「愛してる」 「私も愛してる」 こういう言葉は実際、ドラマとかでよく見る。 好きな人同士が、自分にとって最高の愛情を言葉で相手に伝える場面....。 昔は、孤児院でそんな話を聞かされたことがあって、それがとても感動的で、憧れだった。 「愛してる」という言葉を、いつか好きな人に言ってみたいと思っていた。 そんなことを任務帰りに呟いていた。 「愛している、というのは相当な勇気がいるものですよ?」 セルヴェがそう言ってきた。 「お前には関係ないだろう」 「関係はありませんが、少しアドバイスをしようと思いまして」 「お前のアドバイスなんかいらない」 そうして僕が立ち去ろうとした時... 「愛を知らずに育った殺し屋の貴方に.....愛してるという言葉を本当に言えるんですか?」 「ッッ!」 「言いたいことはこれだけです。それでは」 そう言ってあいつは消えていった。 ....分かってる。 そんなこと、僕が一番分かってるッ! 生まれてから13歳までずっと孤児院で育ってきて...親からの「愛」なんて与えられなかった僕に、「愛してる」なんてッ...本当に言えるのだろうか....。 たくさん人を殺めてきた僕に、「愛してる」なんて言う権利はあるのだろうか....。 こんな僕が、___に「愛してる」なんて言っていいのかな....?___は、僕のことをちゃんと受け止めてくれるのかなッ..? あーあ.........信じてるのに....分かってるのにッ...! なんでッ....なんで言えないんだろう...。 ......そっか.....怖いんだ....僕は.... もし、言って.....今の関係が終わっちゃったら....って考えると.....どうしてもッ...言えない.... また...一人になりたくないッ... 「愛情を伝えるというのに、そういうことは関係ないんじゃないか?」 「え...?」 気づいたらオルが横にいた。 「一人でずっと何か言っていたから気になってな」 「....なんでオルがそんなこと言えるの」 「長年生きてるんだ、舐めるなよ」 「...そ...っか....」 ....愛を伝えるのに...僕の過去は関係なくしていいのかな?....こんな僕でも.....まだ.... 「自分が死なないうちには話しておいたほうがいいと思うぞ」 「........ありがと、オル」 「...嗚呼」 もう後悔なんてしない。僕は、僕のやり方で... 「愛してる」を 伝えれるようになる そう、信じてる
最近オリキャラの小説書くのにハマってる() リクエストあればコメント欄で!