瞬間移動とすら思える身のこなしは、 誰もを感動させてしまえた。 華麗な剣技は、 人々を圧倒させ、感心させた。 …その男の名を、 雨淑 阿吽(あますえ)と言った。 【嗚呼、つまらない、つまらない。 何もかも、面白くない。 人を惹かせる剣技も、 全てが順風満帆なこの人生も、 それに群がる者らも、つまらない。】 そんなことを考えながら、 外廊下と庭の段差に腰かけている。 阿吽は溜息を吐いた。 親に婚約するよう言われた好きでもない女性。 親にやれと強要され続けた好きでもない剣術。 『自由が欲しい』と呟いた彼の目の前に、 一羽の鳥が飛んできた。 首を傾げる彼は、 隣にちょこんと座る鳥を見つめつつ、話す。 『…君はいいなぁ、立派な翼があって。』 鳥は首を傾げて「ぴぃ」と、 可愛らしい声で鳴くものだから、 器を取ってきて、水を注ぎ鳥の前に置く。 鳥は喉が渇いていたのか、 器の水をちょびちょびと飲んでいる。 彼は小さく口角を上げた。 『…はぁ、僕にもこんな翼があれば。』 …叶わぬ話だ。 富でも、権力でも、力でも、今の技術でも、 きっと人間に翼を生やすのは難しいだろう。 後ろの襖の隙間から、 室内のテレビから音が聞こえてきた。 『やべ、つけっぱにしてた。』 阿吽はリモコンをテレビに向けて、消そうとした… 時だった。 【夕暮壊滅。】 端的に言ってしまえばそんな内容のテレビに、 一瞬止まりかけたが、 直ぐにリモコンでテレビを消して、 また同じところに腰かけた。 …夕暮… 聞いたことはある。 相当大きいギャングか、マフィアかだった気がする。 …どちらにせよ良い速報に変わりはないはずが、 少し、何か、 …何だろうな? …言葉では…言い表せない気がした。 曲 いかないで
はい((((((( BB世界線です(((?) 通常がBA世界線(夕暮が壊れない世界線)で これがBB世界線(夕暮が壊れて治安悪化した世界線) です(?) この雨淑君はB世界の子の誰かなんで 考察してみてね()