『ん』と、少女は右手を挙げる。 すると壁の中から機械音が鳴り響き、 正方形の穴が開く。 その穴の中に手を伸ばし、コーヒーカップを手にする 『ありがとセイラ♪』そう言って少女は壁を撫でた。 恥ずかしそうに壁から飛び出ているパイプが 蒸気を吹く。 生きる飛行船、セイラ。 それを作り出した少女、橋。 彼女らは長年の付き合いで、 どのぐらいの苦さのコーヒーが好きなのかも 分かり切っているらしい。 夜更かしの時、苦くて目が覚めるコーヒーが 彼女は大好きなのだ。 彼女はゴクリとコーヒーを一口飲み、 また作業に戻る_____
曲 くうになる