undercloadeaz ▶︎序章 昔々、地上世界はニンゲンとモンスターという2種類の種族が繁栄していました。 モンスターは魔法と呼ばれる不思議な力を、人間は科学という名の複雑な力を使い、 それぞれの文化を持っていましたが、交流を持つこともありました。 ところがある時、二つの種族の間で小さな争いが起きました。 発端は小さな物でしたが、それらは憎しみの連鎖を呼び、戦火は広がり続け、 お互いの種族を絶滅させるまで続く、絶滅戦争にまで発展してしまいました。 その後、強力な近代文明を持つニンゲンに、次第にモンスターは押されて行きました。 モンスター達は地下の世界へと追いやられ、厳しい環境に晒されながらもなんとか逃げ延び、 生き残った数少ないモンスター達は互いに助け合いながらも、細々と暮らす事ができる様になりました。 ニンゲン達は全てのモンスターを殺したと思っていたため、これ以上攻め入られる心配はありませんでした。 そして長い時が流れ………。 地下世界のとある研究室で、一人の男が素晴らしく有用な物を発明しました。 その灰色をした小さな有機機械は、魔力を与える事で幾らでも増殖し、様々な物品を構築する事ができました。 それは「ナノボット」と名付けられ、暮らしに困っていたモンスター達の大きな助けとなりました。 ………、 それを使って武器を構築することが発見されるまでは。 モンスター達はそれの力を過信し、地上への侵攻を始めました。 既に地上は殆どニンゲンの占領下にありましたが、そんなことは些細な問題でした。 ありったけの魔力を集め、灰色の防具、武器、兵器を大量に用意したモンスター達は、 油断していたニンゲン達を圧倒し、凄まじい勢いで地上を奪還し始めたのです。 …ですが、それも最初だけの物でした。 反撃の用意を整えたニンゲン達の物量に、モンスター達は一進一退の攻防を繰り広げることとなったのです。 地上に攻め入る事こと出来たものの、激戦区と化したそこで彼らが暮らす夢は、叶うことはありませんでした。 さらに 長い時が流れ………。 ▶︎第一話「迷い子(Ashley Vogt)」 2XXX年、地下世界 静かな戦地に一人の少女が迷い込んでいる。 服は泥に塗れ、持ち物さえ無く、肩で息をしながら、瓦礫が散乱する荒野を駆け抜け続ける。 そこで少女の足が止まった。崩れかけの建物の向こう側から声がする。 反射的に壁に背中をつけ、耳を澄ませる。 どうやら、灰色の装備に身を包んだモンスターの兵達が、 地上を襲って得た物資を地下に運ぶための輸送トラックに、荷物を積み込んでいるらしい。 その周りでは銃の様な武器を持ったモンスターが、2、3体周囲を見張っている。 ………、見つかればまず命は無い。でもここで止まる選択肢も無い。 うるさく鳴り続ける心臓と上下する肩を鎮め、息を殺して気配を消す。 どれほどの間そうしていただろうか、トラックが走り去る音が聞こえると、安心して思わず大きく息を吐く。 ……私には行かなくてはならない場所が、この先にある。 崩れかけの建物の影から少しだけ顔を覗かせ、敵が完全に去るのを見届けてから、 少し遠回りに向きを変えて走り出す。急いで見つかってしまっては元も子も無い。 走りながら目を凝らす。 ………見えて来た、全ての元凶、モンスター達の生息地、地下世界への入り口だ。 モンスター達が地上へ兵を派遣する際に使う巨大なゲートもあるが、そこは破壊不可能なほど強化されたバリアと大勢の兵が常に見張っているため、守りが硬すぎる。 地下世界への物品を輸送する際に使う施設に侵入し、施設内部のダクトから地下通路へと潜り込む。 ここまで三日三晩走り続けたせいで身体は既にボロボロだが、ここからが正念場。 身体への負担など気にしていたら、この世界は生きて行けない。 施設の見張りを掻い潜り、周囲の電気バリケードを反応させない様にしながら飛び越え、敷地内へと侵入する。視線の動きだけで周囲に見張りがいないかを確認して、物陰に隠れながら侵入者迎撃設備をやり過ごす。 換気口に近づき、音を立てない様に侵入経路を確保し、中に入っては内側からダクトの入り口を閉める。 子供一人がなんとか入れるほどの管を進み、幾つかの分岐を経て地下世界への中間地点、 地下通路へ侵入する。ここからはエレベーターを使用しなければ安全に地下世界へと向かうことは出来ない。 だが、エレベーターを使用すれば警報システムに引っかかってしまい、確実に侵入がバレる。 そこで通るのが、他の地下通路へと繋がる、工事中の通路の先にある崖。