雪。 ずっと降り続く細雪。 きっとお空の機嫌を損ねたからだなんて、見え透いた嘘をつく君を横目に。 師匠は変わらなかった。 雪の中、ずっとただ歩いている。 ついていく君の足取りは軽い。 君のせいで師匠が倒れても知らないよ、なんてね。 君を怒らせたのは僕だったっけ。 積もる雪だ。 これじゃあ卯の花は見えないかな。 本物の雪が、雪のように白い花畑を覆って潰していく。 あいにく、僕にはそれをどうすることも出来ない。 あゝ 漂流者のなんと儚くもどかしい。 手を引きて 白雪仰ぐ 旅路かな。