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息抜き小説 第二話

MNMnokuro•Created May 6, 2024
息抜き小説 第二話
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Instructions

そういえば、学校に行くのは初めてだった。 幼少期の頃は両親共働きで、母のある知り合いの家で勉強をしていた。 トロニ・ヒサ。教え上手な人だった。 (懐かしいな…) まぁそんなことを思いながら、地図を手に早歩きで道を歩いていた。 昨日の少年は、道慣れしていたため先に学校に行ってしまった。 (…早く行こ) 足取りは、段々と走りに変わっていった。 (…まだ…かな…) 少し焦りすぎていたのかもしれない。まだいじめっ子は… (来てない) そう思ったのも束の間、ドアからいじめっ子が入ってきた。乱雑にドアを開け、閉めもせずに入ってきた。 (!) どうしよう。キシカさんがいないと、また…またきっといじめられる。 背筋が凍るような思いで、心の中でキシカさんの名を叫んだ。 いじめっ子が支度を終え、こちらに向かってきた。 「なぁ?昨日の約束、持ってきた?」 ハッとした。昨日いじめっ子の妹が欲しがっていたブローチを買うよう、命令されていたのだ。 どうしよう。 (忘れてたなんて言ったら…) そう無言で冷や汗を掻いている自分を見て、いじめっ子の口が開いた。 「え?持ってきてないの?なんで?約束だったじゃん?おいおい…これで何度目だと思ってんだよ!!」 そう言っていじめっ子の拳が上がる。 咄嗟に目を瞑った、その時だった。 〔ガコンッ!!〕 すぐ隣で物凄く大きな音がした。 (空振った…?) 静かな声で、その音の主は言った。 「お前か、この子を虐めてるって奴は」 見覚えのある声に目をぱっと開ける。 鋭い光を目に灯した女性。キシカさんが、いじめっ子を恐ろしく圧の強い真顔で睨み付けていた。 いじめっ子がガクガクと震えながら、尻餅をつく。 「格の差を感じろ。クソガキが」 昨日の優しさの欠片も見えない、まるで豹変してしまったかのようだった。 一息ついて、こう言った。 「ところで…お前の名前を聞いてなかったな」 途端に意識が戻る。また違った様子のキシカさんに、見惚れてしまっていたのだ。 「えっと…西紫 操矢(ニシムラ ソウヤ)」 「へぇ、良い名だな」 キシカさんが微笑む。 (昨日のキシカさんだ…) 「顔色が良くなったな。まぁ出会ったばかりの人間ってのは、知らない顔があるものだ」 キシカさんは立つと同時に、僕の頭をぽんぽん、と撫でた。 キシカさんは、みんなの憧れだ。 世界中の人から知られている。 そんな世界の有名人と慣れ親しんだように話している自分を、いじめっ子 / 空素 遥(カラス ヨウ)は、羨ましそうに眺めていた。 キシカさんが口を開く。 「悪いが、長くここには居られない」 分かっていた。 キシカさんが長く自分のそばにいていられないことを。 分かっていたけど…寂しかった。 そして咄嗟に思ったことを、叶わぬような願いを叫んだ。 「僕も一緒に旅がしたい!」 唖然とした。 頭の中が一瞬真っ白になった気がした。 でも、首を振って断った。 「駄目だ。私の旅は…旅じゃない。とても、危険なんだ。私の旅は、何時も死と隣り合わせなんだ」 でも、操矢は必死に首を振った。 「それでも、良い。キシカさんと一緒にいたい!帰る家も、僕無いし…邪魔にならないようにするから、お願い!!」 涙が溢れないようにしながら、一生懸命に説得をしようとしてくるその顔には、今まで誰にも見たことのない決意がこもっていた。 しばらく考え込んだ後、溜め息をついた。 「…分かったよ…死ぬ覚悟があるならな…」 「っ!ありがとう!!!」 …負けた。 完っっっっっっっ全に負けた。 まぁ…これはこれで頑張るしか……ないか…。

Description

おまけ (何してんの?!) そう授業中合図する。キシカさんが剣の手入れをし出したのだ。 (剣の手入れ) キシカさんにそう合図される。 (今?!) (うん) いや、何してんの。 (今授業中!) (いや、暇だから) 何このギャップ。てか学校に剣持ってきてる時点でアウトだけど!! (しまって!) (許せ) なんでその返事?!てかこれ読める僕ら凄いな。 授業が終わった。 情報量多いって…() なんとかしまわせ、少し疲れたのでグデっとしていたら、キシカさんに肩に手を置かれこう言われた。 「ごめんって」

Project Details

Project ID1014263011
CreatedMay 6, 2024
Last ModifiedMay 6, 2024
SharedMay 6, 2024
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