前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ ※すみません!今回も確認していません!ご了承ください! 「ついに決勝だーーーー!!」 ハチが興奮気味に叫ぶ。 「うん、そうだね・・・」 カサネがあはは・・・と言葉を返す。 「ブキは・・・まぁ持ちブキがいいよな・・・」 「そうですね、使い慣れているブキで挑んだ方がいいでしょうね」 ミントとエイトはブキの会話をしている。 「私、観戦側なのにドキドキしてるんだけど・・・」 「そう?私はへっちゃら!!」 「ハチちゃんは本番に強いね・・・」 カサネは観戦側だが自分のチームの決勝ということでドキドキしているようだ。 「はああああああ・・・ふううううう・・・」 「すっごい深呼吸!!」 「いやそういうときこそハチちゃんもした方がいいよ!!」 「そうだね!!やってみよ!!」 そう言ってハチとカサネが同時に深呼吸をする。 「なんかスッキリした!!ありがとうカサネ!!」 「う、うん!?どういたしまして!」 ハチがにっこりと笑う。 「お~い!ハチ~!!」 と、そのとき、誰かの声が聞こえた。 「この声は・・・ヒメさん!」 ヒメとイイダが走ってやってきた。 「ついに決勝だな!!」 「はい!!頑張りますね!!」 「8号さんなら大丈夫です!!」 「イイダさんもありがとう!!」 ヒメとイイダが頑張れ!と応援する。 「うちらは実況もするけど、応援もするからな!!」 「頑張ってくださいね!!」 「うん!!」 そう告げてヒメとイイダは持ち場に戻っていった。 「よ~し!カサネ!私頑張ってく・・・・・・どした?」 振り向くと、カサネが口をあんぐりと開けて固まっている。 「お~い?カサネ~?」 カサネの顔の前で手を振る。 「まじか・・・こんな近距離でテンタクルズと会えるなんて・・・」 何かブツブツ言っている。 「お~い?聞こえてる~?」 「サインもらえばよかったかも・・・」 「お~い!!カサネ~!!聞こえてるの~?」 「うう・・・緊張してきた・・・」 その頃、アスカがカナと話していた。 「え~?アスカが緊張なんて珍しいね~!バンジージャンプのときとか緊張してなかったのに・・・・・・」 「それとこれは違うでしょ」 アスカがストレートにツッコむ。 「ほらアスカ!!緊張してるときは深呼吸だよ!!すって~、はいて~!!」 「な、なにいきなり・・・」 「ほらほら!!すって、はいて!!」 「あ・・・うん」 カナのノリにつられアスカも深呼吸をする。 「わぁ・・・なんか気持ちが楽になるね・・・!」 「でしょ~!!」 カナはにっこりと笑う。 『さぁ!そろそろ大会の決勝が始まるぞ~!!』 直後、ヒメのアナウンスが入る。 「あっ・・・やばい!!そろそろ観戦席にいかなきゃ!」 「あっ・・・うん・・・」 カナが急いで観戦席の方へ走る。 「アスカ!!」 途中、カナがアスカの方へ振り向く。 「えっ、何・・・?」 「決勝、頑張ってね!!!!」 カナが大声で叫ぶ。 「・・・う、うん・・・!!」 アスカが嬉しそうな顔で呟いた。 『いよいよ決勝戦!さぁ勝つのはどっちだ!!』 『センパイ、まだアナウンス早いですよ』 そんなアナウンスが会場に響く。 「う~、緊張が・・・」 「大丈夫か、ハチ」 隣に立っているミントがハチに声をかける。 「ハチが緊張だなんて、珍しいな」 「そうですか?私だって緊張しますよ」 「まぁ誰だって緊張はすると思うが・・・」 ミントがハチに視線を向けたまま固まる。 「なんですかなんですか...」 「いやなんでも」 「?」 そんな会話の後、再びアナウンスが入ったためハチはミントに何も聞けなかった。 『みんな!集まってくれて今日はありがとうな!』 