どうも優曇です 多くの人のキャラを借りました 借りさせてくれてくれた方達に感謝します そしてもう一つ ふぁんあください(黙れ) 感想もください(強欲) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー いつもと何一つ変わらない日常 「…後3つか、」 傘下のカジノから出て呟く …日課とはいえ…増え続けるカジノを回るのはなかなかきついものがある まあ増やしてるのは自分のせいなんだが… …そんなことはどうでもいい、 とっとと次に行かないとな… そんな時だった 「…ディールさんが来ない?」 『はい、もうとっくについていてもおかしくない時間なんですが…』 「…なら…異常事態かもしれない」 『へ…?そう決めるのは早いのでは…?』 「…いや、こういう時は…大抵人を救ってる場合、でも救った時はいつも私たちに連絡が来てる…でもそんな連絡は来てないんだよね…」 『わかりました…ではまた何かあったらおかけします…清汚様』 「よろしくね、」 そこで電話を切る 「…菁ちゃん!…ナイア君!緊急事態…リビングに集合して!」 「っ…!?」 すぐ菁ちゃんがリビングに来る 「…ディールさんに何かがあった」 「それは…本当ですか…?」 「完全な憶測だけどね…情報部に手を回して、」 「…わかりました、」 すぐナイア君が来る 「ちょっと遅れたかな…?」 「いや…大丈夫、じゃあ戦闘できる人を集めておいて…結構大きな戦闘になるかもしれない」 「…わかった、目標は…?」 「まだわからない、でもすぐ情報が入ってくると思う」 「…情報部が見つけました、ディールさんは…」 ゆっくりと目を開ける …ここは…? 「…気づいたか」 …? 誰の声だ…? 「…ディール・オリバー…罪状、」 殺人、賭博場開帳等図利罪、組織的な犯罪の共謀罪 …警察か…めんどくさいな… あいつらが俺の元から出ていったのならお世話になるつもりだったが… …少し早いが…仕方ない 『シンビジウム 解散 幸せに』 「「「…は…!?」」」 思わず声が合う 「…解散なんて…ここがなけりゃ…」 …ここにいられなきゃ僕は生きられない そんなこと認められるわけあるか 「ナイア君、出発用意お願い」 「…わかった」 部隊が待機している場所に降り口を開く 「…全体、出撃…目標は“JRPA裏死刑状”」 「…創士くん、これは世間に公表されるのかい?」 「…まあそうなる、多分小一時間後の速報になるはずだ」 「処刑はいつなんだい?」 「…後…2時間とちょっとだ」 「了解…調べておいたけど…シンビジウムの奴らは来るらしい、ルートは…まあ安直だね…今調査してたカジノから処刑場までほぼ一直線だ」 「…亮と涼紀で十分なはずだ、向かわせておけ」 「了解…じゃあ伝えておく」 「…ああ、ありがとうな…俺は“海獣”に依頼を出しておく」 「それは心強いね…僕と露印は戦闘中はここで情報を伝えておくよ」 「…心強いのはこっちもだ、未来視と対価検索があるのは情報戦で本当に強いからな」 「そう言ってもらえて嬉しいね、じゃあ…また次の仕事で」 「ああ」 …奴露ちゃんには隠れ家でレイちゃんと砂望ちゃんを見守っておいて…と言われましたが… 「ねー…オリバーまだ〜?」 