これまでのお話↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/projects/ <今回はタスキの素顔付きです> 今まで、どれほど我慢してきただろう。 泣く、怒る、笑う―――― "我慢"というより、表せなかった。 「おお、お目覚めのようだな、エイト」 そんな声が聞こえた。 「んっ・・・あっ・・・ああ・・・タスキさん・・・」 エイトがいるのは"異世界空間"。 「で?やりたいことは出来たか?」 タスキが話しかける。 「・・・よく分からない」 「はぁ・・・まぁ、いいだろう、記憶を見させてもらうぞ」 タスキがエイトの頭に手を伸ばす。 「う゛っ!?」 「あぁ・・・そうか、ふーむ・・・」 タスキが言った。 「まだやり残したことがあるようだな・・・だが今の私には出来ない・・・力が足りない・・・すまない」 力が足りない? 「え・・・?」 「ハチちゃん、お~い、ハチちゃん」 そう言っているのは同じクラスのナフだ。 「ん・・・?あれ?ナフちゃん?どうしたの?」 「『どうしたの?』じゃないよ~!こっちが聞きたいよ~!」 「えっ?」 よく見ると、ハチが寝ているのは学校ではなく、路地だった。 「あれ・・・私何して・・・」 今までの事を思い出してみる。 そうだ、エイトが朝早くにメールしてきた。 「そうだ・・・!エイト君!!」 「あ?今度はエイトがどっか行ったのか?」 ナフが言う。 「エイト君・・・逝っちゃった・・・」 「逝った?まさか・・・死んだ・・・のか?」 ナフが言った。 「アイツ・・・が?なんで・・・なんでs」 だが、その先は聞こえなかった。 「それ以上言わないで!」 ハチがナフに体当たりした。 「う゛ぇ!」 「あ!ごめん!ケガしてない?」 「だいじょーぶぅ」 ナフが言った。 「あ!よかった!うん!よかった!」 ハチが言う。 (エイトが逝ってこれかい) ナフはそう思った。 「力が足りないってどういうことですか・・・?」 エイトが言う。 「それは・・・私がココにいることに関係している・・・」 「え?」 エイトが言った。 「なぜ私がココにいると思う?タコ語が分かるというのも」 そうだ、よく考えるとタスキはイカに見えるが、タコ語が分かる。分かるだけでなく、"話して"いる。 「私は・・・イカでもタコでもない」 「え?」 「ココに来る人達は、身体崩壊が始まり、自分が誰だか分からなくなった人達だ。だが、お前のような・・・まだ"自分が分かる"人は今までいなかった」 「・・・」 「私は・・・ココに来た人は、もう危ない状態だ。もう現実世界には戻れないような。私はココで・・・そんな人達がまた、現実世界に戻れるように、力を吸わせてもらって・・・」 「力を・・・?」 「ああ」 タスキが言った。 「じゃぁ・・・僕は・・・?」 エイトが言った。 「お前は・・・"タコだから"大丈夫だった」 タスキは、エイトの顔を見て言った。 「私の体も、特殊な体だった。だから、もう体自体はこの世にない」 「は・・・?」 「私が何者か知りたいか?私は・・・」 タスキが目隠しのようなギアを取った。 「・・・半分、タコなんだ」 ※Aです、クリックしてください※ ♡、☆、よろしくお願いします!次回は第11話!お楽しみに!!