これまでのお話↓ https://scratch.mit.edu/studios/29586791/projects/ 今回は、「エイト視点」でお届けします。 チチチ・・・チチ・・・ 朝の鳥の音、そしてにぎやかな声。 ハチの学校だ。 「ねぇ、エイト、本当にハチちゃんがドコに行ったか知らないの?」 カサネがエイトのクラスに来て聞いている。 「・・・」 「ねぇ!聞いてる!?」 カサネがエイトの机を叩く。 「ダッテ、ホントウニシラナイシ・・・」 エイトが言う。 「も~・・・頼りにならないなぁ~・・・あ!やば!もう時間だ!またね!」 カサネがクラスに戻っていった。 (ハチちゃんがどこ行ったかなんて知らないし・・・) エイトはそう心の中で思った。 放課後。 エイトは、今日、部活がなかった。 (やることないなぁ・・・) とりあえず、屋上でヒマをつぶそうと思った。 その時。 ♪~♫~♬~♩~ 電話の音がなった。 ピーンポーン♪ チャイムを押す。 「あ、来た来た、エイト」 中から3号ー、ミントが出てきた。 「ナンノヨウ?」 「ハチがどうしているか」 エイトはため息をついた。 ここ最近、学校の皆はハチの事についてしょっちゅう聞いてくる。 エイトは、「ここでもか」と思った。 「ボクハシラナイ、ヨクワカラナイ」 ミントは「何それ?」と言っていたが、やがて、 「そうか」 と言った。 (ん?) エイトはミントの家からの帰り道、何か体に異変があることに気づいた。 (あれ・・・) 目の前がぼやけて・・・足元から光があふれてきて・・・ そして、目の前が真っ暗になった。 「あれ?来たんだ」 何者かが喋る。 「ん~?・・・それにしても、コイツ、まだ"ココ"に来るほどではなさそうだ」 そう言って、どこかから降り立った。 「普通はここに来て、私に"吸われる"のが普通だが・・・、まだコイツは"未熟"だ」 そう言う。 エイトは、何かの"異世界空間"に飛ばされたようだった。 そしてエイトは、その異世界空間の、真ん中にある、"ドーム"のような所にいた。 「さて・・・」 何者かがエイトの近くに歩いてくる。 「コイツをどうするか」 そう言った時、エイトは目を覚ました。 (!?なんだ・・・ここは!?) エイトは戸惑った。 「あぁ・・・起きたのか、そうか」 何者かが喋る。 「!?」 エイトが声の聞こえた方向を向く。 「お前、まだ"完全には"壊れていないらしいな」 長いゲソ。 「でも、とっくの昔に"感情崩壊"は始まっていたようだな」 黒いインク。 「このままにすると・・・いや、もう遅いのかもしれない」 「だ・・・だれだ、お前は」 エイトがタコ語で喋る。 「私か?」 エイトはうなずいた。 「私は・・・いや、こうとだけ名乗っておこう」 何者かがそう言った。 「私の名は『タスキ』・・・この"崩壊の時"に住む者だ」 そう言って、『タスキ』は、ドームに手を伸ばした。 よく見ると、『タスキ』は、宙に浮いていた。 ドームはみるみるうちにタスキの手の中に吸い込まれていった。 だが、エイトは宙に浮いていた。 「!?」 「驚くか?まぁ・・・そうだろうな」 タスキが言う。 「普通ならこのまま私に"吸われる"のだ。だが、今のお前はまだ助かるからな」 エイトはどういう意味だろうと思った。 「昔、お前は体に大きな損傷を負った。そのせいで『感情』が表せなくなった・・・違うか?」 大きな損傷―――それは、イカ―――つまり、"3号"と戦った時に倒れた拍子で負った"脳"の傷。 「その『感情』が表せないまま、放っておくと『感情崩壊』が始まる。そして、それも放っておくと『身体崩壊』が始まる。今、お前は、『身体崩壊』の真っ最中。そして、お前は、あと5分程で死す」 タスキが言った。 「死す!?死ぬだって!?そんな・・・!?」 エイトが言う。 「4分を経過すると、"感情"を完全に表せなくなる。そして、3分を経過すると、"身体"の下半身から光り始める。2分を経過すると、"崩壊"が始まる。そして、1分を切ると、魂だけになる」 タスキが言う。 「でっ・・・でも・・・まだ僕はやることが・・・」 エイトはまだやり残したことがたくさんあった。 学校、友達、バトル・・・ そして・・・ハチとの仲も。 「・・・なら、特別に、1日だけ寿命を延ばしてやろう。だが、1日経ったらココに戻ってくる・・・それでいいか?」 エイトは、ゆっくり、うなずいた。 「では・・・」 パァン。 タスキが手を鳴らした。 グニャあぁぁぁぁぁぁ・・・ 時空が歪んでいくような形でエイトは現実世界に飛んだ。 「んんん・・・」 エイトは起き上がった。 ヒザには、紙が。 ――――制限時間は1日 それまでにやり残した事を やり遂げるのだ――――byタスキ 夢ではなかったようだ。 「・・・急がないと」 エイトは、急いで走って行った。 ♡、☆、よろしくお願いします!次回は第9話!エイトの未来はどうなるのか!?お楽しみに!