「…まだだいぶ時間がかかるみたいです…」 「…ディールさんに会いたい…」 「奴露ちゃんもナイアくんもなんかお出かけしてるし〜…」 「…ディールさんは忙しい見たいですので…」 心に痛みが走る まだ10歳の子供になんで嘘をついているんだろう …でも黙っていないとこの子達を傷つけることになる 痛い、 でも…この子達にそれを伝えたらこれよりずっと大きい痛みがこの子達に走るだろう だから黙る、どれだけ心が痛かろうとも …能力が使えない どうやら能力を無効化する錠がかけられているようだ …やっと罪を償う時が来たんだな… 椅子と扉しかない無機質な部屋に独り 目の前にはメガネをかけた男 身長は俺より少し低いぐらいだろうか …まあそんなことはどうでもいいな、 「…さて…ディール・オリバー、どうなるかはわかってるな?」 「…死刑、だろ」 「話が早いな…まあその通りだ」 …やっとか、 やっと罪から解放されるんだな… 「…お前の死刑時刻は17時ちょうど。だが16時には向かう、それまでに覚悟を決めておけ」 そう言い残しそいつは出ていった …ああ、なぜだろうな あいつらのことを思うと目頭が熱くなるのは …どうせあいつらも俺を忘れる それが俺にとって最大の幸せかもな ディール処刑まで、 あと 1時間38分 『今日のニュースです』 街を歩いている時に微かに耳に流れ込んでくる …まあ気にすることでもない 『“貴族殺し”、ディール・オリバーが逮捕されました』 「…はっ…!?」 周囲の目線が自分に集まる だが自分の視線はテレビから動かない 『今日未明、某所にいるのを警察が確認。現行犯逮捕されました』 「っ…!」 スマホを取り出しディールにかける 出ない、 「…クソが…」 あいつの隠れ家に駆け出した ディール処刑まで、 あと 1時間12分 急ぐ、ひたすら急ぐ 「ムアちゃん…!」 「…行きますよ…、」 手を掴まれる …もうこの地位なんていらない 犯罪者にでもなってやる ディールさんを助けるためなら…! 「…運転手…!急いで…!…目的地は…“JRPA”…!」 「お兄ちゃん…!凛音…!早くっ…!」 「…わかってる…!…もうすぐだから急かすな…!」 …なんで…ディールさんが… どうしてあの人が警察なんかに… 「警察…許さない…、よくも私たちの恩人を…」 「…終わった、行くぞ…!」 「わかった、乗って…!」 2人が乗る 「…行くよ…!」 「…させない」 天井が壊れる 「…!?」 「貴方達をあそこに行かせるわけには行かない」 「…っ…“海獣”…魚麝内いるか…!?」 「…貴方達と“貴族殺し”が関わっているっていう情報はある」 「そこを…!退け…“海獣”…!」 「…ディール・オリバー…移動の時間だ」 「…わかった」 席を立ち案内役についていく 広場を通り別の棟に入る、長い通路を通り部屋に出る そこには一つの台があった …つまらないな 縄が吊るしてある あれにさっさと首を通せというのだろう 警察の言うことに従っていく …あと…1時間か 『…異常は?』 「…こちらからは特に何もありません」 『ディール・オリバー処刑の準備は整った』 「わかりました、では引き続き監視にあたっておきます」 『…慶士、任せたぞ』 「…ええ」 そう言うと通信は切られた 「…話は終わったかい?」 「終わりましたよ、露印さん」 「…じゃああとは警備だけだね」 「未来は何か見えましたか?」 インビジブル 「…シンビジウムの幹部である隠蔽率いた能力者部隊が広場に侵入、詳しい時間はわからないな」 「まあそれがわかるだけでもありがたいよ」 返事はない 「…?…露印君?」 ディール処刑まで、 あと 54分 「…久々だな…あいつのとこ行くの」 セキュリティを解除しあいつの隠れ家の中に入る 「お〜い、ディール〜遊びに来たぞ〜」 返事はない …カジノでも回ってるのだろうか それでも誰も出てこないのはおかしい いつもなら奴露や菁あたりが出てくるはずだ そいつらも出てこない、 「…すっ…すみません…」 急いだ様子で菁が出てくる だが、明らかに様子がおかしい 「今、ディールさんは…」 「…何があった…?」 