なんだこれ。 書き終わった後、思ったうp主。 前章↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/ あるところに、1人の男の子がおりました。 その男の子は、今、深い傷を負い、絶命の危機に陥っていました。 この世界には、色々なものがあります。 喜び、楽しみ、幸福... そんなものの反対にあるのが、 悲しみ、苦しみ、憎しみ... その男の子は、特殊な体質で、生まれながら、「闇」を体に宿らせる事が出来ました。 人は、「光」と、「闇」があります。 「光」は、いわゆる、喜び、楽しみ、幸福のこと。 「闇」は、悲しみ、苦しみ、憎しみのこと。 普通は、闇を「体」に宿らせる事は出来ません。 「闇」そのものを宿らせる訳では無く、「気持ち」となって体に宿るからです――― 「今日はここで見回りしないとなのかよ...はぁ~、めんどくせぇ」 「エイト、お前、本当メンドクさがりだな」 「だって、今日の飯、すイカなのに」 「え。マジで!?うわぁぁぁぁ!食べたかった!」 「ホント、イヤになる...」 ここは、第2連にある、「イカ」の世界のモノそっくりのステージ、「タチウオパーキング」。 「ユイと話してたのに」 「うわ、仲良しさんの話かよ」 「なんだよ、話しちゃダメなのかよ」 「別に」 「おい」 笑った。 エイトの隣にいるのは、第3連所属の「羽純(ハズミ)」。 「あ、そうだ。今度仲良しさんと出かけたらどうだ?うちのステージ、貸すけど」 「いいってば」 「あ、じゃあ、「フジツボスポーツクラブ」貸すよ」 「もうその話やめろー」 エイトの顔が真っ赤になりそうになった、その時だった。 『イカ、シュツゲン!』 その瞬間、第2連所属のデラタコゾネスや、階級が上のタコゾネスが飛び出してきた。 「お前ら、逃げろ!あっちを守れ!」 「あたし達が食い止めてる間に、準備しろ!」 エイトとハズミはすぐさま走り出した。 「ここに・・・あった、シューター」 「マニューバー...あった」 その時、スゴい音がした。 ドッ 見ると、先輩達が、倒されていた。 「エイト!奥のスペシャル缶持って逃げろ!」 ハズミが、そう言いながら、イカと戦っている。 (急げ・・・!) エイトは、スペシャル缶の、「スーパーチャクチ」を手に持って、奥へ、奥へ逃げていった。 見ると、ハズミは倒れていた。 (やばい) エイトは、戦うしかないと思い、シューターを手に取り、インクを撃った。 イカは、凄い速さで攻撃を避けている。 イカの方もインクを撃ってきた。 (くっ・・・) インクを撃つ前に攻撃される。 避けることに集中してしまって、攻撃出来ない。 ドッ (あれ、う、動かない、体、が。や・・・られた・・・?) 奥から声がする。 誰かが戦っている音がする。 そして、何かが地面に叩きつけられるような音がして、静まった。 (痛い・・・体中が・・・焼き付けられてる?何だこれ・・・) 体に、何かが入っていくようだった。 (熱い・・・体が・・・空気は暑くないのに・・・熱・・・がある?) 体がマグマのように熱い。 (なんか、足、動かないぞ?手も・・・) 重傷を負っているようだった。 そして、体から、何かが出ていくようだった。 気がつけば、ハズミや、同級生のナフ、同じ部隊所属の先輩達がいた。 「お!エイト!起きたか!」 「心配したよー!」 「逃げろって言ったのに」 「全くですね」 わぁわぁとうるさく言われた。 「逃げろとしか言ってないのに、戦うとは」 「ワタシ達が負けたんですから、勝てるわけないのに」 (しつけぇ...) そう考えていると、ふと、思い当たった。 「あれ!?ユイは!?」 それを聞かれて、皆黙り込んでしまった。 「ユイは・・・朝日優衣は・・・消えた」 ナフが言った。 「えっ」 その瞬間、目の前が真っ暗になった。 「お前、2週間以上行方不明だったんだ!それを心配したユイが様子を見に行ったら、帰ってこなくなった!」 ナフが言った。 「えっ」 「周辺に、ユイの無線機器が落ちていた。お前のシューターと一緒に落ちていたから、助けようとして飛び込んだところを・・・」 先輩は、それ以上、言わなかった。 「そもそも!お前が!逃げていたら!こんなことにはならなかった!馬鹿!エイトの馬鹿っ!」 ナフが、エイトが着ているパーカーをつかんで、泣きながら言った。 エイトは、いつの間にか、逃げていた。 「待て!馬鹿!今はイカが襲撃してきてるんだ!そっちは危ないぞ!」 知らない。 「エイト!待て!そっちはダメだ!戻れ!」 じゃあこっちじゃ無きゃいいのかよ。 知らない。 これで死ねるんなら、それどころか助かる。 「戻れ!」 もう戻らない。 知らない―――― ここはどこだ。 トンネルみたいだ。 音が聞こえる。 この音は、どこかで聞いた音だ。 そうだ―――あの日の――あの音だ・・・ 歌に溢れた世界を夢見る音楽。 "しおからぶし"だ―――