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【小説】”逃避行”

NANATUKITI0623•Created August 11, 2024
【小説】”逃避行”
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Instructions

……かれこれ何時間走ってるんだろうか? 後ろからは追手が大量に来ている。 …壊しても、壊しても、埒が明かない。 面倒くさい。もう勘弁してくれよ。 ……こうなると、能力がないことを呪う。 __なんでこうなったんだよ畜生。 そして、また突撃される。 ……あっぶね、あと少しで当たる所だった…。 また走る。何処まで走ればこの鬼ごっこ…いや、一方的な蹂躙…という名の、地獄は終わるのだろうか。 ………あぁもう、400近くの追手がずっと追いかけてくる。 何千里走れば終わるんだ? 我ながら、阿呆だと思う。 ……”呪い”を使えば全部が終わる__と思う。 だが、それでも終わらなかった場合、それこそ地獄だ。 だったら、少しでも逃げ続けたほうが良い。 それが__きっと最適解…のはずだから。 ……でも、それでも面倒なんだよこっちは。 さて、試してみるか? 自傷行為そのものだが、価値はある。 ……そして俺は、小指を切り落として投げる。 「……ほら!!これがお望みだろ!!!」 まぁ、手応えは薄いだろうね。 …数体は、小指の方に行ったが、ほかは着いてくる。 少なくなっただけまだマシじゃないのか…? ………だめだ。これ、黒幕潰したほうが速い気がしてきた。 さて、考えようか。 まず、事前情報を整理する。 次に、能力を脳内で照合する。 その次に、ソイツの住所を特定する。 記憶力は本当に偉大だと思う。 ついでに、この状況を利用して敵対組織を潰す。 物量の怖さ、というのがよく伝わっただろうね。笑えてくる。 …何より重要なのは、間違っても自分の知り合いの家周囲…500mくらいには近づかないようにする。 万が一何かあったから嫌だからね。 そんでもって、組織のアジト、組織が管理している土地、自宅、そのへんを遠回りすると考える。 …んで、出来るだけ敵の組織に周りたいから…。 ………まぁ、全力で遠回りして…20〜30分くらいで着くのだろうか? そんなことはどうでも良いか、…さぁ、とにかく引きつけようじゃないか。 また走る。 先ほどとは違い、確かな意志、理由をもって走る。 遠回りをしているからか、あまり見たことない景色が視界に入る。 普段なら、この景色を楽しんでみていただろうが、今はそんな事をしている余裕なんて無い。とにかく走れ。 ……今は、今だけはなりふり構っちゃいられない。 走れ。何処までも遠くへ走れよ。 たった独りになっても走れよ。 良いから、目標へ、一心不乱で、目標をぶっ潰すという目的だけを持って、それ以外は今だけは捨てて、走れよ。 最悪呪いを込めて殴れ。 そうすりゃ少しはマシになる…であろう。 ……だが、とっておきの一撃は、残しておいてやる。 ……何故だって?当たり前だろう? 目標を、目的の人間を__アイツを。ぶん殴る。ただ、そのためだけに、とっておきの一撃を残す。 ……随分御大層な、プレゼントだよ。 アイツの為に、ここまで残しておいたんだ。 「……たぁんと、喰らえよなぁ…。」 小さく呟いて、笑う。 ……もうここまで来ると、多少だが楽しんでしまっている。 気が狂ったのだろうか? …否。とっくに手遅れだったんだろう? 日頃から、色んな人間に追い回されたり、食われたり、色々されたり。 そんなことが日常と化しているんだ。 こんな、めったに無いことを、少しばかりは楽しんでも…まぁ悪くはないだろ。いや殴るのは変わりない事実だけどさ。 ……さて、走った距離的にそろそろだろう。 …電柱にある住所を一瞬だけ見て確信する。 …そして、また走る。 本当に、今日だけでどんだけ走ったんだよ。 内心、そうやって毒づきながら、走る。 ……。 ずっと俺は突撃を繰り返されている。 面倒くさい。壊してもきりが無いなら、避けるしか選択肢は残っていない。 避けて、避けて、何回だって避けて、最後に残ったなけなしの維持で避ける。 走って、揺らいで、決めて、また走る。 そして、対象の自宅の前に到着する。 後ろからは__大量の追手が直ぐ側迄来ている。 …さぁ、殴り込みだ。 そして、諸悪の根源がいそうな場所へ、飛ぶ。 窓ガラスをまずは自分がぶち破る。 パリン、と小気味いい音の直後に、数多もの打撃音が耳に入るが、それを無視する。 ……そして、この逃避行の、諸悪の根源の声が、近くから聞こえる。 …まぁいきなりこんな音がしたんだ。バレても仕方がない。 慌てたように、バタバタと音が聞こえるが、もう今更だ。 俺は、背後に気配を感じながら、アイツの眼の前に立った。 そこには、齢15歳の男子中学生がいた。 「……おいお前…いや、…鮫鰐…やってくれたなぁ…?」 そうやって、キレ気味に言う。 そう。俺をずっと追い回していたヤツ…いや、”物”というのが正しいのだろう。 それを送り込んだ主犯は。コイツなんだ。 「……a,…え、あ、…ちょっといたずらしただけだから!!!許してクレメンス!!!…助けて!!!(((」 そう、鮫鰐が叫ぶ。 ……はぁ。 ……ったく…。 「…仕事の処理は助かったとはいえ…なぁ?」 圧をかけて言う。 慌てたように鮫鰐は返す。 「落ち着いて一旦 落ち着いて餅を着くんだあれこれ待って俺が餅になるやついや許していいほんとお願いだから…()」 俺は、満面の笑みで返す。 「安心しろ。…デコピンの刑で今回は済ましてやるから!!……な?」 デコピンの構えを取る。 そして、握りこぶしを一つ作る。 それを見て、また慌てだす。もう今更なんだけどね!!! 「いくら無限だからといってこんな未来ある若者を殺すのはやめてくださいほんとお願いします…(????)」 俺は一瞬で間合いを詰め、腹を殴ったあと、すかさず首にデコピンを入れる。 「…嫌だ☆」 俺は笑って言った。 「あ、詰んだ。」 そんな声が、鮫鰐の死体から聞こえた__気がした。 …まぁタンスがどうこうなるわけでもなかったのだが__。 _______ ボイチャネタの小説…頭おかしいだろ…() @samewaniudon様 https://scratch.mit.edu/projects/1054583163/  絵面 #うど虐

Description

その逃避行の成れの果てには、何があるのか。 そんなことは、誰にもわからない。 神のみぞ知る、領域だった。

Project Details

Project ID1054571906
CreatedAugust 11, 2024
Last ModifiedAugust 11, 2024
SharedAugust 11, 2024
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