「…な、なにも…」 「…嘘つけ、」 「っ…」 「…実は…ディールさんが…」 ディール処刑まで、 あと 48分 「…全隊、停止…」 目の前には広場 …さて…そろそろ開戦か… 広場には結構強い能力妨害の結界的なものが貼られているらしい 隠蔽はここまでしか使えない 「…全隊…これから戦闘に入る、これは我らの救世主を助け出すための戦闘だ。心してかかれ…そしてもう一つ…絶対に死ぬな…死んでしまったら救世主がどうなるかわからない…もう一度言う、絶対に死ぬな…!」 ここ一体にかけていた隠蔽を解除する 「…突撃…!」 広場で戦闘が始まった ディール処刑まで、 あと 45分 「…広場に異常はないか…?」 『…ええ、ありません』 「わかった、また異常があればすぐかけてこい」 『わかりました』 …まだ奴らは来ていないのか… そろそろくる頃合いだと思ったんだがな… 「…敵襲!」 「…っは…!?」 「…おい…!慶士…!敵襲はないって言ったろ…!?」 『敵襲…?こちらでは見えませんが…』 「…っ…俺も広場に行く、急ぐぞ…」 『だから広場には何も…!』 通信を切る …一体何がっ…!? ディール処刑まで、 あと 40分 「…さて…想像以上に上手くいった」 目の前には監視役と思われる正実の警察2人 「…催眠って…こう言う使い方もできるからね…」 多少コンピューターをいじる 「…ナイア君には感謝しないとな…。……これでよし…と、」 広場では戦闘が行われている 随分とこっちが優勢だけど…多分あの日比谷創士とやらが行ったら戦況は変わる めんどくさいな… …いっそのことこっちから仕掛けちゃおうかな… 「行く道で正実の使えそうな奴らも捕まえたし私は…ディールさんを助けに行かないと 」 …待っててね、私の…私たちの王子様… ディール処刑まで、 あと 30分 「クソが…!…時雨…お前だけでもいけ…!」 お兄ちゃんの叫び声が聞こえた でも足が動かない 動悸が激しくなる 大きな衝突音の後に足音が近づいてくる 「…あと1人」 「…ぁ…あぁ………」 嫌…嫌… …嫌……!! 「…縺斐a繧薙↑縺輔>…!!!」 「っ…!?」 「縺ァ繧らオカ蟇セ蜉ゥ縺代k…!!」 薄い意識で相手に向ける大量の影を出す 「…っ…おるか…!」 『…右から二つ、左から三つ、二つまでは打ち抜ける』 「…ならいけるっ…!」 影が弾かれる それでも影を出し続ける 「豁サ縺ュ…!」 「おるか…一旦引く…、」 『了解…姉さん、どこまで戻る…?』 「…広場」 『じゃあ、逃げるのはアシストするから。姉さんはとりあえず逃げて』 「…じゃあまた広場で」 敵は逃げ出した 「…時雨…、」 暴走が解ける 「り、凛音…?」 「…行くよ…ディールさんのところに…」 「…うん、お兄ちゃんは…」 「多分大丈夫、時雨が生きてるなら生きてるよ…きっと」 凛音に掴まる 急いで広場に向かい出した ディール処刑まで、 あと 23分 「…ディール…!」 そう言いディールの隠れ家の扉を開ける 知らない男が菁さんと話している 「っ…誰だ…!」 「…待て、俺は味方だ」 「…名前は…?」 「…なぜ今名前を……まあいい、俺は東雲黒宙…それ以外特に言うことはない」 「…黒宙か…俺はキラ…とりあえず…菁さん、ディールを助けに行かないんですか…!?」 「あ…しっ…しー…!」 口に人差し指を立てている 静かにしろと言うことだろうか 「…ねえ…菁ちゃん…今の話って…?」 「教えてください、ディールさんを助ける…って…?」 「…それは…」 ディール処刑まで、 あと 20分 「…グッ…」 だいぶ劣勢になってしまった “海獣”の魚麝内一家に正義実現警察庁官である日比谷創士… 最高にめんどくさい布陣になっている… 「…あの時よりは…まだマシかな…」 立ち上がる 「“隠蔽”」 ここでも一応隠蔽は使える 体力消費が凄まじく発動時間が少ない代わりに せめて1人は削る ナイフを片手に持ち相手の裏に回る …気絶しろ…! ぱきん…と音がした なんの音だろうと思った ふと手元を見る (メモクレに続く)