ここから飛び降りる。 必要な道具も用意していない上、途中で発見される可能性も十分にあるが、ここは賭けだ。 天井裏のダクトから下に誰もいない事、足音を聞いて誰も来ていないことを確認し、通路に降り立つ。 その瞬間だった。けたたましいサイレン音が通路中に響き渡り、警報設備のランプが赤く点滅し始める。 ……、やはりバレたか。ここまでかなり無茶な手口をしてしまった、些細な失敗は成功の為に付き物だろうが、 今回はどこまで足掻けるか試してみよう。 「侵入者を確認、」と繰り返される無機質なアナウンスに舌打ちをしては、脇の通路から走って来た警備員を 突き飛ばしてそのまま目的地を目指して通路をひた走る。 後ろから銃声が聞こえた。青い閃光を背中に感じ、間一髪で横に飛び、エネルギー弾を回避する。 私の横を通り過ぎたそれは金属製の壁に焼けこげた様な跡を残した弾け、視界を一瞬塞ぐ。あんな物を食らったらひとたまりもないだろうが、意にも介さずただ走る。時折通路を曲がり、射線を切る。 足音はどんどん多くなり、近づいてくる。最後の直線。もう意識が軽く飛びそうなほどに疲れた身体に鞭打って、銃弾を紙一重で避けつつ崖に突き出た工事中の通路から下の地下世界へと、背中を下にして身を投げる。 ……無理だ、この物量は、そう思った瞬間、眼前に迫ったエネルギー弾が、咄嗟に出した私の右腕を肩下から消し飛ばし、右目を掠める。視界の右半分が赤く染まり、激痛に顔を顰める。 次の瞬間、一瞬の浮遊感と共に落下する。風切り音を感じながら、私は両目を閉じた。 鈍い着地音、それに一瞬遅れて背中に強い衝撃と激痛を感じる。身体が動かない。 声を出そうとしても、掠れた呻き声が出るだけだった。 落ちた崖の下はゴミ処理上の様な場所で、酷く暗く、古びた物品が無造作に積まれていた。 血で赤く染まり、次第に狭まっていく視界の中、情報を処理する内に、一つの暖かい光を横から感じた。 前の世界で幾度となく見た、黄色い光。 全く動かなかった身体がそれを忘れたかの様に、吸い込まれる様に手を伸ばせば………。 *崖下のゴミ捨て場 時間 9999.99 名前 beretta lv 20 hp 99/1 *貴方は決意に満たされた。 時間 0000.00 名前 Ashley Vogt lv 1 hp 20/20 *SAVEしました。 傷が癒え、飢えと渇きが鎮まり、体の状態が完全になる事を感じる。 消し飛ばされた腕を欠落した視界で確認するが、どうやら深い傷は治らないらしい。 この世界初めてのセーブポイントだ。 ようやくステータスの更新も出来た事だし、有効活用させてもらうとしよう。 地下世界に潜り込むだけで一苦労か、この先が思いやられるな…、 古びたコンバットナイフを手に取っては、 ネオンの輝く地下世界の都市へと歩みを向けていった。 ▶︎あとがき どうも!米です!今回は私の妄想からクローディアズの序章と最初のおおまかなストーリーを書いてみました! 小説は初めて書くもんで、読みづらい部分や誤字脱字等、 至らない部分が多くあると思いますが、暖かい目で見てやってください…(土下座) 深夜(23時45分なう)テンションで書いたので、 朝になって読み返した明日の私はさぞかし悶絶する事でしょう(白目) 今回の話を軽く解説しますと、below taleの主人公、ベレッタさんがコネクターサンズに負けて人間の体、 つまり器を失ってしまい、決意とソウルだけの状態で新たな世界線、今回のAU、「アンダークローディアズ」 の主人公である、アシュリーちゃんに憑依した訳なのです。 アシュリーちゃんは戦地から逃げ出した両親に捨てられた孤児で、生きる希望を失っている所にベレッタさんにとある「契約」を持ちかけられ、自身の体にもう一つの人格としてベレッタさんを宿すことになってしまいます。 新しい身体を手に入れてさっそく虐殺したいベレッタさんですが、この世界、いかんせん難易度が高すぎる。 セーブポイントが設置されておらず、地下世界へと辿り着くまでだけでも数百回にリトライを繰り返した様ですとっても大変ですね(笑)(性格悪し) この後ナノボットで義手作ったりするんだけど 隻眼とか 欠損っ娘って良いよね うふふh((((殴り この跡、プレイヤーの皆様の行動次第でエンディングが分岐します。 少し前に出していた設定の作品に書かれているので、そちらもぜひ読んでみて下さい。 リンク↓ https://scratch.mit.edu/projects/813497406/