【#4 三宅の夕】 ※これはゲーム「俺の甲子園」の「都立天鳳台高校」をもとに作成しているフィクション小説です。 ※この回は、3話の同日の夕方以降のお話です。 やあ、三宅悠紀だ。突然だが、俺には双子の弟がいる。身長も体重も俺と大差なく、守備もセカンド。その名を三宅太樹(みやけたいき)と言う。 「あ、バカがいる」 噂をすれば太樹の声がした。バカとか言いやがって...少しムカついた。でもあいつらしい。 「テメェか、バカとか言いやがって!」 俺は笑いながら言った。続けて、 「あなたのお兄様のほうがバントも守備も上手くて有能ですよー」 と言ってやった。大丈夫、こういう仲だ。すると太樹は 「黙れボロ肩ミート型鈍足」 と罵られた。お互い共通するのはこういう性格である。 気づけば午後6時。夕飯の時間だ。俺たちは寮の食堂に向かう。今日のメニューはハムカツだ。俺らの大好物。 「いただきまーす!!」 席につき挨拶をする。まずは白米。うまい。ここのお母さん(もちろん血はつながっていない)は米の炊き方まで絶品だ。酢と昆布を入れるんだっけか...覚えていないけれども美味ければいい。 そしてメインのハムカツ。口に入れ、噛む。じゅわっ、と美味しい脂が口の中に広がる。スーパーには申し訳ないが、スーパーの惣菜の10倍うまい。サクサクなのに落ちないこの衣に肉厚ジューシーなハム...相性が最高だ。 ...やばい、考えすぎた。あと10分だ。 夕飯を済ませ、風呂に入る。なんとか完食できたので良し。 脱衣所で岡村と話をする。岡村は優しくて周りを明るくできるいい人だ。 「そういえば、明後日練習試合だね。明日メンバーが発表されるらしいよ」 岡村からいい情報を得た。胸が高鳴る。今日は日曜だが、明後日の火曜は祝日なので練習試合ができる。 「まじか!!俺絶対選ばれてないな」 誰かが会話に交ざる。吉村だ。吉村は俺の隣の中学に通っていた投手だ。少年野球クラブで一緒だったので仲が良い。 「よ〜し〜む〜ら〜!!自信もてよ!!」 このように馴れ馴れしく会話できる仲間でもある。 しかしこの言葉はネタで言ったが、深く考えると選ばれない理由がない気がした。得意のシンカーのキレは凄まじいし、コントロールも良い。これ以上の選手がそれほどいるのか。 気になってしょうがないので聞いてみた。 「ああ、たくさんいるよ。木内龍生、本間大地、鳥居拓也...みんなすごいよ」 なるほど、よくわからない。とりあえず明日のオーダーでわかるはずだ。 部屋に戻り、目覚まし時計と本を持ち俺はまた部屋を飛び出した。今日は会議室で寝る。本来は駄目なのだが、今日は特別に監督が許可してくれた。10人くらい来て、みんなで寝るだけなのに、何故かワクワクする自分がいた。酒巻も中村もこのことは知らない。驚いた酒巻が、 「どうしたんだ悠紀!!」 と叫んだ。俺は、 「ああ、会議室で寝るだけだよ」 と、とっさに答えにならない答えを返して去った。酒巻は多分理解できていない。中村はどんな反応をしただろうか... 会議室についた。岡村や力石がいた。もちろん話したことのないやつも。その後は明後日のメンツの予想大会で盛り上がった。俺は二塁を力石予想とした。外れていると嬉しいような気もするが、それもこの大会の醍醐味...なんて言わず練習する方が良い。 周りの多くはもう寝ている。まあ11時30分、就寝目安を1時間過ぎたもんな。おやすみ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー #朝武 #小説 #野球 #高校野球 #甲子園 #俺の甲子園 #都立天鳳台高等学校 #天鳳台高校 #天鳳台
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