くれじっと @Snowdrop2021様より「東雲黒宙」 @kasima-REIN様より「キラ」 @kosuzu841様より「影月時雨」「光陽凛音」「影月夜風」 @suisyou-sizuku様より「夜寂砂望」 口調とか行動とかは結構ご都合主義強めです。 出番少なかったらごめんなさい() ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ナイフが切られている 「“絶対切断”」 隠蔽が解かれる 「…自分も衰えましたね…」 「いや、さすが黄猫君だ…俺にゃ気付けなかったな…不意打ちなんて」 潮流黄猫…? あの剣術使いの…? なんでこんなところに… 「…さて…“隠蔽”…これも立派な犯罪だ、とっととくたばってもらおうか」 銃が向けられる 発砲音がした だが銃弾は僕には届いていない 「…間に合った…」 「…時雨…ちゃん…?」 「ここは私たちに任せてください…貴方は先に」 「…おいおい…そんな敵の前で悠長に話し合いしていていいのかい?」 気づくと周りを奇妙な物体に囲まれている 「っ…これは…!」 「プログラム:手…」 「…ナイアさんは逃げてください」 影に掴まれ回復の部隊がいる方に投げられる 浮いていた手であろうものはレーザーである程度払われていた 回復部隊の人に受け取られそこで意識を失った ディール処刑まで、 あと 17分 さて…これは結構まずいかもしれない… 士気は高いけど時間の問題… 私も出なきゃかな… 肩に鋭い痛みが走る 撃たれた 「っ…女の子は体が大事なのわからないかな…」 「…犯罪者が何を言っているんですか?…性別は関係ないでしょう」 「うわぁ…君、モテないね…」 「余計なお世話です」 催眠が解けちゃったか… …ここで死ぬわけには行かないのに 「…もうどっちが正義かわからないね…」 「何を言っているんですか…?正義は常にこちら側です」 発砲される 当たらない っ…逃げるしかないか… すぐ駆け出す 私が死んでも…誰かが死んでも作戦は失敗 絶対死ぬわけには行かない 体が熱くなった ディール処刑まで、 あと 14分 ゆっくりと目が開く …っ…!? 「…まだ動かないでください…!」 「…あ…ご、ごめん…」 回復班に助けられていたみたいだ 「…とりあえず…安静にしてください…」 「わかってる…わかってるから…」 なんで…倒れてしまったんだろう 恩人を助けられずに倒れる こんな情けないことがあるか 何か…何かをしないと… 「…おい、生きてるかナイア」 「…っ…!?君は…」 ディール処刑まで、 あと 11分 死ぬ…わけには… 体はもはや肉塊 かろうじて意識を保っているがそれすら拷問に感じる 「うお…じゃう…ち…」 体の中から何かが飛び出し体を崩していく 「…くじらさん、もういい…とっとととどめをさす」 「わかった、じゃあ俺らは別のところに行っておくぞ」 「…影月時雨…罪状は…まあいい、死ね」 「でぃ…るさ…ごめ……んな…さい」 私に対して特攻がついているであろう拳が飛んでくる ああ、もう終わりか 何もできなかったな 「死なせるわけにはいきませんよ、時雨さん」 菁さんの声がした 「…ダイス、73」 「…狭間凪…菁っ…!」 