだよ、お前は...何なんだよ...!!」 「あはは、だから言っただろ?俺は使命に従っただけ・・・それ以外の何でもない」 目は髪で隠れているはずなのに、まるでにっこりと笑っているかのように感じる。 「...もういいよ、お前は...もう...」 エスノは諦めたかのようにそう言う。 すると次の瞬間、エスノの後ろにインクでつくられた槍が何十本と現れる。 そして、7Kに向かって一斉に飛んでいく。 だが7Kが手で払いのけたような仕草をすると、攻撃が真っ二つに折られ下へ落ちていく。 続けてエスノはインクでできた矢を絶え間なく打ち続ける。7Kは避け続ける。 「許さないぞ」 エスノは地面を強く蹴り、7Kの間合いに入る。 7Kはエスノから逃げるように会場の隅まで飛び、エスノはそれを追いかける。 「エスノ!待って!ここにはハチ達もいる...!それにまだタスキ達だって来てない!!準備ができてないんだよ・・・!!」 シャルが叫ぶ。そしてシャルもエスノの後を追いかけようとしたそのとき、 「おいそこの幽霊」 「えっ?」 シャルの後ろにミントを横抱きしたロットがいた。 「ちょ、ちょっと降ろして...」 ミントが汗をかいて呟く。 「お前、守る以外に何かできることあるのか?」 「見えるの?それになんで私が幽霊だって...君には話してないよね...?」 「何かできるのか?」 シャルが下を向く。 「・・・ない。ないよ。私は実体がないから。エスノみたいに攻撃もできないよ」 「そうか」 ロットはそう言うとミントを降ろし、シャル達に背中を向ける。 「・・・何をする気?さっき話は聞いたよ、ロットっていうんだよね?君こそ何ができるの?異常な身体能力で誤魔化してるけど・・・君は普通のインクリングだよ。無理をしたら助からなくなるよ」 「・・・そうだよな、普通のインクリング、だよな」 そして地面を蹴って、宙に浮く。 誰にも聞こえない声で言った。 「"普通"なら―――」 そしてエスノの元へ飛んでいった。 「お前はあの日だってそうだった!だから俺は反対だったんだ!お前を捕まえるなんて真似しなけりゃ・・・!!」 エスノが7Kに攻撃を続けながら言う。 「それって俺のせいかな~?捕まえるときに何もできなかったのは誰のせい?その場に留まるしかできなかったのは一体誰が、何をしたからだっけ?」 「―――っ!!」 エスノは槍を持ち腕を振り上げる。 だが振り下ろした瞬間に7Kに腕を掴まれる。 「面倒だなぁ・・・あんなのなんで成功したんだろ?それにそんなことしたら世界から消されてもおかしくないのにね」 「お前―――っ!!」 エスノが言い返そうとしたとき、その口を誰かが閉ざした。 「落ち着けよ・・・今どんなことをしたって、こいつの思う壺だぞ」 「タスキ!?なんでお前...」 「準備ができたぞ、予定より早いから試せてないけど・・・でもある程度はな」 タスキが目の前に現れ、数秒の間無言だった7Kが口を開く。 「いいんだ?今俺の前に現れても?よかった、手間が省けたよ」 手をタスキとエイトに向けてかざし、そして手を握るような仕草をする。 「―――っ!!」 げほげほとエスノが咳をする。 「・・・あれ?これじゃ駄目か」 7Kが手のひらを見て呟く。 「じゃあこれは?」 どこかから剣のようなものを生み出して、二人に斬りかかる。・・・パリンと音がして、剣が砕ける。 「これも駄目か」 隙をつき、タスキが同じように剣を持って斬りかかる。だが剣は7Kに掴まれる。 剣を自分の方へ引き寄せ、体勢が乱れた隙をついて7Kはタスキの脚を蹴り上げる。 「っ!!」 「ん?なんだこれ?」 タスキから奪った剣を見ながら、7Kが呟く。 「・・・毒?」 すると次の瞬間、剣が溶け、握っていた7Kの手を焼くようにじわじわと蝕んでいく。 「...面倒なことをするなぁ」 その間に体勢を戻したタスキから攻撃が次から次へと飛んでくる。 「どうしようかな」 攻撃を避けながら7Kはエスノの方を向くと、先程と同じように手をかざす。 ・・・だが何も起こらない。 「へー、こんなことできるんだ」 タスキの方を向いて言った。 「本当に面倒なことしてくれるなぁ」 ドォオンと耳を貫くような音が鳴りながら、タスキの攻撃が7Kに当たる。 「エスノ!!」 すぐさまタスキがエスノの元へ飛んでいく。 「...ちゃんと効果あったな」 「今は自分の心配しろよ...」 はぁ、と呆れたようにタスキがため息をつく。 「・・・でも、効果があったとはいえあの数秒で、こんなに体力持っていかれるなんて...」 言い終わると同時にエスノはげほ、とまた咳をした。 「これは長くなるかも・・・しれな」 エスノが言うのをやめてタスキの後ろを指差す。 「・・・やっぱり一筋縄じゃいかないか...」 タスキが後ろを向くと、先程の攻撃ででた砂煙から7Kが姿を現す。 「ただの毒だと思ったけど・・・攻撃を無効化する毒?それと攻撃で負う体の負荷を少なくする何かがかかってる・・・」 そう言いながら剣を手にする。 「まぁでもあんま意味無いかなぁ」 二人に笑いかける。 そして剣を振り上げた瞬間、何者かによって剣が蹴られ、そのまま手から消える。 すぐに攻撃のきた方へ振り返る。 「誰だお前?」 そこにいたのはロットだ。 「・・・すまないけど、関係の無い奴には危害加えたくないんだ。これは俺たちの問題...変に関わるな」 そう言ってタスキ達に向き直ろうとした瞬間に、ロットが口を開く。 「分かんないんだな」 「・・・は?」 「俺のこと、誰か分からないんだな」 「どういう意味だ?」 するとロットは前髪で右目を隠すように髪を流す。 「・・・これでも誰か分からないのか?」 「・・・!!」 怪訝な顔が、笑いに満ちた表情になる。 「へぇ・・・へぇ!!そうなんだ・・・」 ロットが、決心したように真剣な表情になる。 「予定が変わった―――、実験が生み出した災厄、魂の無い生命体・・・一番この世にいてはならないもの・・・」 7Kが片手の指で銃の形を作って言った。 「実験体50006番、まずはお前からだ」 【第二十六話終わり 第二十七話に続く】