前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ ※今回もチェックしていません ※今回はかなり短いですが、伏線が多いので考察に役立つと思います ※投稿が遅くなってしまい申し訳ありません・・・! 「シャルはそいつを見たの?」 ハチがそう言うと、シャルはいきなり笑い出した。 「見てないよ。勘だよ勘。気配を感じるんだ。この街にいるなぁって」 シャルがまだ笑っている。 「そいつの名前―――っていうか実験体名だけど、その名前はね、50-7Kっていうんだ。『K』は怪物ってこと。すごい強いから」 「そんなに?」 シャルはうん、とうなずいた。 「多分この街にいるよ。多分だけどね。きっと、そいつがいるバトルは荒れてるよ」 「はぁ...」 ハチはまだ理解が追いついていなかった。 「・・・そんなに強いって...もしかして、ロットのことなのかな...」 ハチは歩きながらそんなことを考えていた。 「ん?今なんて言った?」 ナフが顔をのぞき込んでくる。 「あ、いや」 ハチは我に返った。 「あ、ハチ~!!」 カサネの声が聞こえる。 「あ、カサネ、エイトくん」 ハチはナフと一緒に二人のいるところに行った。 「あれ、ナフじゃんか」 エイトがナフを指さしてそう言った。 「え?エイトくんにナフちゃんのこと話したっけ?」 ハチはきょとんとした顔でそう言った。 「何言ってんだ?一年生のとき仲良く話してたじゃんか」 『...え?』 ハチとナフが顔を見合わせた。 「そうだっけ?」 「ううん、覚えてない」 エイトに不安が広がった。 「まぁ、いいから試合見にいくよ」 「うん」 ハチとナフは不思議に思いながらあとについていった。 「うげ」 カサネが試合を見ながら吐きそうになった。 「だ、大丈夫、カサネ」 「大丈夫じゃないいぃぃぃぃ...っていうか皆すげ~」 「え?」 「なんでエイトとハチとナフ、立ってられるんだよ、あんなの見て」 「あんなのって~...」 ハチ達が見に来たのはロットのチームの試合だった。 「開始10秒でリスキルとか意味分からん」 「これは試合当たったら〇にそうですね~」 「しっかりと口に出すナフすげー」 カサネは「すげー」しか言えなくなったようだ。 「まぁ、あれはさすがに凄いよ。怪物って言われてもおかしくないか・・・」 ハチがそう声に出すと、エイトが振り向いた。 「怪物?」 「あ、エイトくんに言ってなかったっけ?」 「私も聞いてないけど」 「うちも」 ナフとカサネも聞いてくる。 「あ~、2人は関係ないのよ」 「え~何それ」 2人はとりあえず試合を観戦し始めた。 「幽霊のシャルがさ、50-7Kっていう、怪物?について話してたんだ」 「へ~...」 「それが、ロットのことなのかな~って」 「それちょっと困るな」 「え?なんで?」 「ん?僕なんか言った?」 「うん?なんか困る・・・だとか?」 「え?そんなこと・・・」 その後は周りの歓声に包まれて聞こえなかった。 「すっげ~!!ロット1人で30キル超えてるぞ!!」 「やっば~!!」 2人はいつの間にか口が悪くなっている。 「とりあえず、今日はもう帰ろっか」 ハチがカサネとナフをつまみあげた。 「筋力どうなってるんだよ」 エイトが少し引き気味に言った。 「そのロット?ってやつが50-7Kかも、って?」 「うん」 シャルがう~ん、と考えこんだ。 「気配が違う気がするんだよなぁ」 「え?」 シャルがうん、とうなずいた。 「そいつではないよ。50-7Kは。そいつも、50-7Kに匹敵するくらい強いみたいだけど、少し気配が違う」 「そっか・・・」 ハチはそう言いながら部屋に戻っていった。 「50-7K...ね...案外近くにいたりして」 シャルはぽつりと呟いた。 【第十五話終わり 第十六話に続く】