「誰1人死なせません…!」 菁さんの拳が相手の腹に突き刺さる 凄まじい勢いで相手が飛んでいく 「…時雨さん達…生きてますね…いきますよ、回復班のところに」 「ごめん…なさい…」 「…謝らなくていいです、ナイアさんを守ってくれてありがとうございました」 涙が溢れる 無力感と嬉しさ 決して交わることのない二つの感情が混ざり合っていた ディール処刑まで、 あと 9分 「…ねえ砂望ちゃん…ボクらでもさ、オリバー助けれるよね?」 「…でき…ます、絶対に」 「じゃあ行こ、もうボクは限界だよ…よくもオリバーを…」 戦っている中に歩いていく、ボクは浮いているけれど 「…は…?子供…?」 「なんでこんなところに…?」 「…菁ちゃんはあそこの扉の奥にオリバーがいるって言ってた」 「レイちゃん、行くよ」 「「絶対…許さない」」 扉まで進んでいく 「…おい、そこの子達、ここは来ちゃダメだよ…」 仮面のお姉さんに話しかけられる 「どうして…?」 「…言えない、けど来ちゃダメ」 『姉さん…!そいつらもシンビジウムの…!』 急に前のお姉さんの気配が変わる でっかい刀がボクらに振り下ろされる でも当たらない ボクの体をすり抜け砂望ちゃんの体で浄化される 「は…!?」 どこからか銃声が聞こえる でも当たらない 「…そこ、どいて…お姉さん…“ポルターガイスト”」 「っ…!?体が…!?」 『姉さん…!?』 お姉さんを吹き飛ばす 「オリバーを殺そうとする奴らは絶対許さないから…」 「…風さん…ちょっと力を貸して…」 竜巻が引き起こされる 「…後もう少し…待っててね…オリバー」 ディール処刑まで、 あと 6分 外がうるさい …はぁ… 来ちまったのか… どうしてこんなことになったんだろうな… 外では人が傷つき続けている 俺のせいで 全て俺のせいで 俺のためにそこまでする必要なんてない …もう嫌だな… あいつらも傷つく 傷つくのは俺1人でいいのに 「…ディール・オリバー…後5分で処刑だ」 「…わかってる」 後5分か…もうどうでもいい ディール処刑まで、 あと 5分 「っ…そこを…どけ…!」 「…勝てないのはわかっているだろう…?どうしてそこまでする」 「友を助けたい…って思うには自然のことじゃあねえのか!?」 「…キラ…まさかシンビジウムと繋がりがあったとは…」 「あったらなんだってんだ…!…とっととどけ…魚麝内…!」 「…くじらさんだけじゃないのをお忘れで?」 剣が切られる 「潮流…お前…」 倒れる だが立ち上がる 「諦められるはずがないだろうが…!」 「…じゃあとっとと殺して諦めさせるさ」 「“ダークボール”…!」 黒のような紫のような球体が相手に向かっていく 「…“絶対切断”」 球体が粉微塵に切られる 「…は…?」 あまりに一瞬の出来事に理解ができなかった 「…オリバーを助けたいのは…どっち?」 ディール処刑まで、 あと 4分 …血…止まんないな… 肩を抑え座り込む 「クソ…」 なんとか2人を催眠で気絶させたはいいものの… 「…奇跡でも起きてくれないかな…私が助けるつもりだったのにこれじゃ…」 祈る 奇跡はそう起こらない 「…お願い…ディールさんを…救ってください…神様…誰でもいいから…」 痛い 「…催眠…」 痛みを感じないように催眠をかける 「…行くしかない…か」 ドアを開け駆け出す 広場に出る 扉に向かって突き進んでいく ディール処刑まで、 あと 3分 相手を蹴散らし扉に進む 「…待て、ガキども」 首元を掴まれ投げ飛ばされる 「レイちゃん…!」 壁にぶつかる 幽霊のはずなのに 口から血が出た …痛い… 「…なん…で…?」 