クリックで次の画像 TG-581 Wock Spur(ウオック・シュプール) 種別:第5世代検証機 開発:オリゴ兵器開発1課 全高:18.2m 重量:52t~ 主機:91年式小型縮退炉 艦載運用:大型ハンガーに限定 乗員:1名 パイロット:詳細不明(少佐より大佐へ特進) 兵装:ODG-371X 370mmリボルビングライフル ┗対フィールド陽電子粘着徹甲榴弾 :ODS-320X 六方窒化炭素単分子カッター :ODG-406X 20mmビームバルカン×2 :タウィティリカルウイング :S-INB15 ワイヤーガン :mf粒子捕集膜展開装置 オプション装備 :UCAV(攻撃・偵察用ドローン)×3×両肩 :スモークディスチャージャー 特殊装備 mfフィールド展開装置
[情報抹消済]向けに作られたワンオフ機であり、最高機密であるOA搭載型縮退炉搭載のウォック。 公試成績もよく、実践でも優秀だったがスラヴァ戦役中の第3次l3防衛戦にて敵艦の艦首砲から自らの率いる味方機を庇い、大破したのち反応が途絶え、MIA(作戦行動中行方不明)。 その後捜索が行われたが、捜索難易度の高さと、大破しているなら敵国に鹵獲されても大事にはならないとの判断により捜索は打ち切られた。 [情報抹消済]操縦士は少佐から大佐へ二階級特進および名誉勲章を授与されている。 TG-579,TG-580に続くXMT-455Sスマイクフレームと91年式縮退炉を搭載する第5世代OA建造計画「アンネヒュプノ」計画に列する特別な第5世代の検証機。 オリゴ国防総省、統合兵器産業廠の計画を話を聞きつけたオリゴ兵器1課が主体となって実行したもの。兄弟機であるザナドゥ、チグリジアと違いオリゴ軍が直に稼働試験を行っている。 オリゴ国防軍が想定する第5世代OAの要件は 「第4世代を基準としたAI補助による革新的な操作系統」 「縮退炉搭載による、飛躍的なエネルギー効率と高い出力の実現」 「OAの制空戦闘能力の向上、完全自由飛行によるあらゆる方向への音速飛行能力」 これらを目していた ただし、現行技術では縮退炉の小型化は「実現不可能」とされていたのだ。 理論的には可能性が語られていたものの、実用化には至らず、これは技術的課題として棚上げされていたのてあった。 …と言うのは一般的な認識であり、実際は僅か限られた技術者の身が知る事実として、超小型縮退炉のプロトタイプが5基のみ製造されていた。本機はその縮退炉を搭載する試作機の一つであり、オリゴ軍における最先端技術の結晶である。 中でも本機は大気圏外の対航宙艦戦闘を主眼に置いた試作機であった。従来のOAの枠を超えた、エネルギー制御能力と戦略的運用能力を融合させた特殊機体として設計されている。 自機の縮退炉の圧倒的大パワーをmfフィールド展開能力へ大きく振っており、OAでありながら大型艦艇が持つ直径5〜8km級の「結界弾」とさえ同等の巨大なフィールドを展開可能である。 その一方でその巨大mfフィールドを共鳴波というマイクロウェーブのように指向性を持たせた形の伝送手段をもち、専用砲弾を用いて対艦戦闘において破格の攻撃能力をも持っている。 即ち本機は対艦戦闘を主に据えた「攻撃力と防御力の極致」と言える機体構成を持っており、それまでの同格の艦艇に対する対艦戦闘戦略における革新的な能力を秘めていた。 [主要武装解説] ・ODG-371X 370mmリボルビングライフル 本機のテスト装備の一つ 本体高と並ぶ超巨大な実弾砲。炸薬と電磁加速の複合加速方式。 回転式弾倉をもち単純な機構によって装弾数を犠牲に高い耐久性と大効率炸薬の強力な反動を受けきることが可能。 砲身は2種類試作されており、長砲身なデフォルトに加え、mfフィールド共鳴導波装置を組み込んだ試作型長距離送信タイプも用意されている。 単純に戦艦主砲に相当する37cm砲の大質量を大気圏外で撃ち出すことは、極めて高い運動エネルギーとなり、その破砕エネルギーの高さは目を見張る物がある。 これを上回る口径の実体弾はもはや大型のバズーカかデモリッションガンの類のみとなるが、本機はこれを片手で発射可能である。 ・対フィールド陽電子粘着徹甲榴弾 (Anti-Field positron Piercing High Explosive Squash Head)AF-PESH弾 リボルビングライフルに装填される試作弾。 