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小説「猫と違和感、人探しと後悔 上」

SNSnowdrop2021•Created May 20, 2024
小説「猫と違和感、人探しと後悔 上」
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Instructions

どうもSnowdrop2021です。 まずこれを見ましょう。話はそれからです。 https://scratch.mit.edu/projects/1019360518 今回黒宙目線の小説って都合上ディールさん呼び捨てしてる罪悪感が半端無いですね() …いや嘘です最後だけディールさん目線です((( モチベが持たなかったので上下編に分けました。多分次回は長くなります。 注意書きは毎度長すぎるので割愛、あえて言うなら、 ・流血表現 ・妄想及び捏造 ・キャラ崩壊あるかも が苦手な方はお帰りください。 尚最初だけ結構グロいです。 あとがきは最近お馴染み中にあります。 この下から始まります 「…何で俺こんなとこいるんだ…?」 あたりには濃く血の匂いが立ちこめ、大勢の警察官が倒れている。 …少なくとも自分ではない気がする。直前にもそんな記憶が全くない。 というか、普段から警察には目をつけられないようにしているし、目立つような行動は避けている。一件でも事件の証拠が取られようものなら芋蔓式に行動がバレる。それで行動が制限されることだけは避けたい。 確認のために自分の武器を見るも、自分の服を見ても、全くもって血は付いていない。 (おかしいな…) なら興味本意で覗きにきただけなんだろうか。 …それならもう興味はない。 これで警察にバレては困る…と、さっさとこの場を去るべく歩みを進める。 途中、まるで隣に誰かが通ったような風圧を感じたが、そこにあるのは血生臭い屍と違和感だけだった。 …ただ、絶対に忘れてはいけないはずの、“何か”を忘れているような気がした。  ◇ ◇ ◇ 上 猫と違和感 ちょうど夕方になる前くらいの昼下がり、高いビルの屋上の手すりを、平均台のようにして歩く。 案外高い建物の上というものは誰も見ない。 それに今、影のできる方向は日陰になっているから、誰かしらに姿を見られる心配はそういらないのだ。 「んー…」 今受けている以来は迷子猫探しである。 当然専門外。 尚価格は1000円ポッキリ。見つからなかったらその時は無料。てかそれ以上にそう金はいらんし。 …というかそれぐらい探偵とかに依頼しろよ。何故裏社会に近しい上しかも人間ですらないような奴に頼むのか。 だが息抜き程度にはちょうど良いだろうと、今こうやって猫探しをしているわけである。 ふと裏路地に目を向けると、そこには猫がいた。 ただ探している猫ではない。…が、その猫には脚に糸が絡まっている。 …そういえばさっき騒いでる子供の集団がいたっけ。 「まったく酷いことするガキもいるもんだな…」 そう言って今ビルから飛び降りている彼もブーメランである。まあ彼の場合は酷いじゃ済まされないが。 が、猫は黒宙に向かってシャーと一度威嚇すると、そのまま遠くに逃げていく。 「えっ…ちょ待て、痛いだろそれ」 呼びかけながら軽く駆け出すも、猫は速度を増して逃げていくばかりだ。 黒宙からして追いつけない速度ではないが、猫相手だと少々手加減(?)がある。 「おいおいどこまで行くんだ…」 するとそこで、先ほどより少し広い、人気のない路地に出た。 いや嘘だ。一人だけ人はいる。 その人物は黒いシルクハットを被っており、おそらく食材が沢山入った紙袋を抱えているようだった。 …誰だっけ? しばらくその背中を見ていると、視線に気づいてか、その人物は振り返った。 彼の特徴的なオッドアイがあらわになる。 そこでやっと気づく。 「“誰だっけ”…!?」 「なんだ黒宙か…って、今とんでもないことを聞いた気がするんだが…」 彼の名前はディール・オリバー。13年前にとある事件を起こして以来、今に至っても尚警察に追われる身である。 彼に出会ったのは大体半年ほど前、「賞金首になっているディールという人物を捕まえるか殺してこい」という依頼のもとという、よくよく考えれば最悪の出会いだったのだが何故か和解し、今じゃそれなりに話す仲である。 黒宙自身はディールのことを“友人”だと思っている。 …ただ、相手にどう思われているかは別。 思考が読めるわけでもないし、不器用な黒宙にそれを知る由はない。 …どうやら口に出てしまっていたらしい。 慌てて口に手をやるも時遅し、一度飛び出した言葉は、とっくのとうにディールの耳に届いてしまっている。 (いや何考えてんだ俺…?!何でディールのこと忘れてたんだよ!?) そりゃそうだ。自分が友人だと思っている人を忘れるなんぞ、そんな失礼極まりないことをするなんてあり得ないだろう。 「…」 ディールの目には、誰の目に見えても明らかなレベルで動揺する黒宙が映っていた。 