低クオ 重い ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー コーヒーを啜る ほんの少しの苦味と砂糖で増された甘味が絶妙な味を引き出している …暇だ 探偵というものは想像以上に暇である それなりに売れなくては依頼もこないのだ 暇なので愛用のショットガンの手入れもしておく 何に使うかわからない まあそんなことはいいだろう またコーヒーを啜る その時だった コトンと音が鳴った …? おそらくポストの方だろう ポストを確認する 封筒が入っていた 封を開け中を見る 中には一枚の紙が入っていた ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「……?そんなことをいちいち信じるんですか…?」 「…でも見てくださいよ」 封筒を手渡す 彼はすぐ目を通した 「…確かに貴方のいうことはわかりますよ」 「ですがもう少し根拠があれば…」 「そのためにあなたに頼んでるんですよ…日比谷さん」 彼は顔を曇らせる 「…確かにウチはそういうのもやってますが…」 「だからですよ」 「…もっともですね」 「…一応頼んでおきますよ…ところでこれの送り主はわかっているのですか…?」 「いや…私が見た時にはいなくて…」 「そうですか…まあなんとかします」 「では、お願いしますね」 そう言い私は自分の事務所へと足を進める ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 数日後のことだった 日課をこなしいつものようにコーヒーを飲んでいた時のことだった ノックの音に続きドアが開く音がした 「…頼まれてたものですが…どうやら本当の様です」 コーヒーを吹き出しそうになり咽せる 真逆本当だったなんて この様な事例が本当のことは少ない でも 「あの凶悪犯をついに捕まえる時が来たんですね、日比谷さん」 「ええ…望月さんのおかげです」 「じゃあ行きましょうか」 「もちろんですよ」 「犯罪者は何があろうと許しちゃいけませんからね」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 突入前日 何気にかなり緊張する ショットガンもおそらく動作に問題はない もし撃つことになっても大丈夫だろう …眠らなきゃ 意識を闇に手放した ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー …ディール・オリバー 罪状 貴族殺し … 裁いてやる 絶対に 意識を手放そうとした時 ノックの音が聞こえた 「そ、創士さん…今話せますか…?」 杏子の声が聞こえる 体を起こした 「…明日突入だと聞いたので…」 「…別にタメ口でもいいって言ってるのにな…」 「なんか…嫌です」 「まあいいが…ところで話って?」 「明日突入する人は恐ろしい人だと聞いたんです…」 「…それはどうかしたか?」 「…不安なんです…創士さんが帰って来ないんじゃないかって…」 杏子の周りのバグの量が多くなる 全く…感情がすぐ現れるんだから… 杏子の頭に手を置き左右に移動させる 「…安心しろ…帰ってくるから」 「…約束ですよ…?」 「…ああ」 そういうと安心した様に杏子は部屋を出ていった …帰って来なきゃな…あいつのためにも そう思い意識を手放した ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 雲ひとつない晴天 これから勝つのは我々だ 身支度をする いつもと変わらない用意 …出発しよう ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 杏子はまだ寝てるか… …扉に手をかけ外に出る 「いってくる」 そう言い歩き出した ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 刃物が腹に突き刺さる 重症だな… 地面に叩きつけられた ディール・オリバー 想像以上だったな ごめんな…杏子 …約束破っちまった 何かが背中に刺さった感覚がした ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー い、嫌…私はまだ…こんなとこで… 左腕に冷たい金属の感覚が押し当てられる まるでさっきの子の死に方を繰り返す様に カチリと音がする 左腕が焼ける 嗚咽が留めなく溢れる 「黙れ」 従わなきゃいけない 従わなきゃいけない 声を止める 痛みは止まらない 涙が留めなく溢れる 頭に相棒の感覚が伝わる カチリと音がした ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「創士からの応答がない…?」 「は、はい…!…日比谷創士率いる機動隊からの応答がありません…」 「…すぐ調べる、十万あるな…?」 「そこの金庫に確か…」 金庫から金を取り出しすぐ調べる 「…は…?」 『 日比谷創士 状態:死亡 望月セレナ 状態:死亡 』 能力の使用時間が終わり事実を書き記したものが消える 「ど…どうでしたか…?」 「……全員死亡」 「は…?…じょ、冗談よしてくださいよ」 「こんな状況で冗談言ってたまるかよ…」 沈黙 「すぐ全支部に報告…頼むぞ」 「…はい」 未だ信じられない だが僕の能力は真実のみを伝える あれは紛れもない事実 水滴が落ちた ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー …創士さんが帰って来ない 約束したのに 「約束したのになぁ…」 でもまだ帰ってこないとは言われていない 帰ってくる 絶対帰ってくる 約束したんだから …お願い …帰ってきて 私にまた微笑んでよ 撫でてよ まだ一緒にいたいよ お願いだから… とどめなく流れる涙は止まることを知らない Fin
みゃあ