対艦戦闘において結界弾の高い防御性能を打ち破り、敵艦に対して確実な有効打を与えるための特殊砲弾。砲弾部分とmf共鳴波増幅コアの収納部に分かれている。 発射時に増幅コアを砲弾に圧入することで起動し、発射と同時に本体からのmfフィールド共鳴波を受けて活性化。 敵フィールドに接触、吸着すると同時に結界弾と同等のmfフィールドを破孔から展開して強制的に突破する効果を持つ。 敵フィールドを突破した砲弾は与えられた運動エネルギーのまま装甲を貫徹し、内部で陽電子炸薬を起爆することで目標に対して極めて高い破砕効果を与える。 ・六方窒化炭素単分子カッター 本機の装備する長剣型の単分子カッター。 TG-580の装備するビームサーベルは縮退炉機のドライブ能力を活かした第5世代機専用のビームサーベルであったが、要求エネルギーが高く、フィールドに多くのエネルギーを割く本機では満足のいく運用はできないとして単分子カッターが選択された。 このモデルは刀身部分が鞘の機能を持っており、非使用時に刃を格納可能である。 ・20mmビームバルカン 頭部に固定装備された近接防御火器 飛来するミサイル迎撃やmfフィールドに大きなリソースを割いて大威力なビーム兵器を他に携行できない本機の数少ないビーム兵器として機能する。 小口径ながら威力は縮退炉機の余剰エネルギーを回すことで携行型のビームマシンガンに相当する程度には調整可能。 ・ワイヤーガン 袖口のアーマーに仕込まれたワイヤーガン マニピュレーター内部に仕込まれたマルチランチャーのような補助ツールと違い戦闘行動に耐えられるほどの射出速度と引張強度がある。 なおこの袖の装甲自体はリボルビングライフル発射時にマニピュレーターまで降りてきてマニピュレーター保護とリボルビングライフル保持のためのサブアームとして機能する。 ・タウィリティカルウイング 臀部に装備された巨大な翼 機体構造や特徴的な頭部アンテナを含めてさながら天使のような出で立ちを形作っている。 タウィティリカルとはヴェニュターデ語における「天文学」などの意味を持つ。 空間戦闘におけるAMBAC肢やそれ自体にコーンスラスターが載せられた全天球に推力偏向可能なスラスターウイングであるが、 その主な目的は本機の最大の特徴である超巨大なmfフィールドの主要な展開装置となることである。 もちろん本体にも各部に展開装置が仕込まれているが、この巨大な翼には各所にmfフィールドの展開装置とその流動制御装置が可能なアンテナの機能が与えれている。 大量の粒子の移動が起こるためこの翼は質量制御とも相性が良く、空間戦闘においては推進機の多さや効率もさることながら旋回性等といった運動性能にも比類ない高性能を与えている。 またこの装備の構造はCDB(首都防衛大隊)のフラグシップEY-TSPや量産型DBF搭載機の実験機YTGL-597のフライトユニットの基本構造に応用されている。 ・UCAV、スモークディスチャージャー 本機のオプション装備の一つ 肩部のマウントラッチに増加フレームをつけて懸架するウェポンUAVの一種で、外観はさながら羽根のよう。 またこのマウントラッチにはリボルビングライフルの懸架アームだけでなくスモークディスチャージャーなども設置可能。 ・mf粒子捕集膜展開装置 肩部装甲やウイングの一部から展開される極彩色をうっすら反射する膜 大気圏外で主に非戦闘時この膜を展開して慣性航行を行うと空間中の希薄なmf粒子を集積して自機のmf粒子残量を回復できるというもの。 OAは主動力や機体駆動、姿勢制御用の推進機や火器に至るまでmf粒子の恩恵を一身に受ける兵器であるが、その実自らmf粒子の生成をすることだけはできなかった。 OAや艦艇などのNEKリアクター搭載機は核融合燃料や推進剤の他に、大規模な施設で集積されたmf粒子を補充しなければいずれ稼働できなくなる。 この捕集膜はそんなmf粒子を自己で補充可能になるという極めて画期的な技術になると言えた。 しかしその現物、もといシュプールに搭載された多くの試作装備は機体喪失と共にほぼ全てが再現性が著しく低いものとなってしまったのである。