『今日は大会の決勝戦です!!メンバーをご紹介します!!』 イイダが順々にメンバー紹介をしていく。 そんな中、ハチの視界の中にはふとカサネとエイトが目に止まった。 二人はこっちが気づいたと分かると、二人して手を振っている。 声は聞こえないが、頑張れ、という気持ちがしっかりとハチに伝わってきた。 (ついにここまで来たんだもん、二人の分も、精一杯頑張らなくちゃ...!!) ハチは手をぎゅっと握りしめた。 『ステージはバッテラストリート!!今回は特別ルールで、2対2となっている!!』 『ガチマッチルールはガチホコです!それでは始めます!!』 試合開始のアナウンスが入る。 『lady、GO!』 始まった。 と、同時にすごい応援の声。 「私達の分も頑張ってね~!!」 という温かい声援に、 「負けたら許さないからね!!」 という力強い声援。 「プレッシャーに負けず、しっかり!」 という優しい声援や、 「焦らないで慎重にね!絶対に勝てるよ!!」 という背中を押してくれる声援。 ハチは、みんなの応援の声に、泣きそうになってしまった。 (まだダメだ。まだ試合は終わった訳じゃない、それどころか始まったばかり。みんなの期待に応える為にも、精一杯頑張らなくちゃ!!) と、ハチが再び手を握りしめたところで、ある人物からの声援が聞こえてきた。 「ハチちゃん!!頑張ってね~!!」 カナだった。 続けて、 「手加減しないからな!!全力でいけよ!!」 とホル。 二人まで・・・とハチが思っていると、 「ルールはホコだよ!!いち早く先について、できるだけ有利に立ち回ってね!!」 と、どこからともなくエイトからの言葉。 「しっかりみんなで考えた立ち回りを生かしてね!!」 続けてカサネの言葉。 「もちろん!!」 ハチは大きく返事をした。 ハチが前線へつくと、すでにミントが着いており、ミントがなんとかロットとアスカの行動を阻止しているようだった。 『このような状況はホコやヤグラに乗るべきではない』 という、先日カサネとエイト、ミントと一緒に作戦会議したときのカサネの言葉をハチは思いだした。 「こういうときは、ミントさんよりは射程の長い私がカバーを入れる...」 バレないように潜伏して移動し、ハチはロットとアスカの死角から飛び出して攻撃を加えようとした。 が、さすがに二人はあっさり罠に引っかからなかった。 ロットがわずかなインク音でハチが潜伏していることを見破り、攻撃。 バレた、と思ったハチはひとまずおとりになれるように行動。 全てかわせる自信はなかったが、ロットの攻撃をひとまず回避。 おおっというどよめきが会場に走った。 が、一瞬でそれは消える。 ハチに攻撃が避けられたと認識したロットは、素早くハチの背後へ移動し、攻撃。 「うわっ」 さすがのハチもそれは避けられなかった。 「や、やっぱすげぇなロットは」 「さっきハチさんが攻撃避けたのも凄かったけどね」 会場内ではそんな言葉が飛び交っている。 「が、頑張れセンパイ、ハチ・・・!!」 「頑張ってハチちゃん、ミントさん...!」 カサネとエイトも応援している。 「いくぞっ!」 ミントがロットに攻撃。 ロットの素早い回避。 「やあっ!」 続いてアスカがミントに攻撃。 「ちょっと待ったぁ!」 ハチがアスカの背後から攻撃。 『うわあぁぁ』 三人で事故。 「・・・あれ何やってるの?」 「普通に事故りに行っただけじゃない?」 会場内でそんな言葉がちらほら。 「何やってるんだか・・・」 カサネが頭を抱える。 「ハチ、ちょっと落ち着いていこう」 「・・・・・・そうですね」 「おおっ!!良い勝負良い勝負!!」 その頃、カナとホルは四人の試合を観戦していた。 「ロットの攻撃避けるって中々だよな・・・」 「え、何それ、それって自分は避けられるっていう自慢?」 