第肆話 一ノ瀬 そのトーチカに私は滑り込む。 「全くやめて欲しいですね。」 そういいながらも私はトーチカの地下へとショットガンを向ける。 仕事を増やされるのは少し不愉快だ。 敵襲のサイレンが鳴り響く中、私は発砲し通路を突き進む。 かかと落としで相手の武器を破壊すると同時に背後をとっていた相手に後ろを見ずに発砲する。 左手にショットガンを持ちながら右手で刀を抜きセキュリティを破壊する。 そしてたどり着いたのは奥の牢屋。 「・・・あなたが一ノ瀬シノさんですか?」 牢屋の中にいる人に話しかける。 「あ、そうです!あなたが・・・?」 「ええ。今日より護衛を命じられました、一瑛月です。」 「あ、よろしくお願いします!」 この人なんで話すとき「あ」ってつくんだろ。 小〇製薬か? 「敬語は結構です。私は仕える側の人間ですので。」 私は形式的に言葉を放ち、トーチカから脱出する。 「で、ここから何かしますか?」 「いや、家に帰るかな。外出する用事もないし。」 「承知いたしました。」 そういって私はあらかじめ用意しておいた車に彼女を乗せる。 「それでは私は走りますので。」 「走る!?」 そう驚いた声をあげられるが、私は車の扉を閉め、車に発信の合図を送る。その瞬間滑るように車は走り出す。 「さて、と。」 そういって屈伸して私は走り出した。 車とほぼ同速であの車を追いかける。 もちろん危ないので車道を走っているが、人々が驚いたようにこちらを振り向くが、別にいいか。 「なんかすごかったね!」 そう一ノ瀬様は言う。 「ありがとうございます。それでは。」 「え、あ、ちょっとまっ」 言葉を最後まで聞かずに私はその場を離れる。 ・・・なんか忘れてる気がする。 ・・・・・・・そうだ、ルガだ。ルガの回収忘れてた。 「ルガ?」 「・・・あいよ。なぁ、おめぇよぉ・・・」 ルガがだんだんと目の前に迫ってくる。 「ザッケンナコラー!俺を置いてってどうするつもりじゃ!」 「それはすまん。許せ。」 「許すかバッキャロー!」 そう叫んでルガは叩き割るようにちゃぶ台をたたく。 「なんでちゃぶ台があるの?」 「わざわざ出したんだろうが!説教じゃ!」 そう言って私はこっぴどく叱られてしまった ~学校にて~ 本日は戦闘学の授業が一日中あるそうだ。 私はクラス全員の様子を見てみる。 露優様は相変わらず現状維持。落ちないと言えば聞こえはいいが、上がらないと言ったら少し悪い部分ではある。 「にえのちゃん、」 「先生でお願いします。」 「にえのせんせー!上達しません!」 「そうですか。だとしたら・・・」 そう言いかけてはたと気が付く。 周りの生徒たちはこちらを見ている。 「自分で考えてください。」 いつもこの人に結構教えてたからだ。 「え!?」 「自分で考えるのも大事ですよ。剣技も、能力も。」 「むぅ・・・」 頬を膨らますのを横目に私はその場を離れる。 そうすると、一人が寄ってきたようだ。 「先生?」 勤務初日にぼこぼこにしてしまった風磨仁楓だったっけ。 「はい、何か?」 「どうしても射程が足りないときサーベルってどうすればいいんですかね?」 「サーベル・・・ですか。」 私は刀しか扱えない。サーベルは刀と違い、突き技が不利な代わり軽く刻むことができる。 そしてこの生徒の能力は「木枯らし」。 嵐のような風力の風を吹かせることができる。 それでサーベルの速度と威力を底上げして戦う戦闘スタイルとなっている。私と似たタイプの戦闘方法だ。 「だとしたら・・・竜巻でサーベルを覆い、風向きを一定方向に流せばある程度は補えますよ。」 「確かに!先生あったまいいー!」 「知り合いがやっていたのでね。これなら自由に射程を変えられますよ。」 「ありがとうございます!」 そう言って彼は去っていったが、新たな客が現れる。 「あの、ニエノ先生?」 「はい?」 私はそちらに体の向きを変える。 あまり生徒のことは覚えていないが、このクラス唯一の無能力者だったはずだ。 「あの、私・・・」 「?」 次の言葉を私が待っていると、少女は言った。 「無能力者でも!先生みたいになれますか!?」 そう、彼女は告げたのだった。 第伍話 感情
裏話(ネタバレ等はありません。) シノさんのほうがニエノより身長が高く、 身長 体重 シノ 168 ニエノより重い ニエノ 160 54 ニエノさんがあほみたいに身長低いのもあるし、シノさんが身長高いのもある。 二人ともただいま21です。 21で俺より慎重低いとは?