朝起きるとカーテンが拍手していて、天井のシーリングライトが急に自己紹介を始めた。「どうも、私は昨日の後悔から生まれた光です」と言われた瞬間、靴下が嫉妬して床を離陸した。机の引き出しにはマヨネーズで書かれた地図があり、それを辿ると犬の鳴き声の中に月曜日が潜んでいた。 僕は傘を忘れて海に潜った。だって雨じゃない日はスープが反逆するから仕方がない。赤いハンカチが「私はオムライスになりたい」と泣きながらスカートを縫っていたけれど、隣のサボテンが英語でそれを拒否した。「You are not an egg!」と叫びながらトランペットを投げると、それがちょうど木曜日の心臓に突き刺さった。 そのとき、電話が鳴った。受話器をとったら猫の声で「もしもし、重力を返してくれませんか？」と言われたので、仕方なく洗濯機に相談したら「いや、今は味噌汁が忙しい」と言われた。もう我慢できなくなって外に飛び出すと、空は逆回転していて、雲が「もう数え切れないくらいバナナ食べた」と独白していた。 地面は砂時計のように傾いていて、一歩ごとに昨日が崩れていった。信号機は青赤青赤ピンク白の順で点滅していて、道端のポストからは「アリと契約した者だけが見える未来」のチラシが飛び出してきた。読みながら納豆で靴を磨いていたら、通りすがりの壁が「静かに、今は壁会議中だ」と囁いて、レンガがひとつずつ空へ帰っていった。 最後に残ったのは、冷えた鉛筆と、ラジオから流れる「人生はカレーで始まり、メロンで終わる」という曲だけだった。
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