戦闘中(①) https://scratch.mit.edu/projects/1088580094 戦闘後(②)コレ https://scratch.mit.edu/projects/1185511651 後日談(③) https://scratch.mit.edu/projects/1114181925 ________________________ …あ、 良かった。 殺せた、やっと。 これで大丈夫。 ________________________ 血溜まりの中、少年は安堵の声を漏らした。 仲間の命を脅かす者を、 この手で"破滅"させられたのだから。 荒い呼吸をするたびに、 口からボタボタと血が滴った。 『"…っァ"…...』 喉が潰れて声が出せない。 擦れた声が木霊する。 仲間はどこに行ってしまったのか? 彼は勝ちに浸って忘れてしまっていいた。 だが彼の足は深く傷を負って動かない、 傷が開かない様にしながら、 周囲を必死に探す。 …居ない、居ないのだ、誰一人。 崩れた建物、 ひび割れた地面、 割れた隙間に流れ込む血。 …ああ、やっと見つけることが出来たように。 彼は目を見開いた。 それは、 彼ら彼女らの亡骸だった。 皆が居た。 声を出すことも出来ず、 血と涙が入り混じり。 何が何なのか分からず。 浅く、荒い、呼吸が、更に乱れて。 生暖かい自分の血で、体温が上がった。 『……』 亡骸の温度を確認したいのか、 彼は腹這いになりつつも亡骸に近づく。 今からでも能力で回復させれば、 間に合う"かもしれない"。 そんな小さな希望を抱いても、 現実は非常に無情で、 冷たい亡骸を、彼に突きつけた。 信じたくもないのか、 既に生命活動が停止した"それ"を、 必死になって治そうとして。 傍から見れば、 実に馬鹿馬鹿しい者だと思われるだろう。 地に向かって必死になっているのだから。 曲 貴方だけが、幸せでありますように
________________________ アイツが俺らを巻き込まれないようにして くれたお陰様で無傷で済んだ。 でもアイツの様子が、 おかしい。 何も無い所に向かって、 回復しようとしてんだから。 『…おい、店長ッ………店長?...』 俺がそう話しかけたって、 どこか、上の空だ。 ________________________ どれだけ話しかけようと、 荒い呼吸音しか返ってくる事は無い。 『おい…聞いてんのか?!』 どこか、彼は現を抜かしている。 やっと彼は、擦れた音を発した。 『"…っァ"…...』 『おいってば!!...』 アルシアは、強く肩を掴んだ。 が、返事はない。 ふと彼は、周りを見回す。 ぼんやりとした瞳は、必死に何かを探している。 崩れた建物、 ひび割れた地面、 割れた隙間に流れ込む血。 きょろきょろと見つめて、遂に彼は目を見開いた。 かと思えば、 彼は何処かに向かい、腹這いで進んで行く、 まだ能力が解け切ってないのか、 痛みに鈍くなったのか、 腹の傷口が開いて、血が溢れ出る。 『それ以上動かないで下さいっ…!』 アンジーが彼を止めようとした時、 彼はやっと"何か"にたどり着いた様に、 パッと、進むのを止めた。 彼の呼吸は更に早くなり、 浅く荒く乱れたものになる。 彼の額に汗が滲んでいる。 彼はまた、小さな擦れた声をあげて。 ぺたりと、地に手を付ける。 瞬きを一切せず、 "何か"に向かって能力を使っている。 『馬鹿!!』 アルシアが彼の頬に平手打ちをかました。 『…それ以上能力使ったら、次は拳だ。』 『…ぁ』 小さくそんな声を上げて、 彼は意識を手放した。 _______________ …どこだここ? ベッド…? 痛ッ"……… …えーと… 戦ってて… …勝って… …そっから記憶が…曖m...ぁ… …………亡…骸… …誰が運んだんだ? ___________ 彼の愛用しているナイフが、 ベッドの隣にある椅子にポツンと置かれてる。 スマホを確認すると… およそ彼は一週間も寝たきりだったらしい。 そんな時、部屋の扉が開いた。 ________________________ ~後日談に続く~