※オリジナルで書いたつもりですが似ている作品があったら教えてください※ ※この作品はフィクションです※ 雨が降っている。 そして、この雨はもう二度と止まないらしい。 何ヶ月も、何年も、何千年も・・・ 『速報です、ただ今、猛烈な大雨が九州、四国地方を襲っています―――』 ある日突然、そんなニュースが流れた。 その日は全国的に晴天になると予報されていたから、皆、驚いた。 その雨は、全国に広がった。 そして、全世界が雨に包まれた。 毎日雨だった。 そのまま一年余りの月日が過ぎた。 ずっと雨だから、太陽すら見えない。 人というものは、太陽から力をもらっているから、一年も日に当たらないと、体調を崩したり、亡くなる人もいた。 ザァァァァァァァ・・・ その日も雨だった。 もう皆、一生太陽が見えないのだと信じていた。 わたしもそうだった。もう、あの光り輝く朝日や夕日を、もう見れないのだと思っていた。 そんな時、わたしの家に紙と鉛筆が届いた。 送り手は千葉県の人。わたしの住んでいる地域は北海道。とても遠いところから送ってきたようだ。 わたしの職業はイラストレーター。イラストと言っても、背景画も描ける。"紙"と"鉛筆"で。 その千葉の人は、「夜」を描いて欲しいのだという。 「夜・・・」 もう、夜など1年も見ていない。勿論、"夜"は毎日やって来るのだが、"夜"も雨が降っているので、"夜"という感覚がないのだ。 わたしは記憶をあさった。できる限り鮮明な記憶を掘り出していった。 いつの間にか、わたしは鉛筆を動かしていた。 それが、"彼"との出会いのきっかけだった。 ~次回へ続く~