「違ぇよ、っていうか俺だって避けられねぇわ」 「だよね!!」 「おいそこで『だよね!!』はダメだろ。失礼すぎ」 「あっ!!見てホル!!ロットが塗りをしてる!!珍しい~!!」 「おい聞いてんのかよ・・・」 ホルが全く・・・とでも言うかのような顔をしている横で、カナはロットとアスカの応援をしている。 「アスカ~!!すごいよ頑張って~!!」 カナが大きな声を出す。 「・・・・・・」 ホルはそんなカナをじっと見つめた後、 「ロットー!!頑張れー!!」 と、自身も応援を始めた。 「ハチちゃん頑張れ~!!」 エイトがハチの応援をしている。 「うおっ・・・びっくりしたぁ・・・さっきまで黙って観戦してたのにいきなり大きな声出して・・・・・・」 カサネが少し驚いたように言う。 「あっ、ごめん!黙ってるね」 「いや別に応援を否定してる訳じゃないから・・・」 あ、そうなの?と言うエイトに対して、そうだよ・・・とカサネ。 「頑張れ~!!」 エイトが続けて応援。 カサネは、しばらくそんなエイトをじっと見つめる。 「えっ、な、何・・・」 エイトがカサネの視線に気づいてそう言う。 「あのさ・・・・・・」 カサネが真剣な顔で見つめる。 「うん・・・」 エイトも真剣な顔になる。 「エイトってやっぱハチのこと好きなんだ?」 「ブフォオッ!!!!」 エイトが何かが喉に詰まったような声をだす。 「急に真剣な顔したから何だと思ったらそれ・・・? っていうか最近同じこと言われたような・・・」 「いや~、気がつけばエイトっていつもハチの方見てるし・・・・・・」 「いやそれは気のせいだ」 「いや気のせいではないでしょ」 カサネがニヤニヤした顔で言う。 「っていうか今この話する必要ないでしょ!!今は応援!!」 「あっ、逃げた~」 「うるさい」 カサネがくすっと笑う。 エイトがも~っと頬を膨らます。 そんな会話を交わした後、二人は再び応援に入った。 「えい!!」 ロットに対してのハチの攻撃。 だが、攻撃はまたしてもロットに素早く避けられてしまう。 「ロット!!」 続けてミントの攻撃―――ではなく、ミントはロットの目の前に立ってロットに指を差した。 「ロット!私は......絶対にこの決勝戦、勝つからな!」 ミントは堂々と大声でそう宣言する。 おおおおっと、会場内が騒がしくなる。 ミントは、これをロットに言うことを、試合前から―――、いや、この大会に参加するよりずっと前から決めていた。 (ロットは―――どんな反応をするだろうか) 臨むところだ!と言うだろうか。いや、ロットはそんなこと言わないか。じゃあ笑いかけてくれるだろうか・・・・・・ そんなことをミントは考えたが、ロットの顔を見るとそんな表情はしておらず・・・・・・ 「・・・・・・」 悲しそうな、震えているような、何とも言えない表情をしていた。 「え・・・?」 ミントは少し驚いたような、呆気にとられたような声を出す。 だが、それもつかの間、ハチのある行動でミントは目を覚ます。 「てやーっ!!」 ハチの大きな声。 見ると、ロットの後に回り込んだハチがロットに攻撃をしようとしていた。 おそらく、先程の攻撃の後、静かに後へ回っていたのだろう。 「あ・・・・・・」 ミントが声を放った直後、ハチの攻撃がロットに直撃。 刹那、会場内が今日一番のどよめきで包み込まれる。 「こ、攻撃がロットに当たったぞ!!」 「凄い!!あのロットに攻撃が当たるなんて!」 そんな言葉がちらほらと聞こえてくる。 「ハチちゃんすごいよ!ロットを倒しちゃうなんて!」 カナが立ち上がってそう叫ぶ。 「お前どっちの味方だよ・・・」 ホルがそう言う。 「もちろんロットの味方だよ!だけどハチちゃんが凄いからさ!」 「あっそ・・・」 「ハチちゃん!凄いよ!」 「やったねハチちゃん!」 会場からエイトとカサネの声。 「や、やった・・・!」 ハチがそう呟いた、その時だった。 「ハチ!避けろ!」 ミントの焦ったような声。 「え?」 ハチが前を振り向いた瞬間、ハチは何者かの攻撃がヒット。 一瞬、会場が静まりかえる。 「え・・・・・・」 アスカの小さな声。
