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小説版 終ワリ無キ黙示録 一話「赤色の」

_C_Cry_S•Created April 2, 2023
小説版 終ワリ無キ黙示録 一話「赤色の」
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Instructions

終ワリ無キ黙示録 一話「赤色の」 朝、久しぶりに気持ちよく目覚めた。 その数秒後にアラームが鳴り始めて、窓から光が差し込んでいる。 顔を洗ってポストの中身を確認しに行く。 ・・・なんだこれ。 赤色の紙で、大きくこう書かれていた。 「臨時召集令状」 心地よい気分はすっかり冷めてしまい、嫌な汗が出た。 俺に戦争に行けと?行ったとしても戦力は負の数。 貢献なんて出来る筈はない。 臨時召集令状、通称「赤紙」が来るということは、俺も戦場に兵士として行かなくてはならないと言う事。俺には成人式なんて来ないのかもしれない。  重い足取りで駅に向かう。 電車に入り、椅子に座って目を瞑ってみるが、眠りにつくことはどうもできない。 窓の外から空を眺めると、今戦争の真っ最中であることが信じられないほどに美しく青く澄んでいた。 電車から降りると軍事基地は目の前で、「はあ…」とため息を吐きながら歩いていく。 軍事服を着ている人がいる。正直人と話すのは苦手だ。それも初対面だとさらに。 赤紙を見せながら聞こうとすると相手は察してくれたようで、「あぁ、赤紙貰った子か。ついてきな。」と笑って言ってくれた。 どうやら俺はいきなり戦場に行かされるのではなくて、最初の方は国内の警備、警察みたいなことをやらされるらしい。 「君、未成年だろ?」 俺はまだ十六歳。戦力になんかなれない。 そう思いながら、なるべく明るい声で答える。 「あ、はい。十六歳で、七月で十七になります。」 「政府も酷え事させるよなぁ、戦争が無かったら楽しい高校生活を送れていたのにさ。」 「ええと、そう…ですかね。俺あんまし頭良くないから…あはは」楽しい高校生活、か。 高校に入れていたら本当に楽しかったのだろうか。 人と話すのも苦手だし、高校に行っている自分を想像してみるといじめに遭っている自分しか出てこない。 「まあそんなに緊張しないでいいよ。そろそろ着くからさ。マンガとか見る?特殊能力とかさ、使ってみたいと思ったことないか?それを実際に使えるようになるんだぜ、テンション上がるだろ?」妙な気持ちだ。俺は余命宣告された様な物なのに、恐怖なんかよりもワクワクするような気持ちのほうが強い。なんでなのかは自分でもわからないが。 これから俺は特別な「何か」になれる気がする。何となく、そんな気が。 「…そうですね。でも、そんなことしなくても良い世の中になればいいですね。」

Description

ストーリー再構築、舞台を日本に変更、主人公達の名前変更、ストーリーをさらに重く、月ノ龍リスペクト強化、などなどアニメ版とは別作品として楽しんでいただけると幸いです アニメ版と始まり方が違うだって?零話はプロローグで、最後に零話が来るようにしただけなのでノープロブレムです(?)

Project Details

Project ID829873801
CreatedApril 2, 2023
Last ModifiedApril 5, 2023
SharedApril 2, 2023
Visibilityvisible
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