‹………人類は滅亡したらしい› “そっか” [えっ？] ｢えぇーっ！？｣ 某日。 とあるメールを受け取った研究所タウ遺跡支部は騒然としていた。 メールの送り主は研究所本部、命からがら書き上げられたようなぐしゃぐしゃの文章が綴られていた。 内容は上記のとおりである。疫病で人類が滅亡した。 ‹………なんてことだ› ｢ビクター的にどうなの？｣ ‹どうもこうもダメだろこれ ……本部も壊滅してるっぽいし ずっとここに籠もっとくか？› 研究所タウ遺跡支部の研究員たちは意外と落ち着いていた。現実味がなさすぎたのかもしれない。 そうこう話し合っているうちに、研究員のひとりベルジュが手を上げた。 ｢…外の様子を見に行こう 失うものがないもんね｣ ‹………賢明な判断とは言えないが… 今更安全とか考えてる余裕はなさそうだな› [そうね 気になるわ] “…………うごきたくない…” 数名不服そうではあったが、なんともゆるい話し合いの末研究所の外へ出ることになった。 […空気が美味しい いったい何年ぶりの外かしら] “ねむくなる” ‹……ここからじゃ何も見えないな 向こうに古い物見塔があったはず…› ｢最初来たときより明らかに…植物育ってるね 当然だけど…｣ タウ遺跡支部はかなりの山奥に位置している。 そして、物見塔から周辺を見渡そうと登山に勤しむ研究員たちだったが。 ……体力不足すぎるのである。仮にも現地調査員なのだが。 ｢………ぜぇ……｣ “……みんな 体力なさすぎ ぼくまだ元気だよ” ‹クリフお前はそりゃそうだろうよ お前一体何日寝てない！？› [……確か今日で3日よ はぁーっ……歩くのってこんな大変だったかしら] 物見塔につく頃にはひとりを除いて皆疲れ果てていて、唯一元気の有り余っているクリフが物見塔に登った。 “………わぁお …あそこにある残骸？ 遺跡？ ……あれが都市だったとこか 向こうにEXO本拠地…… あぁ 何もない……” そこから見える景色は絶景だったが、それと同時にとても不気味だった。 でも、クリフは悠長にカメラを構えて荒廃した大都市をまるまるひとつフレームに収めた。 “………ウケる あいつら勝手に滅んだ…” クリフはそう呟いて、休憩している3人の待つ物見塔の下まで降りていくのだった。 https://scratch.mit.edu/projects/1064861105/