「“特攻”…10歳、女性、人外、シンビジウムの隠れ家に住んでいる」 砂望ちゃんに拳が向けられる 「おい、日比谷創士…子供に手ぇ出すんじゃねえよ」 銃声がなる 「…っ…!?」 「…砂望とやら、レイを助けておけ…こいつは俺がやる」 「夜風…さん…?…ごめんなさい…!」 砂望ちゃんが私の方に走ってくる 「レイちゃん…!大丈夫…!?…死なないでね…!?」 「元から死んでるから…死なないはず…多分…」 「いいから…回復班のお兄ちゃんたちのところに行くよ…」 「…うん、わかった…」 ゆっくり浮き上がり回復班の方に急いだ ディール処刑まで、 あと 2分 「っそが…」 死刑場への通路は封じられていた これじゃ… テレポートも場所が場所だから使いにくい 壁を殴りつける …無理言って隠蔽つけてもらってここまで来たのに… あいつを助けられないのか…? 「…借りぐらい…返させてくれよ…」 最悪の未来ばかりが頭によぎる いくら世界線を行き来できるとは言え友人を殺されるのは… 「…行くか」 使いにくくても使えはする 「…失敗した時は…その時だ」 ディール処刑まで、 あと 1分 「…ッチ…」 体に銃弾が撃ち込まれる 普段なら避けることも容易いが催眠女のせいでままならない 特攻は…後30秒か… 致命傷は避け受け続ける 「…いつ2人だけなんて言いましたか?」 「…なっ…!?」 「ダイス、90」 足払いされる 自分の2倍ほどの力でバランスを崩され立てるはずがない 「…終わりだ、日比谷創士」 銃口が向けられる 足音が大きく聞こえる かちり…と音がした ディール処刑まで、 あと 30秒 天井がぐしゃと音を立てる 見上げる 天井があり得ない形に凹み始める 「…は…?」 天井が崩れた 「ギガントっ…マキア!」 自分のより前にあった天井、壁が押しつぶされていく 「ディールさん、助けに来ました!」 「分解…」 錠が外され首元の縄が切られる 「黒宙…?アテナ…?」 俺は、解放された ディール処刑まで、 あと 0秒 「…こいつらも…倒れましたか」 なんとか魚麝内くじら、潮流黄猫を気絶させる 「…救出に急ぐぞ…!」 広場の中心に急ぐ 「…杏子…!?」 悲痛な叫び声があたりに響いた 声の方を見る 高校生ぐらいだろうか それくらいの女性が誰かを庇っている 女性が倒れた 「…杏子…!杏子…!?…死ぬんじゃ…ない…!」 戦場が凍りつく 誰がどう見ても“手遅れ” 全身に銃弾を受けていた 「…能力無効化弾…ですか…?」 「…ああ…」 苦虫を噛み潰した顔で銃を持った男が言った 「…回復班…!なんとかできない…!?」 奴露さんが叫ぶ …できないだろう 素人でもわかる 奇跡でも起こらない限り無理 「皆さ〜ん!ディールさん助けましたよ〜!」 場に合わない明るい声が響いた 凍りついたものを溶かすような暖かい声 だが奥の奥まで凍りついた戦場に意味はなかった 「…っ…杏子…」 まだ呼吸はしているらしい 時間の問題だろう ディールが戦場の中心に歩いていく 「…嫌味か…?“貴族殺し”…殺すなら殺せ、」 明らかにその声は震えていた 「“consideratio statera”…対価:半径300m内の傷…貯蓄…」 傷が治っている 俺だけでなく周り全員が 「…ディール・オリバー…?」 無論杏子とやらも例外じゃない 「…あれ…私…傷が…」 「杏子…!」 男の方が杏子とやらを抱きしめている 「そ…創士さん…恥ずかしいです…」 ディールは横を通り過ぎ一言を放った 「…帰るぞ、お前ら…解散は…撤廃だ」 歓喜に包まれた声がそこら中から上がる …ああ、よかった 終わったんだな、戦争は Fin.