前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ ※すみません・・・!「コラボしませんか?」で募集した方全員が出られない可能性が出てきてしまいました・・・!本当にすみません・・・! 「シャル、そっちお願い!」 「了解!」 シャルは何かの紙を持って走り出した。 「え~っと、異常なし・・・っと、これで最後かな~」 シャルは紙に何かを書き込んで立ち上がった。 「お腹空いた~、もう飯の時間か~」 ロッカーの扉を開ける。 「あれ?弁当どこやったっけ?」 そう言った瞬間、先程の人が駆けつけてきた。 「シャル!ちょっと50エリア行ってきてくんない!?」 「えっ!?ちょ、ちょっと!今めし・・・じゃなくて、今ご飯食べようとしてたんだけど!」 「いいから行ってきて!もうあたしじゃ手に負えない・・・!」 「どういうこと!?50ランクの実験体二つが暴走したとか!?」 「違う・・・いや、違わないけど!急いで!」 彼女はどこかへ行ってしまった。 「まずいまずいまずいまずいまずい・・・」 シャルは走りながら飴をなめた。 「うわっ味間違えた!すっぱ!!」 そう言いながらも足は動かす。 「シャル!!」 「リーダー!!何があったんですか!?」 リーダーと言われたイカはあるところを指さした。 「あそこ!線が切れかけてる!!」 「あそこが切れたら・・・まっ、まずいじゃないですか!この建物ごと停電しますよ!」 「だからみんな騒いでるんだ!!シャル!お前は一回線を直したことがあるだろ!?あれを直せないか!?」 そう言われたシャルは顔が真っ青になった。 「無理ですよ!あのときは50-7K実験体と6K実験体に丁度リハビリさせてるときで、二人の力で直したようなもんなんですから!」 「でも一回二人の力を見てるお前なら出来るだろ!」 「だから!リーダーも知ってるでしょう!?7Kはこの研究所で出来たんじゃなく、捕まえられたんですよ!あまりにも不完全な生命体だから!今、この研究所では、つくられたことになってますけど、本当は違うんですよ!」 「大声で言うな!謹慎だぞ!」 「いいですよ!」 シャルは言い返してから線を見た。 その瞬間、ガラスが割れる音がした。 「い、今のは・・」 「近くから聞こえた・・・」 「え、ってことは・・・」 そう言った瞬間に、二人の目の前に人影が現れた。 肩が上下している。息切れをしているようだ。 「・・・って!あ~~!!」 シャルは人影を指さした。 「7K!それに6Kまで!実験室から出ちゃだめじゃない!!」 「いいから、あれを直せばいいんでしょ」 7Kが言葉を発した。 「いつの間にそんな言葉が上手くなってるんだ・・・」 リーダーが顔を手で覆った。 「これわたしのおかげですよ!?」 シャルが自分を指さした。 「いいから、前みたいにあれをつなげばいいんでしょ?」 「そうだけど、前よりも慎重にね!」 「分かってる分かってる、ね、6」 6Kは頷いた。 「すぐに直してくるから!」 6Kがシャルの方を向いた。 二人はどことなく似ている。 「凄いな・・・本当の兄弟みたいだ」 リーダーがつぶやいた。 「この研究所では、7Kがつくられたことになっていますけれど、本当は6Kがつくられて・・・」 「謹慎だぞ」 「え~」 そうこうしている間に、二人は線を直し終わっていた。 「知ってるか?大昔いたという、人間という生き物の国のひとつの言葉で、こんなのがあるんだ」 「どんなのですか?」 「『二度あることは三度ある』」 二人がそんなことを話しているとは知らずに、7Kと6Kは仲良く歩いていた。 「この前みたいにすぐ終わっちゃったね~」 「そうだね」 「そういえば7はお腹空いた?」 「え?空かないけど」 「だよね~僕も空いてない」 二人は笑いながらどこかへ歩いて行った。 「そんなこともあったなぁ...」 シャルは思い出に浸っていた。 「あの頃は...7Kも6Kも、純粋な心を持っていたのに...」 嫌な記憶を思い出した。 「あぁ、嫌だなぁ、なんであんなことになっちゃったんだろう」 【第十六話終わり 第十七話に続く】