攻撃の主は―――なんと、ロットだった。 「え・・・待って、今...何が起こったの?」 「お、おい嘘だろ・・・?」 会場内に唖然とした空気が流れる。 「・・・さっき、攻撃が当たった音...したよな?」 ほんの数秒前、ハチの攻撃が当たったはずのロットは―――、ハチの攻撃が当たったはずのその場所にいた。 「ロット・・・?」 アスカがびっくりした様子でロットに言葉をかける。 「・・・・・・チッ」 ロットがいる方から、そんな声が聞こえた。 (さっき・・・攻撃が当たった音、したよな...) ミントは立ちつくしたままそんなことを考える。 (ハチのチャージが足りてなかった...?でも、一瞬見ただけでもフルチャージしてたのは一目で分かったし・・・ヒット音も、直撃したときの音だった) 先程と変わらない様子でその場にいるロットに、ミントはある考えが出た。 (ということは・・・・・・、攻撃が当たらなかったんじゃなくて、"当たったけど無効化させられた"のか......?) 「えっ・・・今...ハチちゃんの攻撃...当たったよね?」 エイトが驚きを隠せないように言う。 「うん...当たった。確実に・・・当たったけど・・・」 カサネも、声から驚いているのが分かるくらい驚いている。 「攻撃が・・・通らなかった...?」 カサネがぽつりと呟いた。 「あ~!!もう!!なんで見つからないのよ~!!」 その頃、シャルは頭を抱えて叫んでいた。 「うるさいシャル・・・・・・」 「いいからタスキは黙ってて」 その場には、タスキ、エスノもいる。 「気配は感じるんだけどな・・・・・・"気配が発生している場所"と、"気配の強さ"が分からない......」 「まぁそんな簡単には分かるわけないか......」 シャルがしょんぼりとしていると、 「シャル~!!久しぶり~~っ!!」 遠くの方から声が聞こえてくる。 「え、ちょ、誰、待っ・・・?」 シャルが言い終わる前にシャルに何者かがシャルに抱きついてくる。 「シャル!!やっと会えた~!!」 「えっ、その声って、まさか......!?」 何者かがシャルから離れる。 「うん!あたしだよ!」 その声を発するのは、服装がまるで"看護師"のようなイカだった。 そのイカの顔をみた瞬間、シャルの顔はぱあっと明るくなる。 「わ~っ!!久しぶり!元気だった?」 「もちろん!!毎日元気いっぱい!!」 看護師のようなイカがグッドサインをする。 「で、突然なんだけど今シャルは奴を見つける為に頑張ってるんだよね...?」 「うん!そうだよ!・・・でもなんで知ってるの?」 「もちろん"アカネ"から聞いたからだよ!シャルが頑張ってるって聞いてね!だから今日応援しに来たんだよ!」 「ええええっ!?本当!?嬉しい~!!」 二人がキャッキャしていると、 「おい、タスキとエスノを放っておいて何やってるんだよ...」 と、遠くから声がしてきた。 「あっ!アカネ!」 看護師のようなイカが見ている先には・・・・・・ 「・・・・・・やっぱり来たね、アカネ...いや、やっぱり"リーダー"って言った方がしっくりくるな」 ついこの間、ロットを診てもらった医者が立っていた。 「久しぶり、シャル...って言ってもこの間会ったけど」 リーダーと呼ばれた彼は、にこりと笑いかけた。 【第二十四話終わり 第二十五話に続く】