上空を漂う薄ら雲。 山桜桃梅。アスファルトの焼ける匂い。 プールサイド。蝉時雨。鳥居。夏陰。 青天井。 夏草を掻き分けて寝転がっていた。 東京の空には殆ど映らない青色も、 想い出の中なら指先に届く。 逃げ水。バス停裏。 木製の看板。百日紅。既視感。 風見鶏。 自分の物とすら思えないほどに朧げな記憶。 子供の頃見た幽霊の輪郭。 夜空。夏の果て。海月。 源氏蛍。影法師。 分かれ道。錆びた鉄棒。落陽。 頬を撫でる温い風。雲の高さ。双眸。 群青。 夜水。靴。花火。 木漏れ日みたいな誘蛾灯。 追想。晩夏。夜しか眠れない僕らが。 これから先の人生、躓くことなんて当たり前だ。 それでも、ただ君に、晴れぬ空などないことを。 「ただ君に晴れ」より
ヨルシカはいいぞ。みんなきこ。