「…まさか、本当に忘れてるのか…?」 違う。そうじゃない。 今のは意味の分からないことを考えていた自分への叱責だ。 それに、口に出したのはただの手違いだ。 (し…しかも声のトーンちょっと落ち込んでる…!?) …こんな奴だっけ、こいつ… 「いやいや!?そんな訳ないだろ…!」 「そうなのか…だったら良かったんだが…」 「だ…だって考えてみろよ、本気で忘れてたらあんなハッキリ『誰だっけ』なんて言わないだろ!?」 「…言われてみればそれもそうだな」 「…」 「…」 …気まずい。そろそろ話を逸さなくては。 そこで、先ほどから抱えている紙袋が目に入る。 「それ、どうしたんだ?」 「これか…最近こういう食材の無人販売所ができてな」 そういえば、少し前にディールの買い出し代行をしたことがあった。…不慣れすぎてかなり時間がかかってしまったが。 というのもディールは前述の通り、警察に追われている身である故に世間に顔が割れてしまっている。 …まあ正直自分もギリギリだけど。多少失礼だが明日は我が身。 「しかも、セキュリティがそこまで厳重じゃないんだ…だから丁度いいなと」 無人販売、しかもガバセキュリティとなれば確かに丁度良さそうだ。 ガバ具合は少し気になるし後で見に行ってみようか。 「そういえば…今日は何か用があって来たのか?」 「いやただの通りすがり…猫探しの」 「…猫探し?」 「猫探し。」 「猫…?何故…?」 コートの内ポケットに手を突っ込んで、一枚の写真を取り出す。 「これ。まあそういう依頼で…」 その写真には、青い目をした白猫が写っている。 ディールはそれを見て少し考える。 「…いや、見てないな…」 「やっぱダメか…もう断ってこようかな」 もう一度、「これは専門外だ」と認識する。 本業は依頼執行人(実態はほぼ殺し屋)兼情報詮索、そりゃ猫探しなんてあまりに縁がなさすぎる。 すると、しばらく写真を見つめていたディールが口を開いた。 「…なあ、猫って夜行性だから夜に探した方がいいんじゃないか…?」 「…あ」 その通りである。完全に見落としていた。 「何やってんだ俺…」 …どうも最近こんな調子続きで、いつも通りに行っていないことが多い気がする。 …まるで、“何か”がずっと引っかかっているような… 「ん…具合でも悪いのか…?」 少し考え込んでいると、どこか心配そうな顔をしたディールが顔を覗き込んできていた。 「…いや別に…というか俺具合悪くなることって多分基本はないから…」 「…そうか」 …いや少し嘘だ。実際、正直若干の体のだるさはある。 「…じゃあ、そろそろ家であいつらが待ってるんでな…」 ディールはそう言いながら紙袋を抱え直すと、道を歩き始めた。 「じゃあな〜」 そう返事をして、自分もまた道を引き返していく。 …が、何か一つ言い忘れていることがある気がして振り返る。 頭に浮かんだその言葉を、そのまま口に出してみる。 「…お願いだから死ぬなよ…これもまた重圧になったら申し訳ないけど…」 その言葉を向けた相手には、もうそれなりの距離があったせいか届かず、風に掻き消されていった。 ただ、耳に届いた自分の声は、心なしかどこか震えているように感じた。 …何故突然、こんなことを言いたくなったんだろうか。 「違和感」 そう形容するしかない“何か”が、ずっと付き纏っているような気がした。 ____________________ 片手で軽くシルクハットを直すと、突然猫の鳴き声がした。 ふとその方向を向く。 そこには予想通り猫がいて、こちらを見ていた。 ただ、その猫の前脚には糸が絡まっている。 …助けてほしい、とでも言っているんだろうか。 近くに寄ってしゃがみ込み、紙袋と杖を一旦横に置く。 「…ホラ、今取ってやるよ」 その猫は素直に片脚を上げてくる。 その足に絡まった糸を解くと、猫はすぐに路地裏の奥へ向かって駆け出していった。 荷物を抱え上げて立ち上がる。 「…次は気をつけろよ」 その言葉に反応してか、一度猫は振り返って「にゃー」と鳴いた後、また駆け出していく。 帰路に歩みを進める。 今日の夕食には折角だからもう一品くらい作るか…なんてことを考えながら、ふと考えが留まる。 (…そういやあいつ、何か言っていたような…) 肩越しに振り返るも、もう随分離れてしまったこともあり彼の姿は見えない。 …まあ、考えても仕方ないだろう。 そう結論付けて、また歩を進めていった。 To be continued… 「下 人探しと後悔」 【出演者(サムネ使用・キャラは敬称略)】 ディール・オリバー @samewaniudon 様 東雲黒宙 @Snowdrop2021 すみません超今更クレジット忘れに気づきました

Project Details

Project ID1023237703
CreatedMay 20, 2024
Last ModifiedJuly 1, 2024
SharedJune 22, 2024
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