前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ ※あ~もうぐっちゃぐちゃ 「お~い!ハチちゃん!」 「あっ!みことちゃん!」 今日はハチとみことでおでかけだ。 実は二人は試合後に仲良くなり、おでかけを約束していたのだ。 おでかけ先はショッピングモールだ。 「わぁ~!!すごいねここ!可愛い服がいっぱい!」 「そうだね!なんか申し訳無いけどスクエアのお店よりも服がそろってる!」 「すごい言うねハチちゃん!」 そう言いながらみことが笑う。 「お腹空いたねー」 「ご飯食べよっか!」 2人はフードコートへ向かった。 「何食べようかな~」 「ハチちゃん何にするの~?私タレカツ丼にしようと思うよ~!」 そう言いながらみことはタレカツ丼を選ぶ。 「た、タレカツ丼???何それ???」 「?カツ丼にタレがかかってんの~」 「う、うん、それは分かるけど、美味しいの?カツ丼は分かるけど、タレがかかってるのって聞いたことない...」 「美味しいよーいわゆるあれだよー蒲焼きにかかってるタレ」 「うん、蒲焼きについても知らないわ」 そんな会話をしつつ、ハチもタレカツ丼を選んだ。 「うわっおいし~!?」 ハチは思わず大きな声を出してしまった。 「でしょでしょ~!?特に"タレ"が!」 「そ、そこ~!?」 「そこ~!!」 みことがにこっと笑う。 「なんかさぁ、私達似てない?」 「え?」 ハチは問い返した。 「だってさ、持ちブキはスクイックリンでしょ、服装はだぼっとしたものを着てるでしょ?タレ好きでしょ?」 「いつの間に私がタレ好きってことになってるの」 ハチの言葉に耳も傾けずにみことは続けた。 「立ち回りも似てるでしょ、まぁ持ちブキがスクイックリンだから仕方ないんだけど、あと・・・」 「あと?」 ハチは身を乗り出した。 「タレ好きってこと!」 ハチは思わず後ろに転倒してしまった。 「あ~楽しかった!」 あっという間に一日が過ぎていった。 「そんなに楽しかったの?」 エイトが笑う。 「うん!そうだよー!いつの間にか家にいたし!」 「確かにね」 しばらく笑ったあと、エイトは言った。 「そういえばさ、ハチちゃんとみことさんって似てるよね」 「あ、それ、みことちゃんにも言われた~」 「やっぱり?」 「え?なんでやっぱりなの?」 ハチは首をかしげる。 「いや、なんかこの間の試合をしてるときから似てるな~って」 「なんで?」 「...なんとなく?」 エイトも首をかしげる。 「あのさ~、それ普通に似ているだけだと思う?」 「へ?」 頭上から声がする。シャルだ。 「それさ~、なんかあると思うんだよね」 「なんかって?」 ハチ反対に首をかしげる。 「なんかはなんかだよ~」 「おいシャルも言えないじゃないか」 エイトがそう言うと、シャルがキッとにらんできた。 「な・・・なんだよ」 「いや、なんでも~」 「・・・変なやつ」 エイトがシャルから目をそらす。 シャルはハチに向き直ると、 「多分、それは前世に縁があったんじゃない?」 と、ハチに言った。 「ぜ、前世?」 すっとんきょうな声が出た。 「うん、そう」 「どゆこと?」 「うん、つまりね、なんかあったんだよ、なんか」 「だからそのなんかを聞いているんだけれども」 「前世ってのは言葉通り前の世だよ、前の世」 「話通じないんだけど」 ハチはあきらめたような声を出した。 「もういい寝る」 唐突にエイトが声を放った。 「え?ちょ、今まだ夕方だよ!?」 エイトは何も返事をしないまま部屋のドアを開けて部屋から出て行ってしまった。 「・・・なんかあったのかな」 そう言ってハチはシャルの方を向く。 「さぁね」 そう言いながら、シャルはドアの方を向いていた。 「ねぇねぇ、前世についてもうちょっと詳しく説明してよ」 ハチは会話を戻した。 「あぁ、前世ね、だから前世は前の世だよ」 「いやそれは分かったからもうちょっと詳しく」 「はいはい」 シャルはハチの方に向き直った。 「前世ってのは、簡単に言うと、さっき言った『前の世』、つまり前の世界。ほら、私って一回チーンしてるでしょ?」 「言い方...」 「私が幽霊になんかならないで、また新しい人生を歩む、つまり別の人としてもう一度生きる、ってこと」 「な~るほど、全然分からん」 そんな会話を続けた後に、シャルがいきなり大きな声を出した。 「あ~~~~!!」 「へ?」 シャルがいきなり大きな声を出したので、ハチは目を丸くした。 「鏡なんだよ!」 