一年戦争時に地球連邦軍が北米のオーガスタ基地にて開発した、ニュータイプ専用ガンダムタイプモビルスーツ(つまり、初のオーガスタ・ガンダムとなる)。 コードネームはアレックス(ALEX)。ジオン側からは「未完成品」を意味する「出来損ない」(グリナス・ヘッド)のコードで呼ばれる。 アニメの「ガンダム」らしくトリコロールカラーは健在ながら赤色・黄色成分が非常に限定されており、青と白を基調にした落ち着いたカラーリングとなっている。 「アムロ・レイ専用機として開発された」と言われているが、実際の開発スタートは宇宙世紀0079年8月であり、これはアムロがサイド7で初めてガンダムに乗り込んだ日(同年9月18日)の1か月前になる。 後述の通り「最終的にアムロ・レイ専用機として調整された」といった方が正しい。 いずれにしても、現地改修のカスタム機を除くと特定のパイロットが乗る前提の調整がされたというのは当時の地球連邦軍の兵器としては異例中の異例であったと言える。 「ニュータイプ専用モビルスーツ」という触れ込みではあるが、そもそも当時の地球連邦軍はニュータイプの存在について疑問を抱いており、ジオン公国軍のサイコミュ兵器のような技術は未開拓であった(ジオン側から出来損ないと呼ばれるのもこれに起因する)。つまり、ニュータイプという存在をまともに知る機会がないまま見切り発車的に開発を始めてしまったのである。 とは言えニュータイプと呼ばれるパイロットは「撃たれたビームを目視で避ける」などの超人的な反応速度を持つ事が示唆されていた事から、とにもかくにもその反応性に着目して「高い追随性を発揮する」という設計思想の下に開発される事になった。 その実現方法として関節部にマグネットコーティングを施してレスポンスを強化、更に機体各部に姿勢制御バーニアを増設し運動性を向上させる事によってこれに対応した。 よって、機体は当時のモビルスーツとしては異様に軽く、スラスター推力に至っては宇宙世紀ガンダムの中でもトップクラスとなった(追加装備なしで本機よりもスラスター推力が高いガンダムはなかなかいないが、パワー・ウェイト・レシオ自体はさすがに後の第二期モビルスーツには及ばない)。 これは一般のパイロットはもちろん、テストパイロットに選ばれた腕に覚えのある人物にとってすら、常人では敏感過ぎて却って操縦し難いものであり、本機の開発に携わった技術者をして「こいつをまともに扱えるのは一種の化け物」と言わしめている。 モビルスーツとしては初の全天周囲モニター・リニアシートが装備された機体であり、これによって広い視野を確保出来るようになっている。ただしこれは水平・垂直360度を網羅していない不完全なものであり、完全な状態での採用はガンダム試作3号機まで待つ必要があった。また、これらシステムを採用するにあたりコア・ブロック・システムは廃されており、機体データやパイロットの生還率では劣る。 また、オプションパーツとして複合装甲「チョバムアーマー」が平行して開発されており、防御力の向上に一役買っている。
型式番号 RX-78NT-1 所属 地球連邦宇宙軍第4艦隊第13独立部隊ホワイトベース隊(予定) 製造 地球連邦軍オーガスタ基地 生産形態 ニュータイプ用試作機 頭頂高 18.0m 本体重量 40.0t 全備重量 72.5t(アーマー装備時:95.0t) ジェネレーター総出力 1,420kW スラスター総推力 174,000kg(アーマー装備時:216,000kg) センサー有効半径 5,900m 装甲材質 ルナ・チタニウム合金