第壱話 ニエノ 日が差し込む部屋の中、少し甘い声がいつものように耳に入る。 「この資料、資料室5番に移動しといて。」 「了解」 私はその命令に返事をし、ドアを開ける。 そして一礼してからドアを閉める。 私はニエノ。 紫風様に仕える側近であり、従者である。 そして資料を持ちながら資料室へ向かう。 そこにやってきたのが・・・ 「うゆ?あ、にえのだ!」 紫風様の息子の露優様だ。 「そうです、ニエノです。なにか御用でしょうか?」 「あそんで!」 「この資料を片付けたらすぐにでも。」 そう言い、私は露優様とともに資料室に向かう。 「きのうね、おとーさまがね、てあわせしてくれたの!」 「それは良かったですね。楽しかったですか?」 「つよかった!けどたのしかった!」 「そうですか。それでは私も頑張りましょうか。」 そう無感情に言う。 「にえのってさ、」 「ええ?なんでしょう?」 「なんでそんなにわらわないの?」 「わらう・・・?」 「うん。」 私は感情がない傀儡。 感情など不要だ。 「人に仕えるのなら、感情などいりません。その方の命令によってしか私は動けない。」 私はそう言い放つ。 まだ7つの幼子に対し、思っていることを吐く。 「・・・かんじょーがなかったら、にえのよかったなんていわないよ?」 「そう・・・ですね。」 私は表情を崩さずに庭へと足を向ける。 妙に胸騒ぎがした。 〜紫風私室〜 「なぁ時雨?」 『どうした?』 俺は今日、時雨と電話していた。 「ニエノがあってから一回も笑わないんだよね。」 『・・・脳裏に焼き付いたトラウマは、そう簡単に消えるもんじゃねぇ。お前が一番良くわかってるだろ?』 「・・・それはそうだが・・・」 『おめぇにできることは、ニエノが心を開いてくれるまでじっくり待つことだ。』 「そうだよな、変なこと言ってごめん。」 いつになったらあいつは心を開いてくれるのだろうか。 俺には・・・わかんないよ。 百年ちょっと生きてんのに情けねぇな・・・ 次回 第弐話 感情
テストの点数が悪すぎる(笑) 最近全然入れてないからどんどん人が離れてく。多分すでに見てる人いない。じゃあ君が読んでるこれはなんだ(?)