「ん?は?へ?」 シャルがふーんと息を出す。 「私の研究所でね、鏡を使った実験をしたことがあったんだよ!」 「う、うん、それが?」 「その実験ではね、鏡を使って、1人だった人を、2人に分ける、っていうことをしたの」 「ん?つまり?」 「つまり、私という生命体は1人しかいないけれど、分けて、2人にする、ってこと」 「なんとなぁ~く分かったけど分かってない気がする」 「で、その実験で――――」 そこでシャルは考え始めた。 「ん?その実験でなんかあったの?」 「いや~、なんでも」 シャルは話を続けた。 「だから、ハチとみことは鏡だったんじゃないの?」 「へ?」 「まぁ仮説だけど~」 「はぁ...」 ハチの頭の上に『?』マークが浮かんでいる。 「っていうかあいつのことほうっておいていいの?」 「あいつって?」 「エイト」 「え?なんで?」 「なんか眠りにいったじゃん」 「うん、それが?」 シャルがはぁ~、とため息をつく。 「あれ、ただ単に眠たいだけだと思う?」 「え?うん」 「多分違うよ」 「え?」 シャルが空中でバック宙をする。 「闇で眠いんじゃないの?」 「そうだけど違う」 「それってどういう・・・って」 ハチが目を見開く。 「私シャルに闇のこと話したっけ!?」 ハチが大きな声を出す。 「ううん、話されてないよ、多分」 「多分って・・・」 「見れば分かるよ。あいつには影があるって」 「影?闇じゃなくて?」 「うん」 シャルがこくりとうなずく。 「あいつは強い、だから周りに変なものが集まってくる。私も含めてね」 「つ、強い・・・?」 「うん、え?試合とか強いでしょ?」 「エイトくんには申し訳ないけどあまりキルはしてない...」 「塗りは?」 「そこそこ...」 シャルはええ・・・という顔をした。 「見たところ強いと思うんだけどなぁ・・・」 「気のせいじゃないの?」 ハチがあはは・・・と言いながらソファに座る。 「いや、気のせいじゃないと思うんだよね」 「ふ~ん...」 シャルはふとこんなことを言った。 「―――エスノ」 「ん?」 ハチがシャルの方を向く。 「なんか言った?」 「いや、何も」 そう言ってシャルは姿を消した。 「ちょ・・・話し相手がいなくなっちゃったんですけど」 ハチはそういいながらテレビのリモコンを手に取った。 「・・・いい加減出てきたらどうなのよ、バレバレなのよエスノ」 シャルがそう言い放った。 「ちっ、なんで分かるんだよ」 物陰からエスノが現れた。 「まぁまぁ、お元気そうで」 「なんだよそれ」 シャルは続けた。 「随分強そうになったね、エスノ。タスキも出てきたら」 「だからなんで分かるのよ」 シャルの後ろにいつの間にかタスキがいる。 「二人で鍛え上げた?のかな」 「私が責任を持ってエスノを鍛えましたよぉ~」 タスキが笑いながら言う。 「何故笑う・・・」 エスノがあきれたような声を出す。 「ともかく、二人が元気ならよかった。ま、肉体が安定して残ってるのはエスノだけみたいだけど」 「私とシャルは不安定な状態ね」 そう言って二人はエイトの方を向く。 「だ・か・ら・私に全てを任してるんだろう」 「そのとぉ~り!一億万点あげる」 「いらん」 シャルがえ~、と言う。 「っていうか、シャル、リーダーとおこげは見つけたの?」 タスキがシャルの方を向く。 「ううん、まだ。二人はなんとか助かったみたいだけど、状況からして、二人は自分達の力だけでは助かってない。つまり―、」 「つまり、協力者がいると」 エスノがそう言い放つ。 「そう!そのとおり!でも、7の攻撃を防げる者なんて、いると思う?」 シャルが首をかしげる。 「―――1人だけいる」 タスキが目を閉じながら言った。 「7Kの攻撃を防げる者、つまり対等な者――、」 タスキが言い終わる前にエスノが答えを言った。 「6Kか」 「え、6K???でも、彼はまだ・・・」 「生まれたばかり。外見が立派な高校生でも、社会人でも、中身は幼い」 タスキは続けた。 「でも、他の者とは違って、特別な力を持っている。衝撃波を出したり、水を操ったり」 「7と同じね」 シャルが言った。 「じゃあ、協力者は6K。まず探すのは6Kだね。何か手がかりがあるかも知れない」 シャルがそう言った後、二人の方を向いた。 「じゃあ、後は二人に任せるよ。私はその間に鏡を見つけておくから」 「はいはい」 「了解しました」 そう言った後、二人は姿を消した。 「さすが、対同士ね」 【第十七話終わり 第十八話に続く】